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みなし残業とは?制度から種類、トラブルまでわかりやすく解説

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • みなし残業とは賃金や手当の中に、あらかじめ残業代を含める制度のこと
  • みなし残業の種類は3つ存在する
  • みなし残業でトラブルが生じた場合は、しかるべき機関に相談を

みなし残業とは、働き方改革を進めるうえで多くの企業に導入されている制度です。

一方で、みなし残業制度の導入をいいことに、サービス残業や手当なしの深夜・休日の労働を強いられるケースが昨今増えています。

本記事では、みなし残業の制度や種類、トラブルまでわかりやすく解説します。

みなし残業とは

みなし残業とは、賃金や手当の中にあらかじめ一定の残業代を含ませる制度のことをいいます。

定められた残業時間より少なくなったとしても、一定の残業代を支払うことから「固定残業制」とも言われています。

わかりやすいように、例を出しましょう。

Aさんは「30時間の固定残業を含む」という「みなし残業制」で会社と雇用契約を結んでいたとします。

このとき、Aさんの賃金には、あらかじめ30時間分の残業代が含まれていることになります。

ある月は業務にゆとりがあり、1カ月に20時間しか残業しませんでした。

このときでも、Aさんは30時間の残業代を支払われるという契約が結ばれていますので、10時間分の残業代が賃金から減るわけではありません。

一方で、繁忙期の月にAさんは40時間の残業をしたとします。

このとき、みなし残業制で保証された30時間を超えているので、Aさんは差分の10時間分の残業代を追加で会社から支払われなければいけません。

みなし残業制の3つの種類とは

みなし残業制度ですが、実は大きく分けて3種類あります。

本章では、以下の3種類のみなし残業制度について紹介します。

事業所外労働制

専門業務型裁量労働制

企画業務型裁量労働制

※いずれのみなし残業制も、基本的な制度内容は第1章で紹介した通りです。

種類①:事業所外労働制

まず「事業所外労働制」です。

事業所外労働制は、営業やサービスエンジニアなど、事業所の外で仕事をすることが多い職種で採用されています。

事業所の外で仕事をすることが多い職種は、パソコンのログイン・ログアウトやタイムカードなどで労働時間管理をすることが難しいためです。

外回りの仕事が多い方は、就業規則や雇用契約でみなし残業の内容を確認しておきましょう。

種類②:専門業務型裁量労働制

次に「専門業務型裁量労働制」です。

専門業務型裁量労働制は、研究開発やSEなどの法令で定められた19業務の専門職に採用されています。

専門職にみなし残業制が採用されている理由は、業務の性質上、業務遂行の時間や方法、時間配分などが労働者に大きく委ねられるためです。

ただし、専門業務型裁量労働制は「従業員を実際にあてはまる専門職に就かせた場合」のみ適用されます。

例えば、研究所に勤めているが、事務や人事といった法令で定められた19業務に含まれていない場合は、専門業務型裁量労働制の対象外となります。

種類③:企画業務型裁量労働制

最後に「企画業務型裁量労働制」です。

企画業務型裁量労働制は「事業運営上の重要な決定が行われる企業の本社などにおいて、企画、立案、調査及び分析を行う従業員を対象にした制度」のことをいいます。

企画業務型裁量労働制が採用される業務は

企業の運営に必要な企画、立案、調査を行う業務

業務の遂行において使用者が具体的な指示をしない

の2つを満たす必要がありますが、専門業務型裁量労働制と比べて定義が曖昧です。

ただし旧労働省が告示する指針において、以下の事業場は対象ではないと明示されています。

個別の製造等の作業や、当該作業に係る工程管理のみを行っている事業場

本社・本店または支社・支店等の具体的な指示を受けて、個別の営業活動のみを行っている事業場

みなし残業制の仕事におけるトラブルとは

一方で、みなし残業制によってトラブルが多く発生しています。

特に多いのは賃金、残業代に関するトラブルです。

本記事では、よくあるトラブルの事例を3つ紹介します。

事例①:残業代が支払われない

みなし残業制に関係する労働トラブルで最も多いのが「残業代が支払われないこと」です。

冒頭で紹介した通り、みなし残業で定められた残業時間以上に残業をしたときは、超えた分の残業代が支払われるという決まりがあります。

しかし、超えた分の残業代が支払われなかったり、そもそも残業時間を管理していなかったりする会社もあります。

事例②:深夜労働手当、休日手当が支払われない

次に深夜労働手当、休日手当が支払われないことです。

そもそも残業自体が時給単価の25%割り増しですが、深夜22時~翌朝5時まではさらに50%割り増しとなります。

しかし、深夜に勤務をしていても、手当が出なかったり、割り増しされなかったりというトラブルが多いです。

また、休日出勤をした場合は時給単価の35%割り増しとなりますが、休日手当が支払われない事例もあります。

事例③:みなし残業制でも36協定は適用される

最後に残業時間のトラブルです。

みなし残業制の会社で働いていても36協定は適用されます。

36協定とは以下のように定められています。

「会社が法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える時間外労働及び休日勤務などを命じる場合、労働組合などと書面による協定を結び労働基準監督署に届け出ることが義務付けられている」(労働基準法第36条)

そして、残業時間は月間45時間、年間360時間という条件が定められており、月間45時間を超える残業は、臨時的な特別の事情及び労使協定がある場合に限られます。

また上記の条件を満たす場合であっても年に6回までという制限があります。

しかし、みなし残業制をいいことに45時間以上残業を強いられるケースも多いです。

特にみなし残業が45時間と定めている会社で働いている場合は注意しましょう。

みなし残業制で会社とトラブルがあったときは

先ほど紹介したような、みなし残業制でのトラブルにあったときはどのように対応すればよいでしょうか。

本記事では、3つの対策法を紹介します。

対策①:会社の相談窓口に相談

1つ目は「会社の相談窓口へ相談」することです。

会社によっては社内の労働問題を相談できる窓口が設置されている場合があります。

みなし残業制のトラブルでは、タイムカードやパソコンのログイン、ログアウト記録など残業時間のわかるものや、残業代がわかる給料明細を証拠として用意しましょう。

しかし悲しいことに、本来違法にも関わらず、相談窓口が機能していなかったり、相談窓口を利用したことが人事評価に影響したりする会社もあります。

そのような場合は他の方法を使いましょう。

対策②:労働基準監督署に相談

2つ目は「労働基準監督署に相談」です。

労働基準監督署は、労働基準法等を守らない企業を取り締まるための機関で、各地域ごとにあります。

あなたの勤務先を管轄する地域の労働基準監督署に報告し、違法が認められた場合は会社に是正するように指摘してもらえます。

相談するうえで、費用はかかりません。

労働基準監督署に違法を認めてもらうためにも、タイムカードやパソコンのログ記録、給料明細といった残業時間や残業代がわかるものを用意しましょう。

対策③:弁護士に相談

弁護士に相談することも1つの対策です。

費用は他の方法と比べるとかかってしまいますが、みなし残業でのトラブルが数カ月続いていたり、パワハラなど他の労働問題も絡んでいる場合におすすめしたい方方法です。

特に訴訟を検討している場合は、残業時間や残業代の証拠を数カ月分用意しておくと心強い味方になるでしょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。