変形労働時間制で休日は減る?違法な長時間労働と残業代未払い対策

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2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

転職や所属異動で変形労働時間制で働くことになったら、勤務時間が増えないか、休日が減らないか、と不安に感じる人も多いでしょう。

この記事では、変形労働時間制の労働時間や休日、残業代について紹介するとともに、違法な長時間労働と残業代未払いがあった場合の対処法を解説します。

変形労働時間制とは?|種類と制度内容

変形労働時間制とは、労働基準法に定める「1日8時間、週40時間」という法定労働時間を超えて仕事をしても、一定要件を満たせば法定労働時間の範囲内であると認められる制度です。

忙しい時期に労働時間を長くし暇なときは短くすることによって、労働時間を適切に配分し業務効率の向上と労働時間短縮を図ることを目的につくられた制度です。

変形労働時間制は4種類

変形労働時間制には、下記の4種類があります。

  • 1年単位の変形労働時間制
  • 1か月単位の変形労働時間制
  • 1週間単位の変形労働時間制
  • フレックスタイム制

厚生労働省の「平成31年就労条件総合調査の概要」によれば、従業員30名以上の企業で変形労働時間制を採用する企業は全体の62.6%で、「1年単位の変形労働時間制」が35.6%、「1か月単位の変形労働時間制」が25.4%と大半を占めています。

1年単位の変形労働時間制とは

「1年単位の変形労働時間制」とは、1年以内の一定期間を平均して労働時間を週40時間以内にすることを前提に、企業が業務の忙しい特定の日や週は「1日8時間、週40時間」を超えて労働させることができる制度です。

制度を導入するには、労使協定に下記事項を定め、企業は労働基準監督署長に届け出なければなりません。

  • 対象労働者の範囲
  • 対象期間と起算日(対象期間内を平均して労働時間が週40時間以内)
  • 特定期間(業務が忙しい期間)
  • 対象期間内の労働日と労働日ごとの労働時間

企業が好き勝手に労働時間を決められるわけではなく、1年以内の一定期間を平均すれば法定労働時間が守られるように詳細なルール作りが義務付けられているのです。

また、変形労働時間制が適用される労働者は労使協定の内容を見ることができるので、まず会社のルールをしっかりと確認しましょう。

1か月単位の変形労働時間制とは

「1か月単位の変形労働時間制」とは、1か月以内の一定期間を平均して労働時間を週40時間以内にすることを前提に、企業が業務の忙しい特定の日や週は「1日8時間、週40時間」を超えて労働させることができる制度です。

「1年単位の変形労働時間制」と同様に、労使協定や就業規則で変形期間(1年単位の「対象期間」に相当)と起算日や労働日、労働日毎の労働時間などを決めなければなりません。

たとえば、月末が忙しい会社では、「1か月単位の変形労働時間制」の労使協定をして、月始の1週間は1日6時間労働、月末の1週間は1日10時間労働とされるケースもあります。

変形労働時間制の休日|法律上の最低日数は?

変形労働時間制に限らず、日本の法律では年間の休日数は定められていません。休日については、労働基準法で企業に対し下記事項を義務付けています。

  • 毎週少なくとも1日、または4週間で4日以上の休日を付与する
  • 休日に労働させた場合、振替休日を付与したり割増残業代を支払う

休日は週1日でも仕方ない?

労働基準法では「毎週少なくとも1日」と定められていますが、実際には週休2日制が多い理由は、1日8時間勤務すると5日で週40時間の法定労働時間に達してしまうからです。

ただし、1日6時間、週6日勤務ならば週40時間の範囲内となるため、休日が週1日になっても労働基準法を満たしていることになります。

「1年単位の変形労働時間制」の休日は?

「1年単位の変形労働時間制」では、対象期間が3か月を超える場合、年間の休日が最低85日以上と定められています。1年を52週間として計算すると、1週間の平均休日数は1.6日です。

週休2日で祝日や年末年始も休みなら年間の休日数は110日前後となるので、休日が年間85日しかなければ、休みが少ないと感じられると思います。

ただし、週平均1.6日は法律上最低限の休日数で、実際には会社ごとに就業規則と労使協定で休日が定められています。

「1か月単位の変形労働時間制」の休日は?

「1か月単位の変形労働時間制」の場合、年間の休日数の定めはありませんので、下記のように週休2日にならないケースも考えられます。

  • (1週目) 1日5時間、週6日勤務(週30時間)→休日1日
  • (2,3週目)1日8時間、週5日勤務(週40時間)→休日2日
  • (4週目) 1日10時間、週5日勤務(週50時間)→休日2日

1-4週目までを平均すると週労働時間は40時間となりますが、1週目は1日5時間勤務なら休日は1日のみ、4週目は週40時間を超えていますが休日は2日のみとなることもあります。
1か月単位、1年単位の変形労働時間制は、労使協定や就業規則で労働日が定められているので労使協定や就業規則で休日の確認をすることができます。

違法な長時間労働と残業代未払い対策

変形労働時間制は制度内容が複雑で、労働者の理解不足を利用して、企業が違法な長時間労働を押し付けてきたり、残業代が支払われないことが問題となっています。

変形労働時間制の残業代の計算

変形労働時間制の残業代は、労使協定などで定めた「所定労働時間」を超えて仕事をした場合に支給されます。

難しいのは、25%の時間外手当加算の対象です。対象となる残業は1日単位、1週単位、1月単位で計算し、それぞれに対し時間外手当が加算されます。

たとえば、1月4週・週5日勤務で所定労働時間を(1週目)1日5時間、(2,3週目)1日8時間、(4週目)1日10時間の場合、下記の通り計算します。

(1日単位の残業)
1-3週目は8時間を超える残業、4週目は10時間を超える残業に対し時間外手当。

(1週単位の残業)
1日単位の残業を除いて、1-3週目は週40時間を超える残業、4週目は週50時間を超える残業に対し時間外手当。

(1月単位の残業)
1日単位、1週単位の残業を除いて、1か月の法定労働時間(40時間×4週=160時間)を超える残業に対し時間外手当。

違法な長時間労働と残業代未払い対策

変形労働時間制では、労働者が制度を理解していないため、知らないうちに残業させられるケースや、残業代(または時間外手当)が支払われないケースが散見されます。不利な処遇を防ぐために、下記手順にて対策しましょう。

  1. 自分の労働条件を知る
    就業規則、労使協定で「労働日」と「その日の労働時間(所定労働時間)」を確認しましょう。休日は労働日以外の日です。
    自分の労働条件に対する無知・無関心が、会社の不法行為を助長する場合もあります。就業規則や労使協定の内容を知ることは労働者の権利ですから遠慮は不要です。
  2. 勤務時間を記録する
    毎日の勤務時間を記録しましょう。タイムカードや会社の勤怠システムで確認できる場合は、その記録を使います。
  3. 給与明細をチェックする
    毎月、給与明細をチェックして残業代が正しく支払われているかチェックしましょう。1. 2.より所定労働時間と実際の勤務時間を比較すれば確認できます。
  4. 残業代が正しくない場合は申し出する
    残業代が正しくない場合は、会社へ申し出しましょう。原因は事務的なミスだけでなく、会社が意図的に残業代を支払わないケースもあります。

申し出に対し会社側が対応してくれない場合は、組合や労働基準監督署などへ相談するなどの対応が必要です。

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