給与未払いはどこに相談する?労働基準監督署や弁護士など無料相談窓口をご紹介! 

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2020年10月1日以降の自己都合退職者は、失業手当の給付制限期間が短縮される変更があります。

一生懸命働いたのに、給与を払ってもらえない…
そんな給与未払いがある状態だと不安ですよね。
請求を怠っていると、時効や破産で請求できなくなることもあるため、早期の相談が大切です。

ここでは、
・時効や利息など未払い請求の基礎知識
・給与未払いの相談先
・未払給与の請求方法
について解説していきます。

給与未払いでお困りなら…知っておきたい請求前の知識

給与未払いの請求では、時効や利息・遅延損害金に気をつける必要があります。

給与未払い請求の時効はいつまで?

給与未払い請求の時効は2020年現在、原則として2年です。そのため、2年より前の未払い給与については、請求をしても時効を理由に拒まれてしまいます。なお、2020年の改正で労働基準法115条は時効を5年に延長していますが、当面は3年で運用され、しかもその適用は2020年4月1日以降に支払われる給与からとなっています。
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つまり、現時点で未払いの2020年4月1日以前の賃金は全て時効期間が2年となるため、未払給与がある場合は、早めに請求をすることが大切です。請求後6か月以内に訴えを提起すれば、時効を中断させることもできます。

退職後でも未払い給料の請求はできる?

退職をしてしまった後でも、未払給与の請求は可能です。給与を支払う義務は、会社から労働者に対して確定的に発生していますから、雇用関係が解消された後でも残存しています。時効にさえかかっていなければ、いつでも請求は可能です。
請求に関する注意点は?

ただし、解雇や退職に関する団体交渉や和解などを経て、「これ以上の債権債務がないことを確認する」という旨の合意が法的に成立している場合は、請求権を放棄したことになるため、その後の請求ができなくなってしまいます。和解などをする際は、和解書・合意書の内容に留意しましょう。

給与に利息・遅延損害金はつく?

未払いの給与・賃金には利息・遅延損害金がつきます。利息・遅延損害金は、金銭を支払う義務を怠っているときに発生する損害賠償金です。未払給与・賃金については、請求を「在職中」にするか、「退職後」にするかで利率が変わってきます。
在職中と退職後の違いは?

在職中に請求する場合、民法404条から計算される利息・遅延損害金が発生します(以前は商法514条から6%とされていましたが、改正によって削除されました)。一方で、退職後も未払いが続いた場合、退職日の翌日以降は年14.6%と非常に高い利率が適用されます(賃金の支払の確保等に関する法律6条)。

また、利息・遅延損害金とは異なりますが、「割増残業代」や「休業手当」、「有給休暇の対象となった賃金」に関しては、未払いが悪質な際に裁判所が最大で同額の付加金を命じることができます(労働基準法114条)。最大額が認められた場合、働く人は未払額の倍額を支払ってもらえる場合があるということですね。

未払いの給与を請求したいときの相談窓口一覧

上記のような給与未払いについて、会社に請求する際には以下の相談窓口に連絡しましょう。

給与未払いの相談窓口は労基?弁護士?

まず給与未払いの相談窓口として労基署が考えられます。労働基準監督署(労基署)とは、労働に関する法律を会社が遵守しているかを申告や臨検監督でチェックし、指導票や是正勧告書の交付によって、働く人の権利を守る公共機関です。労働したことが確認できれば、賃金未払いは違法となります。無料相談をすれば、会社に電話して指導をしたり、実際に会社に訪れる臨検監督をして、是正を強く促してくれることでしょう。また、非常に稀ですが、罰則に該当する悪質な場合は、逮捕と送検までしてくれる場合があります。
弁護士の場合は?

もし訴訟も見据えて相談する場合は弁護士がお勧めです。まずは弁護士名義で会社と交渉をしてくれますし、交渉決裂した場合は、労働審判や労働裁判などの法的手続きを利用して未払いの給与を請求することも考えられます。[全国の弁護士会はこちらから

相談窓口として警察はあり?

給与未払いの相談窓口として警察は基本的に適切ではありません。警察は刑事事件になり得る案件を扱う官署です。給与未払いは民事事件ですので、相談に行っても「民事不介入」として受け付けてくれない可能性もあります。
刑事事件にはならないの?

ただ、賃金の定めがそもそも最低賃金法に反する場合や、残業代の未払いが悪質な場合は、刑事事件になることもあります。その場合は警察も受理してくれる場合がありますが、逮捕や送検は上記のように労基署でも可能です。その点でもまずは労基署へ相談した方が良いでしょう。

会社が破産していたら相談しても無駄?

会社が破産していても、給与未払いの相談をすることは非常に大切です。保有財産以上に負債が大きくなったために破産手続きを進めている場合は、まだ会社に財産が残っている場合も多いです。
どこに相談すべき?

実は破産手続きの中で「破産手続開始前三月間の給料」は優先的に弁済が受けられることとなっています(破産法149条1項)。自分も債権者として破産手続きに参加する必要がありますが、それによって優先的に支払ってもらえる可能性がありますから、なるべく早く相談しましょう。この場合は弁護士に相談した方がスムーズに進むためお勧めです。

給与未払いの請求までの流れ

上記のように給与未払いについて請求しようとした場合、基本的な流れとしては①計算、②請求、③交渉か法的手続きという順番になります。

未払いの給与はどう計算する?

未払いの給与は、通常の給与と割増賃金の対象となる残業代に分けて考える必要があります。まずは雇用契約書やこれまでの給与明細などを参考に、本来貰えるはずの基本給や各種手当と、実際に支払われた額に差がないか明確にしましょう。もし未払い部分があれば、「令和〇年〇月分は〇円」というように月ごとに分けて記録しましょう。
具体的な計算方法は?

残業代は1日8時間を超えた労働時間や休日出勤に関し「1時間あたりの基礎賃金×残業時間×割増率」で計算をしていきます。

【1時間あたりの基礎賃金】
計算の基礎となる「1時間あたりの基礎賃金」は、「月給÷1カ月の平均所定労働時間(月平均所定労働時間)」で計算することができます。そして「月平均所定労働時間」は「(365日-1年の休日合計日数)×1日の所定労働時間÷12ヵ月」で計算をすることがえきます。その際、月給には基本給や一定の手当は入れ込みますが、通勤手当や家族手当、住宅手当など福利厚生的意味合いを持つものは含めません。また、休日日数は就業規則に休日の定めがあれば適用し、特に定めなければ暦通りの休日日数で問題ありません。

【残業時間】
雇用契約や就業規則で定められた労働時間(所定労働時間)を超えたものが残業時間となります。

【割増率】
残業時間のうち、労働基準法で定められた「1日8時間、1週間40時間」(法定労働時間)を超えた部分などは、1時間あたりの基礎賃金に一定の割増率をかけた割増賃金を支払ってもらう必要があります(労働基準法37条)。

・基本的割増
法定労働時間を超えた部分の労働には、1.25倍の割増率が適用されます。ただし、法定労働時間から60時間を超えて法定外労働をした場合、それ以上の部分は1.5倍の割増率となります。80時間の法定外労働があった場合、60時間分は1.25倍、残りの20時間分は1.5倍になるということです。

・深夜労働
午後10時から午後5時までの労働には、1.25倍の割増率が適用されます。もし当該時刻に、法定外労働時間があった場合は、合算した割増率が適用されることになります。(60時間以内なら合算して1.5倍、60時間を超えた部分は1.75倍)

・休日労働
休日に労働した場合は、1.25倍が割増率となります。こちらも深夜労働などにあたる場合は加算されます。

上記のルールに従って、残業代を計算することになります。
ただし、残業代の正確な計算には、タイムカードなどの勤怠管理表が必要になることもあります。資料が足りない場合には、会社に開示請求をする必要があります。

内容証明での請求書の送り方は?

内容証明郵便とは、相手に送った内容が自分の手元と郵便局で保存される郵送方法です。請求をするタイミングが重要ですので、請求したこと自体や日付を証明できるように内容証明郵便を利用しましょう。
内容証明郵便の送り方は?

送り方は、以下の書類等を持参して窓口で依頼するだけです。
・送付する書面
・書面のコピー2部
・差出人および受取人の住所氏名を記載した封筒
・内容証明の加算料金を含む郵便料金

最近はオンラインで依頼することもできますが、分かりにくい場合は窓口の方が安全です。

会社に裁判など法的措置はとれる?

内容証明の送付や電話での交渉などでも未払い給料について払ってくれない場合、労働審判や労働裁判などの法的措置をとることが考えられます。交渉では迅速かつ柔軟に解決をすることができますが強制力がありません。一方、労働審判や労働裁判は時間がかかりますが(平均して労働審判が2か月半、労働裁判は14ヶ月)、こちらの主張が認められれば、支払いを法的に強制することができます。
弁護士に頼む注意点は?

弁護士を依頼する場合は費用がかかるため、回収見込み額と比べて経済的にメリットがあるのかを考えながら決めていきましょう。

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