雇用保険の失業給付金のもらい方と有利になるコツを紹介

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監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

・雇用保険の失業給付金はハローワークで手続きをしてもらう
・自己都合退職と会社都合退職で扱いが異なる
・長期間残業が常態化しているような場合など自己都合退職でも会社都合退職と同じ扱いにすることができる場合がある

会社を退職した場合に、雇用保険の失業給付金を受け取ることができます。
転職をする間の当面の生活資金になるものですが、それはどのようにしてもらうことができるのでしょうか。
この失業給付金について、会社を退職した理由によっては、非常に有利な給付を受けられることがありますので内容を知っておきましょう。
このページでは、雇用保険の失業給付金のもらい方とその注意点についてお伝えします。

雇用保険の失業給付金はハローワークで手続きをしてもらう

雇用保険の失業給付金はハローワークで手続きをしてもらうものになります。
以下失業給付金の概要を確認しましょう。

雇用保険の失業給付金とは

まず、雇用保険の失業給付金(以下「失業給付金」)とはどのようなものかの概要を確認しましょう。
労働者は基本的には雇用保険に加入しています。
雇用保険に加入している人が、後述する一定の条件をみたして退職をしたときに、次の仕事が決まるまでの間の生活を支えるものとしてもらえるものです。
一般的には失業手当という呼び方もされます。

失業給付金はハローワークで手続きをして受け取ることができるようになる

この失業手当ですが、後述する要件をみたしていることによって自動的にもらえるわけではありません。
失業手当は再度働く人のための手当なので、その手続きはハローワークに対して申し込みをしてもらうことになります。
労働に関する問題ですが、労働基準監督署や労働局に申し込むわけではありません。

失業給付金を受け取るための流れ

失業給付金を受け取るための流れを確認しましょう

失業給付金を受け取るための必要書類を準備する

まずは失業給付金を受け取るための書類を準備しましょう。
失業手当を受け取るためには次のような書類が必要です。

  • 雇用保険被保険者離職票1,2
  • 身分証明書類(マイナンバーカードなど)
  • 証明写真2枚(大きさは縦3cm×横2.5cm)
  • 預金通帳またはキャッシュカード

特別に用意する必要があるのは、雇用保険被保険者離職票1,2になりますが、通常退職後に会社から送られてきます。
雇用保険被保険者離職票の記載内容について確認すべき要注意事項があるので後述します。

ハローワークで手続きを行う

ハローワークで求職の申し込みをして必要書類の提出を行います。
求職の申し込みといっても、必ずハローワークで仕事を探さなければならないというわけではありません。
申し込みを行ってから7日間は「待期期間」とされていて、受給をすることができません。
後述しますが、自己都合退職の場合には2ヶ月間の給付制限もあります。
申し込みをした日に、失業給付金に関する説明会が日時を指定して案内されます。
失業給付金を受け取るためには必須の手続きなので、必ず参加しましょう。

毎月の失業認定日にハローワークに行き失業の認定を受ける

失業給付金は、何ヶ月にもわたって受給をすることが可能となります。
そのため、ハローワークより、毎月1回失業の認定をしてもらう必要があります。
失業の認定をしてもらうには、月に2回以上の求職活動をする必要があり、所定の用紙にその活動の記録をして提出をします。
これを行って失業給付金を受け取ることができます。

1/3以上の日数を残して再就職する場合には再就職手当が支給される

求職期間中に職が決まれば、失業給付金の支給は終了します。
このときに1/3以上の日数を残して再就職をする場合に、所定の要件を充たすと、再就職手当金の支給を受けることができますので、忘れずに受給しましょう。

失業給付金をもらうための要件

失業給付金をもらうための要件を確認しましょう。

失業の状態

失業給付金をもらうためには「失業の状態」をいうとされています。
失業の状態はハローワークによると

  • 積極的に就職しようとする意思があること。
  • いつでも就職できる能力(健康状態・環境など)があること。
  • 積極的に仕事を探しているにもかかわらず、現在職業に就いていないこと。

  • (ハローワークより:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139508.html)

    以上の3要件が必要です。
    ですので、健康を害して働くことができない場合や、妊娠・出産などでしばらく働く予定のないような場合には受給することができません。
    上述した月に1度の認定日における求職活動の確認は、以上の要件を確認するために行われます。

    雇用保険被保険者(在職)の期間

    失業給付金をもらうための要件のうち、雇用保険の被保険者の期間は、退職理由によって異なります。

    • 自己都合退職の場合:退職前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上あること
    • 会社都合退職(特定理由離職者・特定受給資格者)の場合:退職前1年間に被保険者期間が6ヶ月以上あること

    後述しますが、形式上は自己都合退職であっても、特定理由離職者・特定受給資格者に該当すれば、在職期間が短くても失業給付金を受け取ることができます。

    失業給付金はどれくらいもらえるのか

    失業給付金をもらうための要件はどのようになっているか、もらうことができる額がどうなっているかを確認しましょう。

    失業給付金は給与と在籍期間・失業理由によって異なる

    失業給付金は、基本手当日額と支給される日数によって異なります。
    以下それぞれの項目について見てみましょう

    基本手当日額

    失業給付金は、基本手当日額を計算して、日数をかけて計算されます。
    基本手当日額は、「(退職前6ヶ月の賃金合計÷180)×給付率(45%~80%)」で計算します。
    また、基本手当日額については、年齢に応じた上限が定められています。
    具体的には以下の表に従って計算します。

    離職時の年齢が29歳以下

    賃金日額

    給付率

    基本手当日額

    2,574円以上5,030円未満

    80%

    2,059円~4,023円

    5,030円以上12,390円以下

    80%~50%

    4,024円~6,195円

    12,390円超13,700円以下

    50%

    6,195円~6,850円

    13,700円超(上限)

    6,850円(上限額)

    離職時の年齢が30歳~44歳

    賃金日額

    給付率

    基本手当日額

    2,574円以上5,030円未満

    80%

    2,059円~4,023円

    5,030円以上12,390円以下

    80%~50%

    4,024円~6,195円

    12,390円超15,210円以下

    50%

    6,195円~7,605円

    15,210円以上

    7,605円(上限額)

    離職時の年齢が45歳~59歳

    賃金日額

    給付率

    基本手当日額

    2,574円以上5,030円未満

    80%

    2,059円~4,023円

    5,030円以上12,390円以下

    80%~50%

    4,024円~6,195円

    12,390円超16,740円以下

    50%

    6,195円~8,370円

    16,740円以上

    8,370円(上限額)

    離職時の年齢が60歳~64歳

    賃金日額

    給付率

    基本手当日額

    2,574円以上5,030円未満

    80%

    2,059円~4,023円

    5,030円以上12,390円以下

    80%~45%

    4,024円~6,195円

    12,390円超15,970円以下

    45%

    6,195円~7,186円

    15,970円以上

    7,186円(上限額)

    給付日数

    以上の給付手当を退職理由ごとに以下の日数分受け取ることができます。

    自己都合退職の場合

    被保険者期間

    10年未満

    10年以上20年未満の場合

    20年以上

    90日

    120日

    150日

    会社都合退職(特定理由離職者・特定受給資格者)の場合

    被保険者期間

    1年未満

    1年以上5年未満

    5年以上10年未満

    10年以上20年未満

    20年以上

    離職時の年齢

    30歳未満

    90日

    90日

    120日

    180日

    30歳以上35歳未満

    90日

    120日

    180日

    210日

    240日

    35歳以上45歳未満

    90日

    150日

    180日

    240日

    270日

    45歳以上60歳未満

    90日

    180日

    240日

    270日

    330日

    60歳以上65歳未満

    90日

    150日

    180日

    210日

    240日

    自己都合退職でも失業給付金を有利に受け取ることができる場合がある

    失業給付金を受け取る場合には、自己都合退職かどうかによって大きくことなります。
    では、自己都合退職をした場合には、常に不利な扱いを受けるのでしょうか。

    自己都合退職をした場合でも会社都退職合と同じように扱われることがある

    形式的に自己都合退職をした場合でも、特定のケースでは会社都合退職と同様に扱われる、特定理由離職者・特定受給資格者というものがあります。
    いくつか例をあげると、

    • 会社が法令に違反しているため離職した
    • 退職勧奨をうけた
    • 長時間残業の改善がされなかった
    • パワハラを受けた
    • 事業者が通勤困難な地に移転した

    といった場合です。
    長時間残業とは次のような時間を超える直前6ヶ月間のうちの残業をいいます

    • 3ヶ月連続して45時間
    • 1ヶ月100時間
    • 2~6ヶ月平均で月80時間

    ハローワークへの申請時にその旨を伝える

    自己都合退職か、会社都合退職かの認定は、雇用保険被保険者離職票の記載をもとにおこなわれます。
    申請時には、ハローワークから、退職理由に間違いがないかを確認されますので、以上のような事由に該当する旨を伝え、会社の記載が誤りであることをしっかり伝えましょう。

    まとめ

    このページでは、雇用保険の失業給付金の受け取りについてお伝えしてきました。
    会社を退職した後の経済的な支えになるものですが、退職理由によって大きく給付内容が異なります。
    不安がある場合には弁護士に相談をしましょう。

    監修者


    みんなのユニオン

    執行委員岡野武志

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    みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。