副業禁止は違法ではないのか?なぜ会社が禁止するのかについても解説

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監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

・一般的に副業は生計を立てるための主となる仕事以外の仕事と考えられているものの、業務とみなされないような副業もあること
・業務に支障が出る場合などでは、副業を禁止あるいは制限される可能性があること
・就業規則を理由とした処分が無効になる場合があること

会社の就業規則で副業を禁止することは違法ではないのかを知りたいのではないでしょうか?副業解禁を始めた会社が増えてきているため、副業に興味を持つ人が増えているようです。しかし、副業を始めてみようと思っても、会社で副業を禁止しているので副業を諦める人もいるかもしれません。

職業選択の自由は憲法で保障されています。就業規則で副業を禁止していても、就業規則違反を理由とした処分が無効となる可能性もあります。

この記事では、副業とは何か、副業禁止は違法ではないのか、なぜ会社は副業を禁止しているのかについて解説します。

そもそも副業とは何か?

副業という言葉を耳にする機会は多いですが、副業がどのようなものかよく分かっていない人も多いのではないでしょうか?副業にはさまざまな仕事がありますが、なかには仕事なのか疑問に感じるものもあります。副業とはどのようなものなのかについて解説します。

副業は明確に定義されていない

副業という言葉は、本業の対として用いられることが多いです。副業は明確に定義されていないので、あいまいな表現となっています。一般的には、生計を立てるための主となる仕事以外の仕事と考えられています。

副業の種類

副業を大きく分けると以下のようなものになります。

  • 会社に雇用されて働く
  • 委託された業務をおこなう
  • スモールビジネスをおこなう
  • 隙間時間におこなう在宅ワーク

  • それぞれを具体的な副業に当てはめると以下のようになります。

    ◇会社に雇用されて働く

    • パート
    • アルバイト

    • ◇委託された業務をおこなう
      • クラウドソーシングを経由して働く
      • 業務委託契約を結んで働く

      • ◇スモールビジネスをおこなう
        • アフィリエイト
        • youtube
        • ECサイト運営

        • ◇隙間時間におこなう在宅ワーク
          • ポイントサイト
          • アンケートモニター
          • フリマアプリ

          • 業務とみなされないような副業も多い

            FXや仮想通貨、不動産投資などを副業と紹介しているケースが多いですが、副業ではなく資産運用と表現する方が的確ではないかと思います。また、フリマアプリで不用品を販売したりポイントサイトを利用したりすることを副業と呼ぶのも違和感を感じる人も多いのではないでしょうか。どのような行為を副業とみなすのかについては、個人差があると思います。

            副業禁止は違法ではないのか?

            副業禁止は違法ではないのかという疑問に対して解説します。

            職業選択の自由は憲法で保障されている

            国民の職業選択の自由は、憲法で保障されています。

            何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転および職業選択の自由を有する

            憲法第22条

            副業が禁止されるケース

            厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」には、以下のような場合には副業を禁止あるいは制限できると書かれています。

            • 業務に支障が出る場合
            • 情報漏洩の可能性がある場合
            • 会社に対する名誉毀損や信用低下になる場合
            • 競業によって会社の利益を損なう場合

            • タクシーの運転手が休みの日に副業することで体力が低下し、安全に運転できなければ「業務に支障が出る場合」に該当します。

              また、会社の役員が競業する他社の取締役になれば「競業によって会社の利益を損なう場合」に該当する可能性があります。

              就業規則を理由とした処分が無効になる場合がある

              就業規則で副業を禁止していても、副業の内容や働き方によっては、就業規則違反を理由とした処分が裁判で無効と判断される可能性があります。

              過去の判例においては、以下のような理由で解雇が無効になっています。

              • 副業は夜間や休日に行われており、本業への支障は認められない
              • 職務専念義務の違反や信頼関係を破壊したとまでいうことはできない

              なぜ会社は副業を禁止しているのか

              会社がなぜ副業を禁止するのかについて解説します。

              会社の業務に支障が出るから

              会社が副業を禁止する理由としては以下のようなものが考えられます。

              • 従業員が長時間労働することで業務に支障が出る
              • 労働者の健康管理・勤務管理が大変
              • 情報漏洩のリスクがある
              • 競業のおそれがある

              • 従業員が副業をすることで、会社の業務に支障が出ることを懸念して副業を禁止する会社が多いようです。

                勤務時間後や休みの日に副業することで、体力の回復が追いつかず本業の業務が満足におこなえなくなる可能性があります。また、会社と同じ業界の会社や競合する会社で副業をおこなえば、会社の重要な情報が漏洩するかもしれません。

                さらに、従業員の健康管理や勤務管理が困難になる場合も考えられます。従業員が副業した場合の労働時間は通算する必要があるので、会社としては従業員が副業で働く時間を正確に把握することが必要です。副業することで健康面にも影響が出ることも含め、従業員が副業することで本来必要のない管理業務が追加されることになります。

                改正されたモデル就業規則では副業を容認

                会社が就業規則を作成するときに、厚生労働省が提供しているモデル就業規則を参考にする会社が多いようです。過去のモデル就業規則において「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」と書かれていたことが、副業を禁止する会社が多い背景なのかもしれません。

                モデル就業規則は2018年に改正され、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という表記から「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」という表記に変更されています。

                副業を解禁する会社が増えている

                2018年の就業規則の改正と国が推奨している働き方改革の影響で、副業を解禁する会社が増えています。

                過去のモデル就業規則に副業を禁止するようなニュアンスが書かれていたことで、副業を禁止するつもりがなかった会社も副業を禁止していたのかもしれません。実際に、モデル就業規則の改正以降に就業規則を変更し副業を容認・推奨する会社が増えつつあります。

                現時点で副業が禁止されている会社でも、業務に支障の出ない範囲内であれば副業が認められるかもしれません。副業を諦めたり隠れて副業したりする前に、就業規則を確認し会社へ相談することが重要です。

                参考:厚生労働省 モデル就業規則

                監修者


                みんなのユニオン

                執行委員岡野武志

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                みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。