不当解雇・退職勧奨の
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「解雇を言い渡されたけど、解雇理由が記されたきちんとした証明書が欲しい……」
解雇されたとき、口頭だけでなく、その理由を記した文書が欲しいですよね。
解雇理由証明書は、会社がどのような理由で労働者を解雇したのか、解雇理由を証明する書類です。
解雇理由を確認するだけでなく、不当解雇の場合、会社と争うのに非常に重要な書類となります。
解雇理由証明書の必要性と請求方法について解説していきます。なぜ必要なのか?離職票との違いは?請求期限はある?等の疑問に答えていきます。解雇理由証明書は会社に発行義務がないため、この記事で知識を深め、必要であれば忘れずに会社に請求しましょう。
目次
解雇理由証明書とはどのようなものか解説していきます。
その名の通り、解雇理由を証明するためのものですが、記された解雇理由が事実と異なる場合もあります。
その場合の対処法もまとめていますので、ぜひご覧ください。
解雇理由証明書とは、会社が労働者の解雇理由を証明するための書類です。会社は労働者の求めに応じて解雇理由証明書を発行する義務があります(労働基準法22条)。一方で解雇すること自体の通知が主となっているのが解雇予告通知書です。解雇理由を知るためには、解雇理由証明書の請求が適切です。
具体的な解雇理由は?
具体的な解雇理由について、厚生労働省の配布する雛形では①天災その他やむを得ない理由②事業縮小等当社の都合③職務命令に対する重大な違反行為④業務について不正な行為⑤勤務態度又は勤務成績が不良である⑥その他が挙げられています。会社は解雇理由を6つから選び、より具体的な内容を書きます。
また、就業規則違反を理由とした解雇の場合、いずれの就業規則の条項に該当するのかを書く必要があります。そこで労働者としては、まず記載されている解雇理由が解雇の実態や会社側からの説明と一致しているか、理由が本当に就業規則違反にあたるのか、参照する条項が正しいかなどを確認する必要があります。
解雇理由通知書に記載された解雇理由が虚偽あるいは不当なとき、会社は労働基準法22条1項に違反しています。対処法としてまず考えられるのは会社に対して書面で訂正を請求することです。それに応じてもらえなかった場合、労働基準監督署に違反行為の申告を行うことで訂正に応じてもらえる可能性があります。
解雇理由証明書は、試用期間中の労働者やアルバイト、パートの方でも請求可能です。労働基準法が定めるところの「労働者」とは職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用されて賃金を支払われる者を指します(労働基準法9条)。よって試用期間の者・アルバイトも当然に含まれます。
解雇理由証明書には、具体的な解雇理由が書かれていることが分かりました。
では、解雇理由証明書がどのような場面で使えるのか、気になりますね。
離職理由が記載されている「離職票」との違いもまとめています。
解雇理由証明書の使い道や、受け取ったその後の行動について確認しておきましょう。
解雇理由証明書は、労働者が解雇をめぐるトラブルを会社と争っていこうとするときに必要となります。本来、会社が労働者を解雇するにあたっては①客観的に合理的な理由②解雇が社会通念上相当という条件があります。その検証にあたり、解雇理由証明書記載の解雇理由が非常に重要となります。
解雇理由証明書と同じく離職理由が記載される書類に「離職票」があります。離職票は離職時に会社から交付される書類で、主にハローワークで失業保険を受給する際の退職理由判断に用いられます。解雇理由証明書と比較するとその使用目的、離職理由の記載がやや抽象的なことに違いがあります。
失業保険の受給開始時期や給付日数は、離職票に書かれている離職理由が自己都合退職か、会社都合退職かで変わります。
離職が正当な理由のない自己都合退職によるものである場合、2カ月間の給付制限期間が設けられるほか、給付日数も短くなる傾向があります。
解雇理由証明書から、ご自身の受けるまたは受けた解雇が不当解雇と感じられた場合、考えうる相談先としては①国や地方公共団体が運営する相談窓口、②労働組合やユニオンが運営する相談窓口、③弁護士が運営する相談窓口があります。ご自身の要望や相談手段などと兼ね合いのうえ、相談をしてみましょう。
相談窓口の詳細は?
それぞれの相談窓口として①各都道府県の労働局などに設けられている「総合労働相談コーナー」や、厚生労働省の委託事業「労働条件相談ほっとライン」②個人で加入し、組合員と協力して問題の解決を目指す会社外部の合同労組「みんなのユニオン」など③「弁護士事務所」での相談などが挙げられます。
①国や地方公共団体運営の相談窓口は基本的に相談が無料であり、住まいのお近くに窓口がある可能性が高いです。②労働組合やユニオンの相談窓口を利用すれば、その後の団体交渉にもスムーズに繋がるかもしれません。③弁護士事務所の相談窓口は、ご自身にあった弁護士を選んで相談することができます。
解雇理由証明書を請求したい!
その場合は、請求できる期限がありますので注意が必要です。
また、解雇理由証明書の発行を拒否された場合、諦めることはありません。
不発行の対処方法についても解説しています。そちらの方法をご検討ください。
解雇理由証明書は解雇予告をされた日から退職日まで請求することができます。退職後は「退職証明書」の形で同様の書類の交付を求めることができ、請求期限は退職時の2年後までとなります。なお会社に発行義務は無いため、労働者の側から会社に対し交付の請求をしなければなりません。
もし会社が解雇理由証明書を交付しないのであれば、労働者側から内容証明郵便の形で交付請求することが有効な場合もあります。内容証明郵便とは相手に郵便を出したこと・日付・その内容を郵便局が証明してくれる書類です。また、配達証明をつけることで会社が郵便を受け取ったことの証明も可能です。
解雇理由証明書が発行されない場合、労働基準監督署への違反行為の申告も有効です。労働者の請求にも関わらず、会社が理由なく解雇理由証明書交付を遅滞したり拒否したりすることは、労働基準法22条1項・2項の違反となります。監督署是正勧告によって、会社が証明書交付することが期待できます。
みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。