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適応障害で退職する際に行うべきこと!傷病手当金の支給条件も解説

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 自立支援医療制度を利用すれば医療費の自己負担額を1割にできる
  • 雇用保険の受給期間の延長は最大3年可能
  • 傷病手当は退職日に出勤した場合は退職後は受給できないので注意

適応障害で退職することになったが、退職前後で行った方が良いことはあるのか。

また、雇用保険(失業保険)や傷病手当金などを受給することはできないのかとお悩みになっている方も多いかと思います。

そこで今回の記事では、適応障害で退職することになった際に、損をしないためにも行っておくべきことについて解説していきます。

適応障害で退職する際に行っておくべきこととは

適応障害で退職する際に、行なっておいた方が良いこととはなんでしょうか。

それぞれ確認しましょう。

自立支援医療制度の申請をする

自立支援医療制度とは、心身の障害に対する医療費の自己負担を軽減する制度です。

自立支援医療制度は全ての精神疾患を対象にしていますので、適応障害も含まれます。

自立支援医療制度を利用するメリットは、医療費の自己負担額を一定額や1割に軽減できる事です。

通常、65歳未満であれば医療費の自己負担割合は3割なので、負担額をおおきく軽減することができます。

ただし、自立支援医療制度が適用される医療機関は、都道府県が指定した病院や薬局のみです。

もっとも、指定医療機関数は非常に多いので、通院出来る範囲内に指定医療機関はあることがほとんどでしょう。

参考までに例を挙げると、神奈川県の自立支援医療制度の指定病院(精神通院医療)は343棟、薬局は1351店舗あります。

自立支援医療制度の相談や申請は、お住まいの市区町村の障害福祉課が窓口になります。

制度の申請を検討されている方は、一度相談されてみることをおすすめします。

国民年金保険料の免除・猶予申請をする

退職するにあたって、あまり金銭的な余裕がない方は、国民健康保険料の免除・猶予の申請をすることが可能です。

国民年金保険料が免除になった場合、失業した前の月から翌々年の6月までの国民年金保険料の全額もしくは一部(4分の3、半額、4分の1)が免除されます。

また、免除の場合は、免除の割合に応じて年金額が保障されます。

たとえば、全額免除の期間であれば国民年金保険料を一切納めなかったとしても、年金額の2分の1が保障されます。

再就職などによって、金銭面で余裕が出来た場合は、10年以内であれば「追納」といって後から納めることも可能です。

免除分を追納した場合は、国民年金保険料を全額納付したことと同じになります。

どのくらい免除になるか、また猶予になるかはケースバイケースです。

そのため、国民年金保険料の猶予・免除を検討されているのであれば、ご自身のお住まいの市区町村の国民年金担当窓口、またはお近くの年金事務所に一度相談されることをおすすめします。

雇用保険の延長手続きをする

雇用保険の給付条件の一つに「求職活動を行なっていること」があります。

適応障害で退職した場合、しばらくの間は求職活動をせずに治療に専念される方も多いかと思います。

そのような方は雇用保険の延長申請をすることをおすすめします。

求職活動するまでは受け取ることができないからといってそのまま放置してしまった場合、離職日の翌日から1年を経過すると求職活動を開始した場合でも雇用保険の受給資格が消滅してしまうからです。

適応障害で30日以上働くことが出来ない場合、雇用保険の延長手続きを行えば、本来の受給期間1年間に加えて、最大3年間の延長が可能です。

雇用保険の延長の申請期限は、離職した理由と延長理由が同一の場合、離職した翌日以後30日を経過した日から延長後の受給期間の最後の日までです。

しかし、本来は90〜330日間支給される雇用保険の基本手当ですが、仮に受給期間の最終日に申請した場合は1日分しか給付されません。

これは、雇用保険の延長が受給開始日の延長ではなく、受給期間「満了」日の延長だからです。

そのため、退職日の翌日から30日間経過したら出来るだけ早く申請した方が良いでしょう。

延長申請は、ご自身のお住まいの住所を管轄しているハローワークで行うことができます。

国民健康保険料の減額の申請は可能か

お住まいの市区町村にもよりますが、適応障害を理由に退職された方は国民健康保険料の減額を認めている市区町村も多いです。

適応障害を理由に退職された方は、特定理由離職者となります。

特定理由離職者の国民健康保険料減額を認めている市区町村では、前年中の給与所得を100分の30として保険料を計算するところが多いです。

ただし、適応障害で離職された方は、上記の通り療養もあるため、すぐに求職活動を始めて雇用保険の受給資格者になることは難しいでしょう。

そのため、雇用保険の受給開始するまでは減額申請をすることができませんが、受給資格者になると退職の翌日にまで遡って減額されて既に支払った保険料は返却されます。

繰り返しますが、市区町村によって取り扱いが異なります。

国民健康保険の減額を検討されている方は、お住いの市区町村の国民健康保険課にお問い合わせください。

退職する前に注意したい傷病手当金の受給条件と支給額

適応障害を患って就労できなくなった場合、条件を満たせば傷病手当金が健康保険より支給されます。

では、その支給条件と支給額、支給期間を確認しましょう。

傷病手当金とは

傷病手当金とは、会社員など健康保険に加盟している者が病気や怪我で一定期間働くことができなくなってしまった場合に、生活の保障をするために健康保険から支給される手当て金のことです。

国民健康保険のみに加入している場合は、精神疾患が原因の場合は傷病手当金を受給することはできません。

しかし、退職する際に健康保険から国民健康保険に切り替わった場合でも、退職時に傷病手当金の受給資格がある場合は引き続き受給することができます。

退職後も傷病手当を受けられる条件

退職する方が退職後も傷病手当を受けられる条件は以下の通りです。

  • 会社が加入している健康保険に退職日までに1年以上加入していること

退職する方は、退職日までに会社が加入している健康保険に1年以上加入していないと傷病手当金を受給することができません。

  • 業務外の事由による怪我や病気などで就労不能状態であると医師による診断をされていること

傷病手当金は、業務外の事由による怪我や病気に対して支給されます。

業務中での怪我や病気の場合は、労災保険の休業補償が給付されるからです。

ただし、適応障害などの精神疾患を労災認定してもらうことは難しく、業務が原因で発症したと客観的に証明することができないとなかなか認められません。

そのため、適応障害を患った方の多くは労災申請でなく、傷病手当金を申請します。

また、就労不能状態であることは医師の診断であることが必須で、ご自身で就労できないと思っているだけでは就労不能状態であるとは認められません。

  • 連続する3日間を含む、4日以上仕事を休んでいること

待期期間と呼ばれる連続する3日間を含む、4日以上仕事を休んでいないと傷病手当金を受給できません。

待期期間は、会社の所定の休日や有給を使用しての休みでも可能です。

連続する3日間の待期期間が完成すれば、4日目から傷病手当金が支給されます。

その後、退職日以外は出勤することもできます。

ただし、出勤した日においては、給料が支払われるので傷病手当金は支給されません(傷病手当金は日単位で支給されます)。

  • 退職日に出勤していないこと

待期期間が完成した後であっても退職日に出勤してしまうと、退職後の傷病手当金の受給資格を失ってしまうので注意が必要です。

退職手続きなどは、退職日前日までに済ませましょう。

どうしても退職日に会社に出勤しなくてはならない事情がある場合は、会社にあらかじめ相談して出勤扱いにされないようにしてください。

また、有給を使用することは出勤扱いにならないので可能です。

ただし、有給を使用した日は上記と同じように給料が支払われるので、その日は傷病手当金が支給されません。

傷病手当金の受給額

傷病手当金の受給額の計算方法は以下の通りです。

【支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額の平均額】÷30日×(2/3)

標準報酬額とは端的にいうと、月々の給料の総支給額のことです。

総支給額なので、通勤手当やその他手当、残業代も含まれます。

ただし、年3回以下の賞与は含まれません。

たとえば、支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準月額報酬の平均額が25万円だとします。

その場合の計算式は以下の通りです。

250,000÷30≒8,330

(※1の位を四捨五入します)

8,330×(2/3)≒5,553

(※2/3で計算して小数点があれば小数点第1を四捨五入します)

上記の例だと、1日あたり5,553円が傷病手当金として支給されることになります。

傷病手当金が支給される期間

傷病手当金が支給されるのは、支給開始日から最長で1年6か月間です。

退職前であれば、待期後の欠勤日など傷病手当金の支給要件を満たした日のみが支給されます。

しかし、退職後は断続しての受給は認められず、退職後に労務可能となった後に再び労務不能になったとしても傷病手当金は支給されません。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。