失業保険はいくらもらえる?条件や計算方法を分かりやすく解説

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監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

・失業保険が総額いくらもらえるかは、日額×給付日数にて決まる
・日額は退職時の賃金で決まるが、上下限がある。
・給付日数は年齢や被保険者期間、離職理由などにより異なる

失業した時に、失業保険がいくらもらえるか不安になりますよね。
失業保険がいくらもらえるかは「退職前の賃金」「年齢」「被保険者期間」「離職理由」の4つによって異なります。
本記事では、失業保険がいくらもらえるかという、あなたの疑問を解消します。

大見出し1 失業保険がもらえる条件

そもそも失業保険とは「失業した人が安定した生活を送り、1日でも早く再就職するための制度」のことです。
そのため、以下の3つの条件を満たさないと受給資格を満たしません。

  • 失業状態にあること
  • 一定の期間、雇用保険に加入していること

  • 中見出し1 条件①:失業状態であること

    1つ目は「失業状態である」ことです。
    失業の状態とは「心身ともに健康であり、いつでも就職可能であるにもかかわらず、仕事につくことができない状態」のことをいいます。

    そのため、フリーランスや起業を目指すなど就職する意思がなかったり、ケガや病気で今すぐには就労できない状態ですと、「失業状態」にはあたりません。

    失業保険をもらうためには、説明会に行く、企業に応募するなどの求職活動をしている証明をハローワークに行う必要があります。
    また、失業期間中にアルバイトや副業などで一定時間以上就労していないことも、失業保険の受給資格の条件になります。

    具体的には

    • 週20時間以上の労働
    • 31日以上の雇用が認められる

    • といったところで、これらは雇用保険に加入される条件となります。

    失業期間中にアルバイトを検討されている方や、失業前に副業を行っており、求職活動の傍らで継続予定の方は注意しましょう。

    中見出し2 条件②:一定の期間、雇用保険に加入していること

    2つ目は「一定の期間、雇用保険に加入している」ことです。

    雇用保険の加入期間の条件は自己都合退職(病気・キャリアアップなど)と会社都合退職により異なります。

    • 自己都合退職…離職日から24カ月以内に12カ月以上
    • 会社都合退職…離職日から12カ月以内に6カ月以上

    • なお、雇用保険の加入は同じ会社でなくても問題ありません。

      大見出し2 失業保険はいくらもらえる?

      失業保険が1日あたりいくらもらえるのか(基本手当日額)は、離職前の給料によって決まります。
      また、失業保険が総額いくらもらえるかは基本手当日額と給付日数によって決まります。

      それでは、失業保険の基本手当日額について計算方法を見ていきましょう。

      中見出し1 基本手当日額の計算方法

      基本手当日額の計算方法は以下の3ステップになります。

      1. 退職前6カ月の賃金を合計する(賞与は除く)
      2. 1で計算した賃金を180で割る:賃金日額
      3. 賃金日額に給付率をかけ合わせると、算出完了

      4. 給付率は、離職前の賃金によって支給額の差が生じることを防ぐためにかけ合わせるものであり、50%~80%(60歳~64歳は45%~80%)の間となっています。

        中見出し2 賃金日額の上限、下限

        先ほど紹介しました「賃金日額」には、上限と下限があります。
        上限以上賃金があっても上限額に抑えられますし、下限未満の賃金でも、下限の金額は保証されます。

        賃金金額の上限、下限は離職時の年齢により異なります。

        具体的には、以下の表のとおりです(2020年12月現在)。

        離職時の年齢

        賃金日額の下限

        賃金日額の上限

        ~29歳

        2574円

        13700円

        30~44歳

        2574円

        15210円

        45~59歳

        2574円

        16740円

        60~64歳

        2574円

        15970円

        中見出し3 失業保険の支給額の計算に含まれるもの、そうでないもの

        また、失業保険の支給額を計算する上で、賃金日額に含まれるものと含まれないものがあります。

        • 含まれるもの…残業代、通勤手当、住宅手当
        • 含まれないもの…賞与

        • 原則、手取りではなく、額面の給与で算出されると考えて問題ないでしょう。

          大見出し3 失業保険が総額いくらもらえるか異なる条件

          失業保険の総額は「基本手当日額×給付日数」で計算できます。
          そして、「失業保険の給付日数」は年齢・被保険者期間・離職理由で日数により異なります。

          中見出し1 給付日数が決まる条件①:年齢

          給付日数が決まる条件の1つ目は「年齢」です。
          会社都合退職の場合では、60歳までは年齢が上がるほど失業保険の給付日数が増えます。
          60歳~64歳は60歳までと比べて給付日数が減りますので、注意してください。
          また、自己都合退職の場合は、年齢は給付日数に影響を与えません。

          中見出し2 給付日数が決まる条件②:被保険者期間

          給付日数が決まる条件の2つ目が「被保険者期間」です。
          被保険者期間が長いほど失業保険の給付日数が増えます。

          中見出し3 給付日数が決まる条件③:離職理由

          給付日数が決まる条件の3つ目が「離職理由」です。
          離職理由が自己都合か会社都合かによって、失業保険の給付日数が異なります。
          会社都合退職の方が失業保険の給付日数が多く、失業保険の総額が増えます。

          中見出し4 失業保険受給期間の一覧表

          条件①~③を踏まえて、失業保険の受給期間を一覧表にまとめましたので、参考になれば幸いです。

          (a)一般離職者(自己都合)

          離職時の年齢

          被保険者期間

          1年未満

          1年~5年

          5年~10年

          10年~20年

          20年以上

          全年齢

          該当なし

          90日

          90日

          120日

          150日

          (b)会社都合

          離職時の年齢

          被保険者期間

          1年未満

          1年~5年

          5年~10年

          10年~20年

          20年以上

          30歳未満

          90日

          90日

          120日

          180日

          該当なし

          30歳~35歳

          ※120日

          180日

          210日

          240日

          35歳~45歳

          ※150日

          180日

          240日

          270日

          45歳~60歳

          180日

          240日

          270日

          330日

          60歳~65歳

          150日

          180日

          210日

          240日

          ※の箇所は、受給資格にかかる離職日が、2017年3月31日以前の場合は90日とななります。

          中見出し5 その他の失業保険関連

          失業保険に関連する給付は就職促進給付、教育訓練給付などがあります。

          就職促進給付は、所定給付日数を一定以上残したまま就職をしたときに残った日数分の失業保険額の6~7割をもらうことができます。
          早く再就職が決まるほど、受給できる失業保険額に対する割合が上がっていきます。

          また、教育訓練給付は雇用保険の期間が1年以上(初めて受給する場合)などの一定の条件を満たす人が、厚生労働大臣の指定する講座を終了した場合にもらえる制度です。
          一般訓練は上限10万円、専門訓練は1年間で上限40万円をそれぞれ受給することができます。
          どのような資格や講座が対象になっているかは、最寄りのハローワークに問い合わせください。

          監修者


          みんなのユニオン

          執行委員岡野武志

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          みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。