労災が認められる事例を解説|休憩時間中などのケガは労災?

労災

このページでは、労災認められるケース・認められないケースをいくつか解説していきます。

  • 休憩時間中のケガ
  • 帰宅途中に会社へ引き返しているときに負ったケガ
  • 休日に呼び出されて出勤している途中のケガ
  • 他人の仕事を手伝っているときに負ったケガ
  • 慰安旅行・懇親会中の喧嘩によるケガ

上記が労災の対象になるかどうかを解説しているので、労災について詳しく知りたい方はぜひご参考になさってください。

休憩時間中のケガは労災の対象?

通常は休憩時間中のケガで労災は認められない

休憩時間中にケガを負った場合、一部のケースを除いて労災が認められることは基本的にありません。

休憩時間中は原則として自由行動を許されており(労働基準法34条3項)、その間の個々の行為それ自体は私的行為です。

災害発生原因が私的行為にある場合、労災は適用されません。

災害発生原因が事業場施設の場合は労災が認められる

休憩時間後の就業が予定されており、事業主の管理下において行動している限りでは、その支配下を離れていないといえるため、「業務遂行性」が認められるとも考えられます。

上述した通り、私的行為に起因する災害では労災は適用されません。

しかし、事業場施設に起因する災害は「事業主の支配下にあること」が原因で生じたといえるため、労災が適用されます。

なお、私用で事業場施設外に出た場合には、事業主の管理下にはなく事業主の支配下を離れているので、「業務遂行性」は認められず、その間の災害は業務災害とは認められません。

会社への引き返し・休日呼び出しの道中も労災の対象?

帰宅途中に会社に戻った際の災害は労災になりうる

通勤災害における通勤とは、「就業に関して」住居と就業の場所を往復することなので、往復行為が業務と密接な関連を持っている必要があります。

退社についていえば、終業後、住居に向かう場合については当然「就業に関して」といえます。

加えて、帰宅の途中で業務に関する書類や物品、道具等を忘れたため取りに戻ることや、タイムカードの押し忘れ業務の引き継ぎなど、業務に関連する事項のために就業の場所に戻る場合には就業との関連性が認められます。

したがって、業務に関連する事項のために会社に引き返す途中の災害は、通勤災害となります。

また、出勤途中に自宅へ書類等、業務に関連する忘れ物を取りに引き返す間に災害に遭った場合も同様に就業との関連性が認められ、通勤災害となります。

帰宅後や休日の呼び出しは業務災害になりうる

帰宅後や休日の緊急呼び出しに応じて出勤する途中の災害にも労災は適用されます。

その場合、通勤途中の災害であっても事業主の支配管理下に置かれたと認められれば、通勤災害ではなく業務災害となります。

たとえば、行政解釈では、自己の担当する鉄道沿線に突発事故があったため、休日に鉄道の保線区員が使用者の呼び出しを受けて自宅等から現場にかけつける途上で事故に遭った場合について、このような状況では現場にかけつける途上も業務遂行中であるとし(昭和24年1月19日 基収3375号)、この間の災害は業務上災害となるとしています。

なお、事前に休日出勤を申請していた場合の通勤途中の事故は、通常の出勤日と同様、通勤災害の取り扱いとなります。

他人の仕事を手伝って負傷した場合は労災の対象?

被災者の業務と関係が無い場合は認められない

業務上の災害とされるためには、業務上の事由による災害でなければならず、業務と災害との間には因果関係(業務起因性)が必要であり、業務起因性の前提として労働者が事業主の支配下にある状態(業務遂行性)が必要となります。

自分の業務を終えた後、他人の仕事を手伝った際に災害を被った場合、手伝った業務が被災者の業務と全く関係ない場合には業務遂行性はありません。

したがって、業務上の災害とはいえません。

他人の手伝いでも労災が認められる場合とは

これに対し、以下のような場合であれば労災が認められます。

  • 他人の業務の手伝いであっても労働者の事業場に属する業務の手伝いである場合
  • 事業主の指示により他人の業務を手伝うような場合
  • 業務との関連があるといえる合理性や必要性が客観的にある場合

上記に当てはまるのであれば、他人の業務の手伝い行為も業務行為に含まれ、その間に生じた災害は業務上の災害といえます。

慰安旅行中の喧嘩によるケガは労災の対象?

慰安旅行や懇親会では労災は基本認められない

まず、「そもそも慰安旅行や懇親会で労災が認められることはあるのか」について解説していきます。

表題の通り、慰安旅行懇親会で労災が認められることは基本的にありません。

業務上の災害といえるためには、業務遂行中の災害でなければいけません。

慰安旅行や職場の懇親会において災害を被った場合、それが業務上の災害に当たるか否かの判断の際には、当該慰安旅行や懇親会が「業務遂行性」を持つといえるか否かが問題となります。

どのような場合に業務遂行性が認められるかについては、主催の目的、内容、参加の強制の有無、費用負担、運営方法等を総合的に勘案して判断することになります。

平日に開催され、欠席の場合には欠勤扱いとされるといった参加の強制等の事情がない限り、一般的には業務遂行性はないと考えられます。

従業員同士の喧嘩では労災は基本認められない

また、労働者間の喧嘩暴力沙汰等により災害が生ずる場合もあります。

この場合も、その喧嘩等の原因が全く業務と無関係であれば、業務上の災害の問題は生じません。

しかし多くの場合、社内の喧嘩や暴力のきっかけには業務が絡んでいるので、労働者間の喧嘩や暴力によって災害が生じた場合、業務起因性が問題となります。

喧嘩の場合、きっかけが業務にあっても私怨に発展している場合が多く、相当因果関係が失われているとみられる場合が多くあります。

また、相手を刺激・挑発するといった被災者の積極的な私的行為・恣意行為により災害を招いた場合には、業務との関連性は認められません。

しかし、暴力については、被災者の職務の性格や内容を考慮し、加害行為が明らかに業務と相当因果関係がある場合には、その災害は「業務上の災害」ということができる場合もあります。

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