勤怠時間の丸めは基本的に違法。なぜ違法なのかと対処法について解説

労働時間

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勤務先で勤怠時間の丸め(端数処理)が行われていることに疑問を感じている方は多いと思います。勤怠時間の丸めは労働基準法違反の違法行為となる場合があります。もし違法な勤怠時間の端数処理が行われている場合は、労働基準監督署からの指導や、未払い賃金の請求を求めることが可能です。

自分が所属する組織が勤怠時間の丸めをおこなっている場合には、勤怠時間の丸めがおこなわれていたという証拠を残しておき、労働基準監督署へ相談することをおすすめします。

勤怠時間の丸めは基本的に違法

勤怠時間の丸めは基本的に違法です。なぜ違法なのか、どの法律に違反するのか、どのように労働時間を管理すればよいのかを解説します。

勤怠時間の丸めは労働基準法第24条に違反

会社による勤怠時間の丸めは労働基準法第24条に違反している可能性が高いです。労働基準法第24条は会社に労働者に対し、労働の対償である賃金を全額支払う義務を定めています。

第二十四条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。

労働基準法第24条

しかし、勤怠時間の丸めは終業時間や残業時間を切り捨てるなど労働時間を少なくする方向で処理されていることが一般的です。そのような勤怠時間の丸めを会社が行えば、実際に働いた時間より受け取れる賃金が少なくなってしまいます。たとえば、15時25分まで働いたのに勤務時間を丸めて15時15分まで働いたことにされれば、10分間分の賃金がもらえないということになります。本来受け取れる賃金より、10分間分の賃金が少なくなることになるので、賃金の全額払い義務を定めた労働基準法第24条に違反することになります。

残業の場合に勤怠時間の丸めがおこなわれれば、労働基準法第37条にも違反することになります。

第三十七条 使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

労働基準法第37条

勤務時間が15時までの従業員が15時10分まで働いたときに、会社が勤怠時間の丸めをおこない15時まで勤務したことにすると、会社は労働基準法第24条だけでなく労働基準法第37条にも違反します。10分間分の賃金が支払われていないことに加えて、10分間分の残業に対する割増賃金が支払われていないことになるからです。

労働時間は1分単位で計算される必要がある

会社に正しく勤怠管理をおこなってもらうためには、労働時間は1分単位で計算されている必要があります。

労働時間の単位に言及している法律はありませんが、東京労働局のパンフレットでは「1日の労働時間は1分単位で計算しなければなりません。」と書かれています。勤怠時間の管理は1分単位でおこなわれていれば問題ありません。

参考資料:東京労働局「しっかりマスター 労働基準法 割増賃金編」

1ヵ月合計時間の30分未満の切り捨ては違法ではない

会社が1日の勤怠時間の丸めをおこなうことは違法ですが、労働時間の1ヵ月合計時間は30分未満の切り捨ては違法ではありません。

1ヵ月の労働時間が160時間25分だった場合は、25分を切り捨てることは違法ではないということになります。

1日の労働時間は1分単位で計算しなければなりません。端数を切り上げることは問題ありませんが、切り捨てることはできません。ただし、1か月の労働時間を通算して30分未満の端数が出た場合には切り捨て、30分以上の端数を1時間に切り上げて計算することは認められています。

http://www.roumu.or.jp/data/pdf/20090310_roudou_warimashi.pdf

違法な勤怠時間の丸めを行う会社にどう対処するべきか

自分が勤務している会社で勤怠時間の丸めがおこなわれていても、何も言わずに黙っている人の方が多いのではないでしょうか?違法行為がおこなわれていることを黙っていることは、自分が損をするだけでなく会社にとっても大きな損失となります。勤怠時間の丸めがおこなわれている証拠を残して、労働基準監督署へ相談するか、未払の賃金・残業代を請求しましょう。

勤怠時間の丸めがおこなわれている証拠を残す

違法行為がおこなわれていることを証明するためには、勤怠時間の丸めがおこなわれている証拠を残す必要があります。タイムカードのコピーや給与明細などが勤怠時間の丸めの証拠になります。

労働基準監督署へ連絡

勤怠時間の丸めがおこなわれていても、会社に対して直接話をするのは難しいです。勤怠時間の丸めがおこなわれている証拠をもって、労働基準監督署へ相談しましょう。

未払の賃金・残業代を請求

勤怠時間の丸めに対して未払の賃金・残業代を請求することもできます。

未払の賃金や残業代が無視できない金額になるのであれば、会社に対して未払の賃金・残業代を請求することを視野にいれてみましょう。トラブルになる可能性があるので、弁護士に依頼することをおすすめします。

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