退職後にハローワークですべき手続き|失業保険・求人・職業訓練

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会社を退職したあとにすることといえば、健康保険の切り替え、年金の切り替えなどをする必要があります。

そして何よりも経済面で労働者の助けになる失業保険(雇用保険)を受け取るためには、退職後にハローワークで手続きをする必要があります。

この記事では、失業保険受給のために退職後にハローワークですべき手続き、その他ハローワークで出来ることについて解説していきます。

退職後に失業保険を受け取る条件とは?

失業保険(雇用保険)とは、会社などで働いていた労働者が失業した場合に、生活を心配しないで再就職活動ができるように支給される手当です。

失業保険を受け取るためには、以下の条件が必要となります。

  1. 退職日以前の2年間に雇用保険加入期間が通算12ケ月以上ある
  2. 失業状態にある

※特定受給資格者・特定理由退職者については退職日以前の1年間に雇用保険加入期間が通算6ケ月以上ある場合も可

それぞれ、具体的にどのような条件が求められるのかを確認してみましょう。

①雇用保険加入期間が通算12ケ月(6ヶ月)以上ある

失業保険を受け取るにはある程度就労していた実績、すなわち雇用保険加入期間が一定基準以上あることが必要です(雇用保険法6条第1号、第2号・13条1項、2項)。

  • 31日以上の雇用見込みがあったこと
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であったこと
  • 上記2つの雇用保険加入の条件を満たし、退職日から数えて2年間の12ケ月以上雇用保険に加入している期間があること

まず前提として、事業者側は労働者の意思にかかわらず、上記の条件にあてはまる労働者を雇用保険に加入させてハローワークに届け出なければなりません。

ですので、雇用保険加入に関して労働者が行動を求められることは基本的にはありません。

さらに雇用保険に加入している期間について、退職している日から1ヶ月ごとに区切った期間に賃金支払いの基礎となった日(≒勤務した日)が11日以上ある又は賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上ある月を1ヶ月としてカウントします。

つまり、会社で勤務していた期間が短すぎたり、欠席日数が多かったりすると失業保険が受け取れなくなる可能性があります。

さらに倒産・解雇などの理由で失業した者(特定受給資格者)雇い止めされた者・父母介護のため離職した者(特定理由離職者)に関しては、雇用保険の加入期間は「退職日以前の1年間に6ケ月以上」と、条件が緩和されています。

また該当期間の間に複数の会社で勤務している場合であっても、その離職~就職の期間が1年以下であり、該当期間中の失業で失業手当を受け取っていない場合は、雇用保険加入期間を通算して計算することができます。

②失業状態にある

失業保険を受け取るには、実際に労働者が失業状態にある必要があります(雇用保険法15条)。

失業状態とは

就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができないである状態

この定義により、以下のような労働者は「失業状態」ではなく、失業保険を受け取ることはできないと考えられています。

  • 病気や怪我のためにすぐには就職できない者
  • 妊娠、出産、育児のためすぐに就職できない者
  • 定年退職などでしばらく休養する予定の者
  • 結婚などで家事に専念し、すぐに就職できない者
  • 自営業に専念する者

退職後にハローワークですべき具体的な手続きとは?

雇用保険加入期間・失業状態という2つの条件を満たしていれば、失業保険の受給資格があります。

そのうえで実際にハローワークに行って行う手続きについて解説いたします。

①ハローワークで求職の申し込みを行う

まずご自身の住居地を管轄するハローワークがどこか確認し、そこに以下の持ち物を持って訪れます。

  • 離職票
  • 個人番号(マイナンバー)が確認できる書類
  • 身元確認書類
  • 写真(縦3.0cm×横2.5cm)2枚
  • 印鑑
  • 本人名義の預金通帳又はキャッシュカード

以上を持って、求職の申込みを行い、離職票を提出します。

ここで受給資格の確認・離職理由の判定が行われます。

②7日間の待期期間

受給資格の確認がなされてから、失業の状態が通算して7日間経過するまでを待期期間といい、この間は基本手当は支給されません(雇用保険法21条)。

この期間にアルバイトなどを行った場合、その日数ぶん待期期間が延長されます。

さらに自己都合・懲戒解雇で退職された方は、待期満了の翌日からさらに 3 か月間基本手当は支給されない給付制限期間があります。

また、令和2年 10日1日以降に自己都合により離職された方は、5年のうち2回までは、待期満了の翌日からさらに2か月間基本手当は支給されません。これを「給付制限」といいます。

③雇用保険受給説明会に出席する

受給資格の決定後、日時を指定されるためその日に開催される雇用保険受給者初回説明会に出席します。

説明会では雇用保険の受給手続きや就職活動に関する重要な事項が説明されます。

なお、現在は感染防止の観点から説明会は中止され、YouTubeに解説動画がアップされておりそちらの視聴が推奨されています(2020年9月16日時点)。

④失業認定日に出席する

その後、失業状態にあることを確認するため4週間に1度失業認定を受ける必要があります。

その際には管轄のハローワークでに求職活動の状況等を申告しなければならず、認定日前までに2回以上の求職活動の実績が必要です。

なお、現在は感染防止の観点から失業認定日に直接ハローワークに赴かなくとも、郵送で失業認定を受けられるようになっています。

失業認定のために求められる求職活動とは、以下のような活動を指します。

  • 求人への応募
  • ハローワークの職業相談、職業紹介を受ける
    (初回の雇用保険受給説明会も含まれる)
  • 許可・届出のある民間機関の職業相談、職業紹介を受ける
  • 公的機関等の職業相談などを受ける

なお求人情報の閲覧、知人への紹介依頼をしている段階では求職活動に含まれないため、注意が必要です。

また、感染防止の観点から一定の期間求職活動を行っていなくとも失業認定が受けられるようになっている可能性があるため、管轄のハローワークで問合せを行ってください(2020年9月16日現在)。

⑤基本手当の支払い

失業の認定を受けてからおおむね一週間程度で、失業認定を受けた日数ぶんの失業手当が振り込まれます。

退職後のハローワークでの手続きの注意点とは?

退職後のハローワークでの手続きを、漫然と済ませているだけでは最大限の補償が受け取れないかもしれません。

ここでは特に離職理由について、手続きの際の注意点を述べていきます。

離職理由により失業保険の給付日数・給付金額は異なる

会社都合で退職した方(特定受給資格者・特定理由離職者)は、自己都合で退職した方に比べて失業保険の給付開始時期、給付日数の点で有利な取り扱いをうけます。

具体的に会社都合となる退職理由としては、以下のものが挙げられます。

  • 倒産などによる離職
  • 解雇などによる離職(懲戒解雇を除く)
  • 派遣切りによる離職
  • その他正当な理由のある自己都合による離職(疾病、父母の介護、通勤の困難、単身赴任の困難など)

離職理由が何であるかは、原則的に離職票-2の記載から判断されます。

離職理由は異議申立てで覆ることもある

離職票に記載されている離職理由について、実態は会社都合退職であるにもかかわらず自己都合退職、と記載されている場合があります。

そのほか離職理由に納得がいかない場合、離職票提出時にハローワークに対し異議申立てを行うことで、実態に則した離職理由として扱ってもらえる可能性があります。

ハローワークは会社と労働者それぞれが主張する離職理由を把握・事実確認を行い、最終的な判断を下します。

失業保険受給以外に退職後、ハローワークでできること

ハローワークで行える手続きとして、失業保険受給のための手続きだけではなく、求職活動・職業訓練・再就職手当受給のための手続きなどが挙げられます。

それぞれ、どのようなものか確認してみましょう。

ハローワークで求人情報の相談・紹介

前述の通り失業保険の受給手続きと同時に、求職申込書ををすることで、ハローワーク内のパソコンから求人情報の閲覧をすることができます。

実際に応募する際はハローワーク職員が紹介状を発行し、応募書類を郵送することでエントリーします。

応募する前段階においても、求職申込書をもとに、自己分析から面接や履歴書の書き方の無料セミナー、求人の検索、実際の応募の仲介まで様々な支援が行われています。

ハローワークで職業訓練の相談・紹介

また、ハローワークではスキルを身に着けるため一定期間訓練校に通い、知識や技能を身に着ける職業訓練の紹介も行っています。

職業訓練には主に雇用保険を受給している方向けの公共職業訓練、主に雇用保険を受給できない方向けの求職者職業訓練の2つがあります。

特に公共職業訓練を受ける場合は受講期間は職業訓練期間に応じた失業保険給付期間の延長・給付制限期間の免除・交通費支給など、失業者にとっての補償が手厚くなっています。

なお希望すれば誰でもすぐに受講できるというわけではなく、入校のための入試・面接があることもあります。

ハローワークでの再就職が決まったときの手続き

ハローワークでの活動が実り、早期に再就職が決まった場合には再就職手当を受け取ることができます。

もっとも、再就職手当を受け取るには以下の条件を満たしている必要があります。

  1. 失業保険の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上
  2. 1年を超えて勤務することが確実であると認められる
  3. 待期期間満了後の就職
  4. 離職理由による給付制限を受けた場合は、待期満了後1か月間については、ハローワークまたは許可・届け出のある職業紹介事業者の紹介による就職
  5. 離職前の事業主に再び雇用されたものでない
  6. 就職日前3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けていない
  7. 受給資格決定前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでない
  8. 原則、雇用保険の被保険者資格を取得する要件を満たす条件での雇用であること

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