給与明細をもらえない場合の対処法!渡さない会社は違法

20190308162659 f111012fd914ce8cc72b2f8523e001774919e4a1

2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

給与の支払額や控除額が記された「給与明細」は、正社員やアルバイトなどを問わず当然にもらえるものです。しかし信じられないことに、給与明細がもらえない会社が存在するのです。あなたの会社はどうでしょうか?

給与明細を従業員に渡さない行為は違法です。給与明細には社会保険料の控除額など重要なことが書かれていますから、被雇用者としては必ずもらう必要があります。

この記事では、

  • 会社が給与明細を従業員に渡さないことが違法な理由
  • 給与明細をもらえない場合の対処法
  • 給与明細がもらえない場合のよくある疑問

以上3点をわかりやすく解説します。違法行為を行う雇用主には毅然とした態度で対応しましょう。

会社が従業員に給与明細を渡さないことは違法

これまで、会社から給与明細(支払明細書)を渡されたことの無い方や、必要なら渡すと会社の担当者に教えられている方は、給与明細をもらえないことが普通と思われているかもしれません。

しかし、会社が従業員に給与明細を渡さない行為はれっきとした法律違反です。

会社は従業員に対して必ず給与明細を渡さなければならないことが義務付けられていますし、当然に従業員には給与明細を請求できる権利があります。会社が従業員に対して給与明細を渡さなければいけないという規定は、所得税法231条にて確認することができます。

さらに、給与明細を従業員に対して交付しない場合には、所得税法242条により「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」が処されるという、雇用主に対する罰則まで定められています。

したがって、従業員は当然に雇用主から給与明細をもらうことができるのです。

労働基準法を根拠に渡してこない場合がある

会社が従業員に給与明細を渡さないことは違法です。しかし、雇用主の中にはよほどやましいことがあるのか、もしくは勘違いをしているのかわかりませんが、労働基準法を根拠に給与明細を渡してこない場合があります。

「労働基準法」とは、労働条件の最低基準を定めている法律です。雇用主は必ずこの法律に則った経営をしなければなりません。しかし、労働基準法の中には給与明細に関する規定が存在しないのです。

したがって、雇用主の中には「労働基準法に書かれていないのだから、給与明細を渡す必要はない」と理解して、従業員に給与明細を請求されても渡さない場合があります。

繰り返しますが、給与明細の交付は所得税法によって定められています。よって、このような「給与明細を交付する必要がない」という考えは誤りです。

給与明細をもらえない場合の対処法

会社から給与明細をもらえない場合には、以下で紹介する3つの対処法により解決が望めます。

あせらず落ち着いて、しっかりと自分の正しい意見を主張しましょう。

まずは社内の担当者に相談

給与明細は給与の振込み前にもらえるのが通例です。しかし、給与が振り込まれて数日経過したにもかかわらずもらえない場合には、担当者が交付を忘れている可能性があります。

そのような場合には、まずは社内の担当者に確認しましょう。通常であれば会社の総務部もしくは経理部が給与明細の計算と作成を行いますから、それらの担当部署を訪ねてみてください。中小企業など、普段から社長との距離が近い会社の場合には直接質問しても問題ないでしょう。

ただし担当者に相談しても断られる場合があるので、先ほど紹介した所得税法をメモなどに控えて、それを根拠に請求しましょう。

もし、相談しても給与明細をもらえない場合や、相手が態度を豹変させた場合でも従業員側に非はありませんから、毅然とした態度で交渉することが重要です。

改善されない場合は労働基準監督署に相談

担当者に相談しても給与明細の交付が改善されない場合には、労働基準監督署(労基)に相談しましょう。

労働基準監督署とは、労働基準法や労働契約法などの法令を守らない企業を取り締まるための機関ですが、働く側の労働トラブルを相談をすることが可能です。各都道府県労働局と全国の労働基準監督署内に相談窓口が設置されていますから、まずはそちらに「給与明細を交付してもらえない」と相談してください。電話での相談も可能です。

ただし、給与明細の問題は各労基によって対応が異なる場合があります。労基側から会社に直接改善の指導をしてくれる場合もありますが、税務署に対応を回される場合もあるようです。給与明細については所得税法に規定されていますから、税務署が対応することはある意味自然と言えます。

とは言え、労基署に相談することで「この会社は給与明細を渡さない怪しい会社だぞ」と教えておくことができますから、まずは労基署に相談してみましょう。

最終的には税務署に相談する

労基署が会社に指導をしても改善されない場合、もしくは労基署から税務署に問い合わせるように伝えられた場合には税務署に相談してください。

税務署では、労基署と同じく「給与明細を会社からもらえない」と相談してください。そして、「給与支払明細書不交付の届出」を税務署へ提出することで、税務署から会社に改善指導が入ります。給与支払明細書不交付の届出は、国税庁のHPからダウンロードしてあらかじめ記入していくと相談がスムーズです。

まれに税務職員がこの制度を知らずに門前払いをされる場合があるようですが、その場合は税務職員の対応が間違っています。相談者に非はありませんので、「所得税法に給与明細に関する規定があること」「給与支払明細書不交付の届出という制度があること」など、

しっかりと説明をして必ず対応をしてもらいましょう。

給与明細がもらえない場合のよくある疑問

ここまで給与明細がもらえない場合の対処法を解説しましたが、「バイトやパートは給与明細がもらえないの?」「もらった給与明細と実際の給与が異なっていたら?」など、さまざまな疑問が残っているかと思います。

給与明細が会社からもらえない場合のよくある疑問をこちらにまとめましたので、参考にしてください。

バイトやパートは給与明細がもらえないって本当?

給与明細の交付を請求したものの「バイトやパートさんには渡していないんだよね」という理由で断られる場合があります。

しかし、これは会社側の対応に問題があります。バイトやパートなどの雇用形態に関わらず、会社は給与明細を必ず従業員全員に対して交付しなければなりません。

したがって、このような理由で断られたからといって引き下がる必要はありません。しっかりと給与明細を交付してもらいましょう。

もらった給与明細と実際の給与が異なっていたら?

労基や税務署に対応してもらい、やっと給与明細が交付されたものの、実際に振込まれた給与と齟齬がある場合があります。

そのような場合には、速やかに担当者に相談してみましょう。実際の振り込み金額と給与明細の金額が異なる旨を伝えます。もし給与明細より少なく振込まれていた場合には、現金での精算もしくは翌月の給与に調整金として計上してもらうようにします。

また、多く振り込まれていても「ラッキー」で済ませてはいけません。不当利得を得たとみなされ、返還請求を受ける可能性があります。この場合にも、現金での精算もしくは翌月の給与で調整することになります。

ともあれ、給与明細と実際の給与に齟齬があった場合にはトラブルの原因になりますから、早めの対応が肝心です。

給与明細を渡さない勤務先はブラック企業?

「給与明細を渡さない会社はブラック企業?」という疑問をお持ちの方も多いと思います。

これに関しては一概には言えませんが、なにか意図的な理由から従業員に対して給与明細を渡さない会社はブラック企業といっても差し支えないでしょう。

給与明細の交付に応じないということは、従業員になにか知られたくないことが存在することになります。そして、所得税法違反を犯してまで給与明細を渡さないわけですから、まともな企業とは言えません。

そのような会社は他の法令違反を犯している可能性があります。なにか気になることがあれば、労基署や労働問題に強い弁護士などに相談することをおすすめします。

問題が解決しない場合は労働問題に強い弁護士へ相談を

労基署や税務署に相談しても給与明細に関する問題が解決しない場合には、労働問題に強い弁護士に相談することで解決できる場合があります。

労働問題を専門に扱っている弁護士であれば、このようなトラブルの解決は日常的な業務として行っていますから、素早い解決が望めるでしょう。

相談料無料の弁護士事務所も多いですから、自分で問題を解決できそうにない場合には弁護士に相談することをおすすめします。

まとめ

会社が従業員に対して給与明細を交付しないことは法律違反です。もしもらえない場合には労基署や税務署に相談し、会社に対して行政指導をお願いするようにしましょう。

また、それでも企業側の対応が改善されない場合には、労働問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。労働問題に強い弁護士であれば、きっとあなたの力になってくれるでしょう。

給与明細のトラブルを解決し、安心した生活を手に入れましょう。

スマホで入れる「無料オンライン労働組合」

職場改善をはじめよう

専門家が作る職場改善の通知を無料で送ることができます

不当解雇・失業の無料電話相談