タイムカードの手書きは違法?改ざんの防止策と対処法についても解説

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2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

「うちの会社は手書きのタイムカードを使っているけど、あれは違法ではないのかなあ?」

「もし残業時間を改ざんされたらどうすればいいんだろう・・・?」

タイムカードが手書きで行われている会社で働いている方は、こんな悩みを抱えてらっしゃるのではないでしょうか?

手書きだと不正に書き換えられるリスクも高く、勤務時間をごまかされて適切な給与を受け取れない可能性もあります。

この記事では手書きのタイムカードの違法性や、記録の改ざんを防ぐための方法、さらには改ざんされた場合の請求の仕方についても解説していきますので、不安な方はぜひ最後までご覧ください。

タイムカードを手書きで記載するのは違法なのか?

そもそも手書きのタイムカードは法的に認められているのでしょうか?

手書きで記録しなければいけない状況も含めて、見ていきましょう。

手書きでの記録自体は違法ではない

結論から言えば、タイムカードを手書きで記載すること自体は違法ではありません。

事業者の義務はあくまで「適切な方法」で「労働者の労働時間の状況を把握」することであり(労働安全衛生法第66条の8の3、労働安全衛生規則第52条の7の3第1項)、それが出来ている限りどのような形で記録してもいいのです。

会社の規模が小さい場合には、

  • 手書きの方が管理が楽
  • 勤怠管理ソフトを使うと導入、維持に大きなコストがかかる

などの理由から、手書きのタイムカードを使った方がメリットが大きい場合もあります。

「タイムカードが手書き」という理由だけでは違法性は問われない、ということは覚えておきましょう。

急遽手書きでの記録が必要になる場合も

また、普段はタイムレコーダー等の機械によって打刻していても、忙しくて開始時刻を記録するのを忘れていたり、営業先に直接行ってそのまま帰ったため記録できなかったりすることがあるかもしれません。

その場合、後から手書きで記録することになります。

もちろんこれは違法ではないので気にする必要はありません。

ただ、会社によってどの時間を労働時間とみなしているかが違っていたりするので、手書きでの記録に慣れていない人はしっかり確認するようにしましょう。

タイムカードが改ざんされるのを防ぐにはどうすべき?

手書きのタイムカードは違法ではありません。

しかし「虚偽の記載をした帳簿書類の提出」は違法であり(労働基準法第120条第4項)、タイムカードの書き換えは法に反する行為です。

そしてタイムカードの改ざんは残業代のごまかしにも繋がります。

どうすればタイムカードの改ざんを防げるのかについて、見ていきましょう。

タイムカード以外でも記録を残しておく

タイムカードは基本的に会社側で管理するものですから、改ざんされることを完全に阻止するのは不可能です。

ですから、自分で保管できる証拠を常日頃から記録しておくのが有効でしょう。

例えば、以下のようなものが証拠になる可能性があります。

  • 出勤時、退勤時に撮影した会社の時計の写真
  • 会社のパソコンのログイン、ログアウト時刻の履歴
  • LINEやメールの送受信時刻の履歴
  • 録音した残業命令の音声

もちろんすべてが正式な証拠として認められるとは限りませんが、いざという時のため少しでも多くの記録を残しておくのが得策です。

ちなみに、こうして記録をとる作業を上司に気付かせるくらい堂々と行うことで、向こうが改ざんをしにくくなるというメリットもあります。

少しでも不安があるならすぐに始めましょう。

勤怠管理システムの導入を提案する

最近の勤怠管理システムは機能面が非常に充実しています。

Web上で打刻できるため従業員はいつどこにいても正確な時刻を記録することが出来ますし、月末の集計もすべて自動で行ってくれるので不正のしようがありません。

ですから、タイムカードだと不安だという人は上司に勤怠管理システムの導入を勧めてみてはいかがでしょうか。

当然コストがかかるのでいい顔はされないと思いますが、集計作業の負担が減るなど使用者側にもメリットがあることを訴えればうまくいくかもしれません。

タイムカードを手書きする会社は辞める

もしどうしても会社が手書きのタイムカードをやめてくれず、改ざんの不安が拭い去れないという場合はその会社をスパっと辞めてしまうのも手です。

会社の体制が自分と合わないと十分に能力を発揮できないということもあるので、いざという時の選択肢として考えておくのはいいと思います。

タイムカード改ざんに対し未払い賃金は請求可能?

色々と防止策を取っていたとしても、改ざんされてしまう可能性はゼロにはなりません。

もしタイムカードが改ざんされたら、いくら長時間労働しても残業代が支払われなくなってしまいます。

そこで生じた未払い賃金は、請求して後から払ってもらえるのでしょうか?

未払い賃金は請求可能

「労働時間を延長し、または休日に労働させた場合においては、割増賃金を支払わなければならない」と法律で定められており(労働基準法 第37条第1項)、残業代の未払いは当然違法です。

したがって、客観的な証拠があれば未払い賃金を請求することが可能になります。

その場合、まず会社と直接交渉し、それでもうまくいかなければ司法の力を借りるようにしましょう。

会社と直接交渉する流れについて

おそらくほとんどの方は時間とお金を使って法廷に持ち込むより、会社との間だけで済ませてしまいたいと考えると思います。

特に請求をした後も同じ会社で働くことを考えている場合は、会社との関係を維持するためにも直接話し合いをして解決したいという方が多いのではないでしょうか。

その場合、次の流れで進めていくことになります。

  1. 証拠を集めて専門の弁護士に相談する。
  2. 会社に内容証明郵便で請求通知を送る。
  3. 弁護士の協力のもと会社側との交渉を行う。
  4. 示談に達したら合意書を作成し、示談金を受け取る。

ただし、直接交渉はあくまでも会社との関係を悪化させないことが優先されるため、未払い賃金を全額受け取ることは難しい場合が多いです。

とはいえ、今後の労働条件の改善も見込めるため、有効な手段の一つであることは間違いないでしょう。

労働審判または裁判を行う場合について

会社との交渉が決裂してしまった場合は、法的措置をとるしかありません。

法的な措置で未払い賃金を請求する場合、主に「労働審判」と「裁判」という2つの方法があります。

それぞれの流れについては、以下の通りです。

労働審判の場合

  1. 労働審判申立書や陳述書等の必要書類と、事前に用意しておいた残業の証拠となりうるものを全て裁判所に提出する。
  2. 40日以内に最初の期日が開かれ、会社側と双方の主張や事実関係の確認を行う。ここでもし妥協点が一致すれば第1回期日で調停が成立する場合もある。
  3. 第3回期日までに調停が成立しなければ、審判官と審判員が評議を行い「審判」が下される。
  4. 審判の内容に双方が納得すれば、労働審判は終了する。

裁判の場合

  1. 会社の所在地を管轄する地方裁判所または簡易裁判所に訴状を提出する。
  2. 第1回期日は会社側が訴状に対する答弁書を提出する。
  3. 2回目以降の期日では双方がそれぞれの主張とその証拠となる書類を一緒に提出し、具体的な答弁が行われる。
  4. 双方が全ての主張書面の提出を終えると弁論終結となり、その後判決が言い渡される。

基本的に労働審判は話し合いでの解決を目標としており、早ければ1か月ほどで解決することが出来ます。

また、審判を行うための印紙代、弁護士を雇う着手金についても裁判より安く抑えられることが多いため、未払い賃金を請求する場合はまず労働審判での解決を目指すのが良いでしょう。

ただし、労働審判の結果に会社側が異議申し立てをした場合はそのまま裁判に移行するため、訴えを起こすなら長期戦になる覚悟は持っておくようにしましょう。

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