会社を辞める場合は退職届をいつ提出すればよいのか?

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監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

・退職届の提出は2週間以上前と民法で定められていること
・就業規則で退職届を提出するタイミングが決められている場合があるので、できるだけ就業規則に従って提出すべきであること
・会社を辞めた後、すぐに就職するか失業給付金を受け取るかによって受け取る種類が異なること

会社を辞める時はどのような手続きが必要なのか、退職届はいつ提出すればよいのか、会社を辞める時にはどのような書類を受け取ればよいのか知りたいのではないでしょうか?

民法では、会社を辞める2週間以上前に退職届を提出する必要があると定めています(民法627条1項)。ただし、就業規則で退職届の提出や退職の申し入れの期限を定めている場合は、就業規則に従うようにしましょう。

この記事では、会社を辞める時の手続きの流れ、退職届はいつ提出すればよいか、会社を辞める時に受け取る書類、会社を辞める時の注意点について解説します。

会社を辞める時の手続きの流れ

会社を辞める時の手続きの流れは以下の通りです。

  1. 会社への退職の申し入れ
  2. 退職日の決定
  3. 退職届の提出
  4. 退職に関する書類の受け取り

  5. それぞれどのような手続きが必要なのかを解説します。

    会社への退職の申し入れ

    会社へ退職する意思があることを伝えます。口頭で伝えても問題ないですが、後になって聞いてないと言われないために退職願も準備しておき、話し合いを始める時に提出することをおすすめします。

    退職日の決定

    最終的な退職日をいつにするのかを話し合います。後任の選出や引き継ぎ、有給休暇の提出などを含めると、話し合いの日から退職日までは2ヶ月以上かかることもあります。次に就職する会社が決まっていて、退職日が決まっている場合はスケジュールに余裕がないことも考えられます。いつまで勤務するのか、引継ぎをいつまでに終わらせるのか、いつから有給休暇の消化に入るのかなど、細かい日程を確認しておきましょう。

    退職届の提出

    退職日が近づいてきたら退職届の提出をおこないます。一般的には1ヶ月以上前に提出することが多いです。就業規則に退職届の書式が指定されていることもあるようです。

    退職に関する書類の受け取り

    次の会社へ提出するための書類や失業給付金の手続きを行うための書類を受け取ります。退職後の手続きには、いつまでに提出するかが決められているものも多いです。退職日に受け取る書類と、退職後に郵送で送られてくる書類があるので、どのような書類が必要なのか、いつ受け取れるのかを確認しておきましょう。

    退職届はいつ提出すればよいか

    退職届は、最低でも退職日の2週間以上前に提出する必要があります。可能であれば1ヶ月以上前に提出することをおすすめします。退職届をいつまでに出すのかは就業規則に書かれていることもあるので、確認しておきましょう。

    民法では2週間以上前と規定されている

    民法では、退職の2週間以上前に退職届を提出する必要があると定められています。

    当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

    引用:民法627条1項

    就業規則に定めている場合もある

    就業規則で、退職の申し入れを1ヶ月前までにおこなうように書いているケースもあります。民法と就業規則のどちらを優先するかについては、専門家の間でも意見が分かれているようです。過去の判例では、民法を優先したことがあります。

    民法の規定によれば、退職日の2週間前に退職届を出すだけで退職できることになります。つまり、会社から退職の許可をもらったり引き継ぎしたりする必要がなく、提出するだけで退職は可能ということです。

    ただし、有給休暇の消化などを含めて退職日を会社と話し合って決める場合は、就業規則に従うのが一般的です。有給休暇の消化を含めれば、退職の申し入れから退職日までは2カ月以上かかることもあります。有給休暇の消化がない場合でも、会社との話し合いや業務の引継ぎを含めれば、退職日まで1ヶ月程度になるでしょう。

    なんらかの事情により2週間で退職する必要がある場合を除き、就業規則に従って退職の申し入れをおこなうことをおすすめします。

    退職願と退職届の違い

    退職願は、退職する意思を会社へ伝えるために提出する書類になります。会社と話し合いを行った後で退職する意思を撤回することも可能です。一方、退職届は、会社へ退職する事実を伝える書類になります。

    一般的には、会社へ退職の申し入れと話し合いを行う時に退職願を提出し、話し合いのうえで退職日が決定した後に退職届を提出します。

    退職願や退職届を提出するのは、自己都合退職の場合のみです。会社の都合で退職する場合には退職願や退職届を提出する必要はありません。会社都合退職の場合に退職願や退職届の提出を求められた場合には、会社へ提出する必要がある理由を確認しましょう。

    会社を辞める時に受け取る書類

    会社を辞める時に会社から受け取る書類は、次の会社が決まっている場合と失業給付金を受け取る場合で異なります。

    次の会社が決まっている場合に受け取る書類は以下の通りです。

    • 雇用保険被保険者証
    • 年金手帳
    • 源泉徴収票

    • 失業給付金を受け取る場合は、以下の書類を会社から受け取る必要があります。

      • 雇用保険被保険者離職証明書(離職票)
      • 健康保険被保険者資格喪失確認通知書
      • 年金手帳
      • 源泉徴収票

      • それぞれどのような書類なのかを解説します。

        雇用保険被保険者離職証明書(離職票)

        雇用保険被保険者離職証明書は、会社を辞めた後に失業給付金を受け取る場合に必要になります。次の会社が決まっている場合には、雇用保険被保険者離職証明書を受け取る必要はありません。雇用保険被保険者離職証明書は、退職日には受け取ることができず、退職後に郵送などで受け取る場合が一般的です。

        雇用保険被保険者証

        雇用保険被保険者証は、雇用保険に加入していることを証明する書類です。雇用保険は会社が変わっても引き継がれます。会社を辞めて次の会社に就職するときには、以前の会社から雇用保険被保険者証を受け取り、次の会社へ提出する必要があります。

        健康保険被保険者資格喪失確認通知書

        退職した会社で加入していた健康保険を継続して利用する「任意継続」を行う場合に、健康保険被保険者資格喪失確認通知書が必要になります。次の会社が決まっている場合は、次の会社の健康保険に加入するため、健康保険被保険者資格喪失確認通知書は必要ありません。

        会社を辞めた後、すぐに就職する予定がない場合は、国民健康保険に加入するか「任意継続」にするかを選択できます。国民健康保険に加入する場合と「任意継続」で納める保険料は年収によって異なります。どちらが納める保険料が少ないかを確認したうえで、国民健康保険に加入するか「任意継続」にするかを決めましょう。

        年金手帳

        年金手帳は、国民年金や厚生年金の被保険者であることを証明する書類です。会社に就職して厚生年金に加入する場合は、会社が年金手帳を保管することもあります。手元に年金手帳がない場合は、会社に預けていないかを確認しておきましょう。

        源泉徴収票

        源泉徴収票は、その年に会社から受け取った給与と、納めた所得税が書かれた書類です。会社が年末調整を行う場合や自分で確定申告を行う場合に必要になります。退職日には源泉徴収票を受け取ることができず、退職後に郵送などで受け取る場合が一般的です。

        会社を辞める時の注意点

        会社を辞める時に、以下のようなことが気になる人がいるかもしれません。

        • 退職理由を話す必要はあるのだろうか
        • 有給休暇はどのくらい消化できるのか
        • 強引に引き止められたらどうすればよいのか

        • 上記のような場合にどうすればよいのかについて解説します。

          退職理由を話す必要はない

          退職の申し入れや話し合いを行う時に、会社から退職理由を聞かれることもあると思います。退職理由を話すことは法的に義務付けられていないので、退職理由を話したくないのであれば無理に話す必要はありません。

          有給休暇はすべて消化できる

          有給休暇は労働者の権利(労働基準法第39条)なので、会社を辞める場合でも有給休暇の消化は可能です。会社を辞める時点で未消化の有給休暇はすべて消化できます。
          有給休暇には時季変更権(労働基準法第39条5項)がありますが、会社を辞める時のように振り返る日数がない場合には時季変更権は認められません。次の会社への就職日までの日数が限られている場合などで、有給休暇の消化が間に合わない場合は、会社が認めた場合に限り有給休暇を買い取ってもらうこともできます。

          強引な引き留めに従う必要はない

          会社が退職の申し入れをする従業員を引き止めることは違法ではありません。会社と話し合いの結果、会社に残ることも会社を辞めることも、自分で決定できます。
          しかし、以下のような引き止めに従う必要はありません。

          • 後任が見つかるまで退職を待って欲しい
          • 後任を見つけたら退職を認める
          • 引き継ぎが終わるまでは退職を認めない
          • 会社を辞められたら損害賠償請求する
          • 会社を辞めても離職票を発行しない

          • 強引な引き留めが不法行為に当たる場合には、労働者側から会社に対して慰謝料を請求することも可能です。会社を辞める時に会社とトラブルになった場合は、慰謝料の請求の対応もできる弁護士に相談してみましょう。

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            みんなのユニオン

            執行委員岡野武志

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            みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。