即日で懲戒解雇されたら…退職金や各種手当は受け取れるか解説

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ある日、即日で懲戒解雇処分をされたらどうしますか?
懲戒解雇と聞くと、とても重たいイメージがあり、言い渡されたら愕然としてしまいますよね。

懲戒解雇をされたら、素直に受けるしかない。そう思う方が多いかもしれませんが、中には違法なものもあります。

そもそも、懲戒解雇と他の解雇との違いや、懲戒解雇される理由とは何なのでしょうか?

懲戒解雇とその他の解雇との違いや意味を解説します。懲戒解雇が違法となるケースもありますので、受けた懲戒解雇に違法性がないか確認してください。退職金などの各種手当を受けられるかや相談窓口、裁判についてもまとめているのでぜひ参考にしてください。

即日の懲戒解雇は違法?転職・再就職にも不利な懲戒解雇の意味とは

解雇には懲戒解雇の他に、普通解雇と整理解雇があります。まずはそれぞれの違いを解説します。

懲戒解雇と聞くと重たいイメージがあると思いますが、それを言い渡される理由はどのようなものなのかもまとめています。

即日の懲戒解雇が違法となるケースもありますので、あなたが受けた即日懲戒解雇が違法ではないか確認しましょう。

懲戒解雇と普通解雇の違いとは?

解雇とは、会社の一方的な意思表示によって雇用契約を終了させることをいいます。解雇を分類すると、①普通解雇:従業員の成績不良や労働能力喪失を理由とする解雇、②懲戒解雇:従業員の企業秩序違反を理由とする懲戒処分としての解雇、③整理解雇:会社の経営不振を理由とする解雇に大別されます。
懲戒解雇を詳しく

懲戒解雇とは、けん責・減給・出勤停止・降格・論旨解雇と数ある懲戒処分の中で最も重たい処分です。従業員に対する極刑の制裁に当たるため、その有効性は厳格に審査される必要があります。実際に裁判や労働審判になった後に、裁判官から「当該懲戒解雇は無効」と判断されるケースも多いです。

懲戒解雇される理由は何?

懲戒解雇される理由は、雇用契約は就業規則に定められている必要があります。一般的には、経歴詐称、連続欠勤などの職務懈怠、業務命令違反、素行不良等の規律違反・業務妨害行為、企業内外での刑事事件犯、秘密漏えい、横領や背任、セクハラやパワハラなどが懲戒解雇の理由とされています。
有効な懲戒解雇とは?

懲戒解雇が有効と認められるためには、①懲戒事由等を明記する規定(就業規則など)が存在し、社内に周知されていること、②規定の内容が合理的であること、③規定に該当する懲戒事由が事実として存在すること、④処分が客観的に合理的で社会通念上相当であること、の各要件を満たす必要があります。

即日の懲戒解雇が違法な条件とは?

解雇予告手当の支払いのない即日の懲戒解雇は、基本的には違法です。懲戒解雇は、即日解雇が認められやすい「労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合」(労基法20条1項)に該当しますが、実際に解雇予告手当の支払いを免れるためには、「行政官庁(労基署長)の認定」が必要になります。
他の違法なケースとは?

また、懲戒解雇の一般的な有効要件を満たさない即日懲戒解雇も違法です。具体的には、①そもそも就業規則等に懲戒解雇の根拠が書かれていない、②懲戒解雇に係る就業規則の内容が不合理だ、③懲戒解雇の事由が事実として存在しない、④懲戒解雇の選択が処分として重たすぎるなどのケースです。

即日で懲戒解雇になったら各種手当は受け取れない?

懲戒解雇は制裁に当たるため、もし言い渡されたら「各種手当は受けられないのではないか?」と不安になりますよね。

その疑問に、
・退職金
・失業保険
・解雇予告手当
の3つについてお答えします。

法律を無視され、会社から不利益を受けないためにもぜひご覧ください。

即日の懲戒解雇で退職金はもらえない?

懲戒解雇で退職金をもらえるかは、基本的には退職金規定によります。懲戒解雇が即日か否かは関係ありません。この点、鉄道会社の職員が度重なる痴漢行為を行い懲戒解雇を受けた案件で、懲戒解雇自体は有効であるが、退職金の全額不支給は違法であり、「3割を支給すべき」と判断された裁判があります。
全額不支給のケースは?

他方で、懲戒解雇されたことで、退職金が全額不支給となるケースもあります。「会社の利益又は名声に実質的な損害を与えた場合」「勤続の功を抹消する程度にまで著しく信義に反する行為があった場合」「会社に対する著しい背任行為があった場合」などで、退職金の全額不支給も有効と判断されました。

即日の懲戒解雇で失業保険はもらえる?

即日の懲戒解雇でも、ハローワークで手続きをすれば、失業保険をもらうことができます。もっとも、懲戒解雇の場合は、離職理由が「重責解雇(労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇)」に該当するため、特定受給資格者として基本手当の給付時期等で有利に取り扱われることはありません。
違法懲戒解雇の場合は?

もっとも、懲戒の理由がないのに懲戒解雇にされた等、離職理由が「重責解雇(労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇)」でないにも関わらず懲戒解雇として取り扱われた場合は、ハローワークの担当者に不服を伝え、異議を申立てましょう。離職理由について、見直しが行われる場合があります。

即日懲戒解雇でも解雇予告手当をもらえる?

即日の懲戒解雇の場合でも、原則として、解雇予告手当をもらうことができます。会社が解雇予告手当の支払いを免れるためには、「行政官庁の認定」を得る必要があります。具体的には、労働基準監督署長による事実確認の手続きが必要で、このことによって会社の即日解雇の濫用が予防されています。
詳細はこちら

よくある勘違いは、懲戒解雇は「労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合」(労基法20条1項)に該当するため、解雇予告手当は不要という考え方です。同条3項が「前条第二項の規定は、第一項但書の場合にこれを準用」と定めるため、解雇予告手当を免れるためには行政官庁の認定が必要となります。

違法な即日の懲戒解雇をされたら、その後の相談&支援手続きは?

言い渡された懲戒解雇が違法だった場合、然るべきところに相談しましょう。懲戒解雇を命じられたからと言って、泣き寝入りすることはありません。

違法な懲戒解雇の裁判事例もまとめていますので、どう対処していくべきかの参考にしてください。

即日の懲戒解雇の相談窓口は?

即日の懲戒解雇では、そもそも解雇が無効と判断されたり、仮に解雇が有効であっても解雇予告手当の点で問題があったりするケースが多いです。労基署や弁護士、労働組合など、解雇問題に強い専門家に相談するようにしましょう。相談窓口は、全国各地で、色々な機関や団体が設けているので安心です。
無料相談できる窓口は?

もちろん、私たち「みんなのユニオン」でも即日懲戒解雇の相談を受け付けています。電話相談窓口(無料)までお電話ください。解雇問題を数多く取り扱ってきた相談員が、あなたの悩みを聞き取り、場合によってはそのまま団体交渉をスタートさせることもできるため、迅速な解決が期待できます。

懲戒解雇で給料・慰謝料はもらえる?

懲戒解雇された場合でも、未払いの給料があれば、それを請求することができます。懲戒解雇されたことをきっかけに、過去の未払い給料(時間外手当、深夜手当、休日手当を含む)をすべて請求し、無事に回収できるケースも多いです。懲戒解雇された場合でも、専門家に相談して正しい対応を取りましょう。
慰謝料の請求はできる?

これに対して、懲戒解雇されたことを理由とした慰謝料の請求が認められるのは、一定の特殊な場合に限られます。例えば、「労働組合に加入したことのみを理由として懲戒解雇が下された」等、懲戒解雇の違法性や悪質性が極端に高い場合に限って、慰謝料の請求が認められることになります。

違法な懲戒解雇は訴えて裁判にできる?

違法な懲戒解雇は訴えて裁判にすることができます。裁判で勝訴すれば、判決で「解雇処分の無効」と「引き続き従業員たる地位にあること」が確認され、解雇から判決確定時までの賃金(バックペイ)を請求することができます。懲戒解雇の違法性を判決で確認することは、自分の名誉の観点からも大切です。
懲戒解雇の裁判ケースは?

この点、同じようなセクハラ案件でも、懲戒解雇が違法になるケースと、合法と認められるケースがあります。大学教授が女子職員や女子生徒に対して、執拗に何度もセクハラ(但し、強制わいせつや強制性交には至らない程度のもの)を繰り返した件で、懲戒解雇が有効と判断されたケースがあります。

これに対して、支店長が懇親会で女子職員に対して「犯すぞ」と発言するなど、日常的にセクハラを繰り返していた件で、懲戒解雇が無効と判断されたケースがあります。この件では、会社が普段からセクハラを繰り返す支店長に対して処分・注意していなかった点が問題視され、解雇が無効と判断されました。

違法な懲戒解雇は訴えて裁判にすることができますが、裁判にするのと、裁判で勝つのは別問題です。懲戒解雇の違法性を裁判で主張・立証するためには、解雇問題に強い弁護士に相談し、裁判対応を依頼することが大切です。裁判を起こす前に、解雇問題に強い弁護士をよく探して相談してみましょう。

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