自己都合退職で受け取れる失業保険はいつから、いくらもらえる?

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監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

・自己都合退職とは、転職や結婚、病気などの個人的な事情による退職であること
・自己都合退職の場合は、7日間の待期期間に加えて2ヶ月経過後から失業保険を受給できること
・自己都合退職で失業保険を受給できる期間は90日から150日で、雇用保険に加入していた期間によって異なること

会社を退職すると原則として失業保険を受給できますが、自己都合退職の場合はいつから受給できるのか、どのくらい受給できるのか分からないのではないでしょうか?
転職や結婚、病気などの個人的な事情で退職すると、自己都合退職に分類されます。会社都合退職との違いは、失業保険の受給条件と受給できる期間が異なる点です。

この記事では、自己都合退職とはなにか、いつから失業保険を受給できるのか、受給できる期間はどのくらいなのかについて解説します。

自己都合退職とは

自己都合退職とはどのような理由で退職した場合を指すのか、会社都合退職と何が違うのか、失業保険を受給するための条件はなにかについて解説します。

個人的な事情による退職

自己都合退職とは、個人的な事情による退職を指します。
今の会社で働くことができるものの、転職などのなんらかの理由で退職する場合と、正当な理由で退職する場合が、自己都合退職です。

正当な理由で退職する場合とは、以下のような理由による退職を指します。

  • 結婚に伴う住所変更により、通勤をすることが不可能になった
  • 親の介護をするために引っ越す
  • 持病の悪化によって今の仕事ができなくなった

失業保険の受給に関する会社都合退職との違い

会社都合退職とは、退職する理由が会社にある場合の退職を指します。
以下のような理由で退職した場合が、会社都合退職です。

  • 会社が経営不振で倒産した
  • 経営不振によって整理解雇された
  • 退職勧奨を受けて退職した
  • 希望退職制度を利用して退職した

  • 自己都合退職の場合と比べると、会社都合退職の場合は退職後の準備期間が不十分になることが多いため、失業保険の受給に関して優遇措置があります。優遇措置とは、失業保険をすぐに受け取れる、受給期間が長くなるといったことです。

    失業保険が受給できる条件

    自己都合退職で失業保険を受給するには、以下の条件を満たしている必要があります。

    • 失業状態にあること
    • 退職する前の2年間のうち、雇用保険の被保険者期間が通算12カ月以上

    • 被保険者期間とは、雇用保険に加入していた期間です。

      退職した日からさかのぼって一カ月ごとに区切り、賃金支払いの基礎日数が11日以上あるいは賃金支払いの基礎時間が80時間以上の月を被保険者期間1カ月とカウントします。

      ただし、正当な理由のある自己都合で離職した場合は特定理由離職者に分類され、受給できる条件が緩和されます。雇用保険の被保険者期間が退職する前の1年間の通算6カ月以上であれば、失業保険を受給できます。

      自己都合退職の場合に失業保険を受け取れるのはいつからか

      自己都合退職の場合は、失業保険の手続きをおこなってもすぐに受給できるわけではありません。いつから失業保険を受給できるのかについて解説します。

      原則7日間の待期期間に加えて2ヶ月経過後

      自己都合退職で失業保険を受給できるのは、7日間の待期期間に加えて2ヶ月経過後になります。
      ハローワークへ離職票を提出して求職の申し込みをした日が、受給資格決定日となります。受給資格決定日から7日間は待期期間となり、退職理由にかかわらず失業保険の受給はできません。

      ただし、正当な理由のある自己都合で離職した場合は特定理由離職者に分類され、7日間の待期期間後すぐに受給が開始されます。

      自己都合退職の給付制限期間が短縮

      7日間の待期期間から失業保険を受給できるまでの期間を給付制限期間と言います。以前は給付制限期間が3ヶ月でしたが、2020年10月から給付制限期間が2ヶ月に短縮されています。給付制限期間が2ヶ月に短縮されるのは、離職日が2020年10月1日以降の場合です。手続きを行った日ではなく、離職日である点に注意しましょう。

      短縮されるのは5年間のうち2回まで

      給付制限期間が短縮されるのは、5年間のうち2回までです。5年間に2回退職し2回失業保険を受給したあと、3回目の退職時については給付制限期間が短縮されず、3ヶ月になります。

      一例)
      2020年10月に離職 → 給付制限期間が2ヶ月
      2022年10月に離職 → 給付制限期間が2ヶ月
      上記のように失業保険を受給していた場合

      2024年10月に離職した場合は、2020年10月の離職から5年のうち3回目の離職になるので給付制限期間は3ヶ月です。
      2026年10月に離職した場合は、過去5年間には2020年10月の離職が含まれません。つまり過去5年間では2回目の離職となるため、給付制限期間は2ヶ月になります。

      ただし、この5年間という制限期間には、2020年9月30日以前は含まれません。給付制限期間の短縮制限は、2020年10月以降の5年間が対象となるということです。

      自己都合退職で受け取れる失業保険はいくらなのか

      自己都合退職で受け取れる失業保険は、基本手当日額と受給日数によって決まります。基本手当日額は、離職時の年齢と離職した日の直前の6ヶ月の平均給与によって変動します。失業保険を受給できる期間は90日・120日・150日のいずれかです。

      受給できる失業保険の計算方法

      受給できる失業保険は、賃金日額を元に算定された基本手当日額で決まります。
      賃金日額とは、離職した日の直前の6ヶ月の平均給与です。賃金日額の計算には、賞与などは含まれません。離職した日の直前の6ヶ月に受け取っていた賃金の合計を180で割った数値が賃金日額になります。

      ◇賃金日額と基本手当日額

      賃金日額と基本手当日額には下限と上限が設けられています。
      賃金日額の下限は2,500円、基本手当日額の下限は2,000円です。
      賃金日額と基本手当日額の上限は以下の通りです。※2020年8月1日時点

      離職時の年齢

      賃金日額上限

      基本手当日額上限

      29歳以下

      13,700円

      6,850円

      30~44歳

      15,210円

      7,605円

      45~59歳

      16,740円

      8,370円

      60~64歳

      15,970円

      7,186円

      上記の数値は2019年8月1日のものになります。平均定期給与額の増減によって変動するため現在の数値はハローワークで確認してください。

      ◇基本手当日額の計算方法

      賃金日額の45%から80%が基本手当日額です。賃金日額が高いほど割合は少なく、低いほど多くなります。

      一例)30~44歳の場合の基本手当日額※2019年8月1日時点

      賃金日額

      割合

      基本手当日額

      2,500円以上5,010円未満

      80%

      2,000円~4,007円

      5,010円以上12,330円未満

      50~80%

      4,008円~6,165円

      12,330円以上15,140円未満

      50%

      6,165円~7,570円

      上記の表を見て分かるように、受け取っていた賃金が少ない場合は割合が多くなり、賃金が多い場合は割合が少なくなります。賃金に大きな差があっても、割合が変動することで基本手当日額の差が小さくなるように配慮されているということです。

      自己都合退職で失業保険を受け取れる期間

      自己都合退職の場合は、被保険者期間によって受給日数が90日・120日・150日に分かれます。

      被保険者期間

      10年未満

      10年以上20年未満

      20年以上

      受給日数

      90日

      120日

      150日

      監修者


      みんなのユニオン

      執行委員岡野武志

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      みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。