不当解雇・退職勧奨
お悩みお聞かせください

無料相談窓口(24時間全国対応)

※伺った事情をもとに、ショートメールメッセージ(SMS)か電話にて専門員が返答いたします

※ユニオンとしてご対応が難しいものでも、適切な相談先をお伝えしますので、まずはご連絡ください

休業手当はどうすればもらえる?休業補償との違いや支給の条件を解説

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

名称未設定のデザイン 41 1

この記事でわかること

  • 休業手当は使用者の責に帰すべき事由が要件
  • 休業手当は雇用形態を問わず請求できる
  • 休業手当は給料として扱われるので所得税の課税対象である

会社が経営不振で、本来は就業日なのに会社から出社しなくてよいと言われてしまった!

このような時、補償が何もなかったら経済面でもとても不安になりますよね。

実は、このような会社都合によって休業を強いられてしまった労働者に対して、会社は一定額支払いなさいと規定している制度があります。

これを休業手当といいます。

今回の記事では、この休業手当の支給条件や計算方法、混同しやすい休業補償との違いについて解説します。

休業手当ってなに?どうしたらもらえる?

休業手当とはどのような制度なのでしょうか。

支給の条件と併せて確認しましょう。

休業手当とは

「休業手当」とは、会社が労働者を会社の責任で休ませることになった際に、休ませた労働者に対して支払う手当のことです。

労働基準法第26条には次のように定められています。

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない(労働基準法第26条)。

使用者の責に帰すべき事由とは

「使用者の責に帰すべき事由」とは、労働者が就業できない会社都合の理由を指します。

例えば、経営不振による休業や、工場などで機械の点検や修理をするための休業が挙げられます。

会社の都合で、労働者が休業することになるのが休業手当の要件になりますので、以下の休業では休業手当は支給されません。

  • 業務上の負傷、疫病の療養のための休業
  • 産前、産後期間の休業
  • 育児休業
  • 介護休業

これらの休業は、休業手当からの支給ではなく、労災保険からの休業補償や健康保険、雇用保険から支給されます。

また、地震や台風などの自然災害により、会社が休業せざるを得ない状況になってしまった場合も休業手当は支給されません。

使用者の責に帰すべき事由があるとはいえないからです。

休業手当をもらうのに特別な申請は必要ない

休業手当は、賃金として扱われるため原則、給与支払い日に給与として支払われることになります。

そのため、労働者に特別な手続きの申請や書類の提出は必要はありません。

また、賃金として扱われる以上、休業手当は所得税の課税対象になります。

「使用者の責に帰すべき事由」があるにも関わらず、会社が休業手当を支払わなかった場合は、30万円以下の罰金が会社に課せられます(労働基準法第120条)。

休業手当の支給額の計算方法

労働基準法第26条に記載されている平均賃金とは、会社都合で休業させられた日以前の3か月間で受け取った賃金の総額をその期間の総日数で割った金額をいいます。

給与の締切日がある場合は、その起算日は直前の給与締切日です。

また、受け取った賃金の総額なので、通勤手当も含まれます。

上記の計算方法で算出された平均賃金の60%が休業手当の1日あたりの支給額となります。

例)

給与締切日:毎月月末締め

平均賃金算定事由発生日(会社都合で休業させられた日):1月29日

12月分(12/1~12/31)賃金:基本給20万円、通勤手当2万円

11月分(11/1~11/30)賃金:基本給20万円、通勤手当2万円、残業手当3万円

10月分(10/1~10/31)賃金:基本給20万円、通勤手当2万円、残業手当1万円

平均賃金=(22万円+25万円+23万円)÷(31日+30日+31日)≒7608円69銭

※銭未満の端数が生じた場合は切り捨てます。

7608.69円×0.6≒4565円21銭

上記の例だと、一日あたりの休業手当の額は4565円になります(50銭未満は切り捨て50銭以上1円未満は1円に切り上げます)。

休業手当と休業補償との違いってなに?

休業手当は、「使用者の責に帰すべき事由」による休業に対して会社が労働者に平均賃金の60%以上を支払う手当であることがわかりました。

では、よく似た名称で「休業補償」という制度がありますが、両者の違いは何でしょうか。

混同される方も多いので、整理しておきましょう。

休業補償とは

休業補償とは、業務による事故などでケガや病気になってしまい、治療のため休業することになった場合に、労災保険から支給される給付金のことです。

休業開始から3日目までは「待期期間」といって、会社が労働者に対して平均賃金の60%の賃金を休業補償として支払います。

そして4日目以降からは、平均賃金の60%の休業補償は労災保険から支払われます。

また、休業補償に加えて「休業特別支給金」と呼ばれる平均賃金の20%の額が労災保険から支払われます。

休業手当は会社の所定の休日は給付対象とならない

休業手当は、本来であれば労働者は働いて賃金を得られたのに、会社都合で働けなくなったので、会社が平均賃金の60%以上を補償をしなさいという趣旨で定められた制度です。

そのため、会社がもともと休みの日に対しては休業手当は支給されません。

一方、休業補償は会社が休みの日であっても支給対象日となります。

休業手当は課税されるが休業補償は非課税

休業手当はその性質上、給与所得として扱われるので所得税として課税対象になります。

一方で、休業補償は被災された労働者の損害を補償するという趣旨の制度です。

そのため、労災保険からの給付金についてはもちろん、会社が休業補償を支払う待期期間中であっても課税の対象とはなりません。

正社員以外も休業手当はもらえる?

休業手当は、正社員以外の方も支給されるのでしょうか。

正社員以外の方の休業手当の支給、また、内定者が自宅待機を命じられている場合について確認しましょう。

契約社員の休業手当について

契約社員の方も、休業が「使用者の責に帰すべき事由」である場合は、正社員と同様に休業手当は支給されます。

パートやアルバイトの休業手当について

パートやアルバイトの方も、休業が「使用者の責に帰すべき事由」である場合は、休業手当が支給されます。

ただし、パートやアルバイトの方の休業手当は、「休業手当の計算方法」で説明した平均賃金の算出方法だと、平均賃金額が低くなりすぎてしまう可能性があります。

そのため、パートやアルバイトの方の平均賃金額は、最低保証額があります。

通常の休業手当の計算で出された休業手当の額と最低保証額を比較して、金額が高い方を選ぶことが可能です。

また、最低保証額は、パートやアルバイトのような時給制以外に、日給制や出来高給制の仕事にも適用されます。

休業手当の最低保証額は、会社都合で休業させられた日以前の3か月間で受け取った賃金の総額をその期間の労働日数で割った金額の60%です。

例)

賃金締切日:毎月月末締め

平均賃金算定事由発生日(会社都合で休業させられた日):1月29日

12月分(12/1~12/31)賃金:基本給10万円、通勤手当1万円(労働日数は12日)

11月分(11/1~11/30)賃金:基本給5万円、通勤手当1万円(労働日数は6日)

10月分(10/1~10/31)賃金:基本給8万円、通勤手当1万円(労働日数は9日)

①原則による計算:(11万円+6万円+9万円)÷(31日+30日+31日)≒2826円08銭

②最低保証による計算:(11万円+6万円+9万円)÷(12日+6日+9日)≒9629円62銭

上記の例の場合、最低保証額の方が高いので、この場合の平均賃金は9629円62銭となります(銭未満の端数が生じた場合は切り捨ててかまいません)。

平均賃金9629円62銭の60%が休業手当なので、

9629.62×0.6≒5777円77銭

この場合、休業手当は5778円です(50銭未満は切り捨て50銭以上1円未満は1円に切り上げます)。

派遣社員の休業手当について

派遣社員の方が、派遣先の「使用者に帰すべき事由」により休業することになった場合も休業手当は支給されます。

ただし、休業手当の支払い義務が発生するのは派遣先の会社ではなく、派遣元の会社です。

また、派遣先都合で休業が発生した場合は、労働者は派遣元の会社に新しい派遣先の会社を紹介するよう要求することもできます。

内定者の休業手当について

採用内定をしていた会社から入社を延期して自宅待機を命じられていた場合も、「使用者の責に帰すべき事由」による休業であった場合は、休業手当は支給されます。

( 3505

 文字)

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

詳しくはこちら

みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。