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会社をクビになる理由は?解雇の要件と解雇理由について解説

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 会社をクビになるのは普通解雇・懲戒解雇・整理解雇の要件が満たされたとき
  • 客観的に合理的で社会通念上相当な理由がないと普通解雇されない
  • 就業規則に記載のない理由で懲戒解雇されない
  • 会社が所定の要件を満たせば、会社の経営不振などが理由で整理解雇されることがある

「仕事で失敗して会社に大きな損害を与えた」「隠していたミスが発覚して大問題になった」などの事態で、もしかしたらクビになるかも、と心配になったことはないでしょうか。

今回の記事では、会社をクビになるケースとならないケースについて解説します。

相当の理由がないと会社は従業員をクビにはできないので、本記事を読めば少し安心できるかもしれません。

会社をクビになるケースとならないケース|解雇の種類

「会社をクビになった」という表現がありますが、「従業員が会社から解雇された」ということです。

解雇とは「会社からの一方的な通知による労働契約の解除」のことで、従業員の生活基盤を奪う重大な行為であるため法律上、さまざまな制約が設けられています。

つまり、会社をクビになるケースは解雇が法律上は正当だと認められる場合で、クビ首にならないケースは法律上は正当だと認められない場合だということです。

会社をクビになるケース

会社をクビになるケース、つまり解雇が認められるのは次に該当する場合です。

普通解雇:

従業員の能力不足や傷病による長期欠勤などを理由とする解雇

懲戒解雇:

会社の秩序や規律に著しく反した従業員に対して行われる解雇

整理解雇:

会社が経営不振で人員を削減して会社の建て直しを図るために行う解雇

会社をクビにならないケース

会社をクビにならないケース、つまり解雇が認められないのは次の場合です。

法律上、禁止されている解雇

普通解雇・懲戒解雇・整理解雇の要件を満たさない解雇

大雑把な説明になりましたが、会社をクビになるケースとならないケースについて、それぞれ具体的な理由をみていきましょう。

会社をクビになる理由|解雇の要件と解雇理由

まずは、会社をクビになる理由について、前述の3つの解雇に分けて解説します。

普通解雇の要件と解雇理由

普通解雇が正当だと認められるには、下記要件を満たす必要があります。

解雇の理由が客観的に合理的であり、社会通念上相当であると認められること(労働契約法16条)

解雇予告(※1)、または解雇予告手当(※2)を支給していること(労働基準法第20条)

(※1)解雇する30日以上前に解雇する旨を従業員に伝えることで、会社の義務

(※2)解雇予告をしない場合に代わりに支払う手当で、金額は30日分以上の平均賃金平均賃金と同額

「客観的に合理的」で「社会通念上相当」な解雇理由は下記などです。

精神又は身体の障害:

病気で1年以上休職していて回復の見込みがないケースなど

勤務成績の不良:

無断欠勤や遅刻を繰り返し、再三の注意にも関わらず改善しないケースなど

職無能力の不足:

能力や適性に大きな問題があり、教育訓練・配置転換等しても雇用の維持が困難なケースなど

協調性の欠如:

指示違反や職場同僚への悪口などを繰り返し、再三の注意にも関わらず改善しないケースなど

「病気で1週間程度休んだ」「1,2回遅刻した」「営業成績が最下位だった」「同僚と仲が悪い」程度では、解雇理由が客観的に合理的で、解雇が社会通念上相当とはいえません。

懲戒解雇の要件と解雇理由

懲戒解雇が正当だと認められるには、下記要件を満たす必要があります。

解雇の理由が客観的に合理的であり、社会通念上相当であると認められること

解雇予告、または解雇予告手当を支給していること

就業規則に懲戒解雇の対象となる事由が明記されていること

上の2つの要件は普通解雇と同様ですが、懲戒解雇という重い処罰を下すのが社会通念上相当とされるほどの理由が必要です。また、懲戒解雇でも解雇予告が必要ですが、会社が労働基準監督署から「解雇予告除外認定」を受ければ不要になります。

ポイントは懲戒解雇事由の就業規則への記載です。労働基準法第89条では解雇事由が就業規則の絶対的必要記載事項として定められているので原則、記載がなければ懲戒解雇はできません。

懲戒解雇されるほど重要な解雇理由は下記などです。

会社内で窃盗や横領、傷害など刑法に違反する行為をした場合

賭博、風紀紊乱などにより職場の規律を乱した場合

採用時に採用結果を左右する重大な経歴詐称があった場合

ほかの会社に勤務している場合

長期間、正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合

懲戒解雇以外の懲戒処分を受けても同様の行為を繰り返す場合 など

整理解雇の要件と解雇理由

整理解雇が正当だと認められるには、下記の4つの要件を総合考慮しなければなりません。

人員削減の必要性:

不況、経営不振など企業経営上やむを得ない人員削減措置であること

解雇回避の努力:

配置転換、希望退職者募集など解雇回避のために努力したこと

人選の合理性:

整理解雇の対象者を決める基準が客観的・合理的で運用も公正であること

解雇手続の妥当性:

労働者などに対し解雇の必要性・時期など、納得を得る説明を行うこと

従業員に解雇される理由がなくても、会社が上記要件を満たせば整理解雇されることになります。

会社をクビにならない理由|法律で禁止されている解雇

次に会社をクビにならない理由について、法律上、禁止されている解雇を中心に解説します。

法律上禁止されている解雇

労働基準法をはじめさまざまな法律で所定の解雇は禁止されています。そのため、下記理由などによる解雇は違法であり、会社をクビになる理由にはなりません。

①労働基準法による解雇制限

業務上災害の療養中の期間とその後の30日間

産前産後の休業期間とその後の30日間

②労働基準法による解雇の禁止

労働者の国籍、信条、社会的身分を理由とする解雇

労働基準監督署に申告したことを理由とする解雇

年次有給休暇を取得したことを理由とする解雇

③男女雇用機会均等法による解雇の禁止

労働者の性別を理由とする解雇

女性労働者が結婚・妊娠・出産・産前産後の休業をしたことなどを理由とする解雇

④育児・介護休業法による解雇の禁止

労働者が育児・介護休業などを申し出たこと、又は育児・介護休業などをしたことを理由とする解雇

⑤労働組合法による解雇の禁止

不当労働行為となる解雇(労働組合員であることや労働組合への参加、労働組合の結成、組合活動などを理由とする解雇)

普通解雇・懲戒解雇・整理解雇の要件を満たさない解雇

解雇理由が前述の普通解雇・懲戒解雇・整理解雇の要件を満たさない場合は、不当解雇になるため会社をクビになることはありません。もしクビにされた場合は、会社に対し解雇無効や慰謝料を請求することができます。

会社をクビになったときにすべきこと

会社をクビになる理由とならない理由を中心に解説してきましたが、もし会社をクビになった場合にすべきことを挙げておきますので参考にしてください。

解雇理由を確認する

会社に「解雇理由証明書」を請求して解雇理由を確認します。従業員の請求があれば会社は拒否できないので、解雇を言い渡されたらすぐに請求しましょう。

解雇理由が解雇の要件を満たしているか、合理的であるかの判断材料になります。また、解雇理由によって失業保険の受給内容が異なる場合があるので必ず確認しましょう。

解雇予告がなければ解雇予告手当をもらう

解雇予告がなければ解雇予告手当をもらいます。懲戒解雇でも労働基準監督署から「解雇予告除外認定」がなければ受け取れます。

退職金をもらう

会社所定の退職金をもらいます。懲戒解雇でも就業規則に「懲戒解雇の場合は退職金を支払わない」旨の記載がなければ受け取れます。

不当解雇なら慰謝料請求などを行う

不当解雇だと判断すれば、会社に対して解雇無効や慰謝料を請求します。請求方法は、会社との直接交渉や弁護士の利用、裁判などさまざまですが、自分一人でやるよりも専門家に相談することをおすすめします。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。