労働時間になる作業を解説|休憩時間中の作業は労働にならない?

労働時間

働いていると、その作業が労働時間に含まれるのかどうか判断に迷う場面に直面することがあります。

これから「法定労働時間と所定労働時間の違い」「労働時間に含まれる・含まれない作業の例」などを解説していきます。

最後までしっかりと目を通し、労働時間に関する知識を身に着け、労働トラブルに適切な対応が取れるようになりましょう。

労働時間に含まれる作業とは?

労働時間の定義

労働時間に関しては、労働基準法32条で「使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、また、1週間の各日については、労働者に休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない」と規定されています。

この定義にあてはまる労働時間を法定労働時間といいます。

なお、就業規則等で特段の定めがない場合、労働基準法32条における「1週間」とは、日曜から土曜日の暦週、「1日」とは、午前0時から午後12時までの24時間だと解釈されています。

一般に、労働時間は次のように計算されます。
労働時間=拘束時間-(構内自由時間+休憩時間)

手待ち時間や準備・整理時間も労働時間に含まれる

労働基準法で定められる労働時間とは、使用者の指揮監督下にある時間をいい、必ずしも実作業時間に限られません。

労働時間は以下の3つに区分されます。

  1. 実作業時間
  2. 手待ち時間
  3. 準備・整理時間

手待ち時間とは、タクシー運転手が客待ちしている時間のように、指揮命令下に行われた就労のために待機している時間をいいます。

準備・整理時間とは、作業開始前の着替えや作業終了後の後片付けのように、作業に必要不可欠で使用者の指揮命令によって行われる時間をいいます。

拘束時間とは

拘束時間とは、労働者が出社して会社の敷地内に入り、仕事が終わって敷地外に出るまでの時間をいいます。

端的に言うと、拘束時間とは実作業時間と休憩時間などを合わせた時間になります。

構内自由時間とは

拘束時間のうち、敷地内に入場してから始業時刻までの間、また、終業時刻から敷地外に退場するまでの時間などで、お茶を飲んだりタバコを吸ったりと、会社の中にいても、労働者が自由に利用できる時間のことを構内自由時間といいます。

所定労働時間の考え方

所定労働時間と法定労働時間

使用者は、始業・終業時刻および休憩時間について就業規則に定めなければならないとされています。

このようにして定められた労働時間の長さを、所定労働時間といいます。

所定労働時間は上述した法定労働時間と異なり、原則として法定労働時間の1日8時間以内ならば、各企業が自由に決めることができます。

残業しても割増賃金が支給されないケース

所定労働時間が8時間より短く定められている事業所において、所定労働時間を超えて残業したとしても、法定労働時間を超えない場合には、割増賃金を支払ってもらうことができません。

たとえば、所定労働時間が7時間の事業所において、法定労働時間である8時間までの1時間は法内超勤となります。

労働時間になる・ならない場合の具体例

休憩時間に電話・来客対応する場合は労働時間になる

労働者の休憩時間の過ごし方について、労働基準法34条3項では、休憩時間は労働者に自由に利用させなければならないとされています。

休憩時間とされているにもかかわらず、その時間内に電話がかかってきたり、来客があったときには応対しなければならないという場合があります。

そのような場合、従業員が自由に休憩時間を利用しているとはいえないので、手待ち時間ということになります。

手待ち時間は労働時間に当たるので、あらためて休憩を取る必要があります。

労働時間になる例

一般的には、以下のような場合であれば労働時間になります。

  • 昼休み中の来客当番
  • 労働安全衛生法の安全教育や安全衛生委員会への出席
  • 作業前の作業服への着替え
  • 実作業につくまでの所定位置までの歩行に要する時間
  • 突発的な業務が発生したら対応しなければならない、泊まり勤務中の仮眠時間
  • 定期路線トラックに同乗した交替運転手が休息、仮眠をとっている時間
  • 有害業務に従事する労働者についての特殊健康診断

労働時間にならない例

一般的には、以下のような場合であれば労働時間には該当しません。

  • 昼休みの外出制限がありながらも、事業場内で自由に休息する場合
  • 法に定めがない教育、研修などで、出席に強制力がない場合や就業規則などに定めがない場合
  • 作業後の作業服の着替え時間や、入浴時間
  • 事業所などの施設に入ったときから労働に入るまでの時間、または労働終了後施設を出るまでの時間
  • 一般健康診断

労働時間はどのようにして把握されるべき?

労働時間の把握方法は原則2つ

厚生労働省の『労働時間の適性な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について』では、労働時間の把握について原則として以下のいずれかの方法にすべきであると指針が出されています。

  • 使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること。
  • タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること。

「客観的な記録」を取る理由

タイムカード等で打刻時刻するだけでは、その間の時間中、労働していたことの証明にはならないとみなされる場合があります。

帰りの電車の時間調整や、同僚と飲みに行くためのつきあい残業をしていた可能性もあるためです。

そこで、会社にいたことの証明だけではなく、仕事をしていたことをも証明できるように、労働者が残業しなければならないときには使用者の残業命令書およびこれに対する報告書など、客観的な記録を残すことを求められる場合があります。

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