退職強要されたらどうする?拒否&受け入れるときの対策

15574

会社から退職勧奨ではなく退職強要されたら、どう対応していいか困りますよね。

できれば会社で引き続き働きたいけれど、それで拒否して一方的に不利益な対応をされても困ります。

そもそも、退職強要とはどのような場合をいうのでしょうか?断ることはできるのでしょうか?

退職強要と退職勧奨の違いから、退職強要が違法となる条件までまとめています。退職強要された場合の対処法や相談窓口も解説していますのでぜひ参考にしてください。退職強要を受け入れた場合にやるべきこともありますので、忘れないようご注意ください。

これって退職強要?早期退職・退職勧奨・希望退職との境界線

退職を促されたとき、退職を強要されているのか?それとも勧奨されているのか?どちらか分からなくなることもあると思います。

まずは退職強要と退職勧奨の違いを確認しましょう。
退職の強要が違法となる条件や、損害賠償請求についてもまとめていますので、ぜひご覧ください。

退職強要と退職勧奨はどう違う?

勧奨とは「よいことだとすすめて励ますこと」をいいます。これに対して、強要とは「無理に要求すること、強いること」をいいます。退職勧奨と退職強要の違いは、「退職したい」「辞職したい」という意思表示が、真に労働者側の自由な意思(任意)に基づいて発せられたかという点に求められます。
強要に該当するケースは?

会社が不況時の人員削減の必要性等から、成績不良者に対して、退職を誘導(人や物を誘って、ある場所・状態に導くこと)すること自体は合法です。しかし、単なる誘導を超えて、執拗に退職を求めることは、労働者側の自由な意思に不当に働きかけるものとして、退職強要に該当する可能性が出てきます。

退職とは、労働者による雇用契約の解約です。退職の意思表示は、労働者の自由な意思に基づいて発せられる必要があります。会社が従業員の任意の意思を尊重している限りは、退職強要になることはありません。退職金を優遇するなどして、従業員が自分の意思で退職するように誘導する会社も多いです。

退職の強要が違法となる条件は?

退職の強要が違法となる条件は、①強迫(民法96条)、②詐欺(民法96条)、③錯誤(民法95条)に該当するような場合です。この場合、従業員は、退職の意思表示を取り消すことができます。また、社会的相当性を逸脱した半強制的で執拗な退職強要に対しては、不法行為として損害賠償を請求することができます。
①②③の詳細は?

①の強迫に該当するケースとしては、「年配者数名で若年者1名を取り囲み大声で執拗に退職を求め続けた」「『自ら退職しなければ懲戒解雇にする』など不利益な処分を突きつけた」「退職を拒否している本人を何度も呼び出し長時間に渡って圧迫的な態度で退職を求め続けた」などが典型例です。

②の詐欺に該当するケースとしては、「真実に反して、『このままでは懲戒解雇になってしまう。懲戒解雇は不利だから自分で退職した方がいい』と伝えた」などが典型例です。真実に反する会社の働きかけによって、従業員が勘違いして退職をした場合は、詐欺を理由とした退職の取消しが可能です。

③の錯誤に該当するケースとしては、会社との話し合いの中で、従業員側が「このままだと懲戒解雇になってしまう。」「遠い場所に転勤になってしまう。」など、勘違いに基づいて退職した場合が典型的です。勘違いに係る退職の動機が外部に表示されていた場合は、錯誤を理由に取り消すことができます。

退職強要で慰謝料の損害賠償請求できる?

違法な退職強要が行われ正当な権利が侵害された場合、従業員は会社に対して、慰謝料等の損害賠償を請求することができます。もっとも、退職強要で慰謝料が認められるケースというのは、かなり悪質で違法性の高い強迫等が行われた場合に限られます。通常は、退職が無効でも慰謝料までは認められません。
賠償が認められた事件は?

退職強要自体が不法行為を構成するとして、損害賠償が認められたケースとしては、下関商教諭退職勧奨事件が有名です。数年間に長期に渡る執拗な退職勧奨行為が、教諭らの名誉感情と家庭生活を侵害して違法に精神的苦痛を与えたとして、教諭ら2名に対して4万円と5万円の慰謝料が認められました。

退職強要されたら拒否できる!パワハラに負けない対策法

退職勧奨ではなく、退職強要をされたとき、そこで働きたい場合は拒否したいですよね。

しかし、拒否して何か不利益なことをされても、困ってしまいます。

違法な退職強要に負けないための対処法や相談できる窓口についてまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

違法な退職強要を示す証拠とは?

違法な退職強要を示す証拠では、①会社側の長期間・長時間に渡る執拗な交渉、②「退職しなければ懲戒解雇にする」等の会社側の圧迫的な対応、③「退職しなければ遠距離に配転命令を出す」等の会社側の不合理な対応などが重要になります。強要時の会話をスマホ等で録音できていればベストです。
重要なポイントは?

取消しの対象となる「違法な退職強要」と言えるためには、退職届にサインをするに至った経緯や過程が極めて重要になります。退職の意思表示を取り消すためには、退職届のサインは会社の強迫・詐欺的な働きかけ、または退職者の錯誤に基づくものであったと言えるだけの証拠が必要になります。

退職強要を拒否したら懲戒解雇される?

退職強要を拒否したとしても、それだけで懲戒解雇されることはありません。懲戒解雇は、従業員に対する懲戒処分の極刑であるため、その有効要件は極めて厳格に審査されます。退職するか否かは、従業員の自由意思によって決められるべき事項です。退職の拒否のみを理由に解雇することは許されません。
懲戒解雇にすると言われたら?

この点、「自分で退職しなければ懲戒解雇にするぞ」等と申し向ける行為は、強迫になることがあります。また、懲戒解雇を正当化するだけの事由がないにも関わらず「懲戒解雇にするぞ」と通告する行為は、詐欺に該当することがあります。いずれも、後日に退職の意思表示を取り消す根拠になります。

退職強要を労基署や弁護士に相談できる?

退職強要は、労基署に相談することも、弁護士に相談することもできます。行政的な指導を求めたい場合は、労基署に相談するようにしましょう。これに対して、裁判を踏まえた今後の対応を検討したい場合は、弁護士に相談するようにしましょう。弁護士は民間の業者なので、相談料がかかる場合があります。
無料相談できる窓口は?

私たち「みんなのユニオン」でも、退職強要の無料相談を受け付けています。過去、多数の団体交渉で、違法な退職強要を指摘し、退職の意思表示を取消した上で、スピーディーに解決金を回収してきた実績があります。団体交渉を踏まえた今後の対応を検討したい場合は、ぜひ私たちまでご相談ください。

退職強要を受け入れるなら、退職前&後にやるべきこと3選

退職強要を受け入れると決めたとき、やるべきことがあります。
これを怠ると、未払金等の受取りや失業保険の関係で不利になるので、間違いなく行いたいところです。

退職前、退職後にやるべきことを3つまとめていますので、ぜひご覧ください。

退職理由は会社都合の方がいい?

退職強要による退職の場合は、自己都合退職ではなく会社都合退職の離職票等を発行してもらうようにしましょう。離職理由が自己都合か会社都合かで、その後の失業給付のスタート時期やもらえる金額が異なってきます。離職理由としては、「事業主から退職するよう勧奨を受けた」と書いてもらいましょう。
離職証明書の記載は?

また、会社は、従業員が離職して雇用保険の対象から外れる場合は、ハローワークに対して「離職証明書」を提出する必要があります。この離職証明書には、離職理由を記載する欄があるのですが、その項目も退職強要の場合は「事業主から退職するよう勧奨を受けた」を選択してもらうようにしましょう。

未払い残業代&退職金は請求できる?

退職強要で退職した場合でも、未払い残業代や退職金を請求することができます。特に、未払い残業代に関しては、退職後の方が気兼ねなく請求することができるので、専門家に相談してみるのがよいでしょう。退職金に関しても、退職強要の場合は「会社都合退職」の金額を支払ってもらうようにしましょう。

退職強要でも失業保険は受け取れる?

退職強要で退職した場合でも、失業保険を受け取ることができます。また、離職理由が「事業主から退職するよう勧奨を受けた」場合は、特定受給資格者として取り扱われ、基本手当のスタート時期や給付日数が有利になります。離職証明書の離職理由には、必ず正確な事情を盛り込んでもらいましょう。
重要なポイントは?

失業保険の給付は、会社がハローワークに提出した「離職証明書」に基づいて決められます。離職証明書は、失業給付の受給資格、給付日額、所定給付日数、給付制限の有無等の判断に用いられるため、会社には事実に即して正確に記載してもらう必要があります。特に、退職強要の場合はこの点が重要です。

スマホで入れる「無料オンライン労働組合」

職場改善をはじめよう

専門家が作る職場改善の通知を無料で送ることができます

不当解雇・失業の無料電話相談