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労働審判は弁護士なしでも利用可能!必要な手続きを紹介

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 労働審判は労働審判官と労働審判員が労働問題の解決のために、あっせんを行う手続き
  • 労働審判は弁護士をつけなくても申込書類を提出することで利用できる
  • 労働審判で交渉を有利に進めるには事前の証拠集めが大切

解雇や賃金の未払いなどのトラブルがあり、会社を訴えたいと感じている人は少なくありません。しかし裁判を提起するには弁護士に依頼しなければ難しいです。弁護士なしの本人訴訟も手続きとして認められていますが、会社を相手に1人だけで争うのは無謀な挑戦だと言えます。

お金がないなど何らかの事情があって弁護士に依頼できない状況で会社に法的な請求をしたい場合、おすすめの手続きが労働審判です。労働審判ならば、弁護士の手を借りずとも、会社に対して自身の主張を通すことが可能です。今回は労働審判の特徴、申し立て手続きの方法などを解説します。

労働審判は弁護士なしで利用できる!特徴やメリット・デメリットを解説

労働審判は、労働審判官と労働審判員で構成される労働審判委員会が、労働者と使用者の労働トラブルの解決をあっせんし紛争解決をはかる手続です。労働審判は弁護士をつけなくても申し立て可能で、労働者側の有利な方向に話を進めることができます。まずは労働審判の特徴やメリット・デメリットなどを見ていきましょう。

労働審判は本人だけでも勝つことが可能

労働審判では審判官や審判員が間に入って、和解交渉が進められます。審判官や審判員で構成された労働審判委員会が議論を主導するので、弁護士をつけなくてもある程度のサポートを受けることが可能です。

客観的に考えて会社の対応が違法・不当なケースならば、労働者側に有利な形で和解を成立させられます。労働審判委員会の審判官は裁判官ですし、審判員も労使慣行や雇用関係の実情に精通した豊富な知識を持つ者から任命されるので、専門的な見地からの指摘を受けられます。

話合いによる和解を調停と呼びますが、和解交渉の結果話し合いがまとまれば、調停の内容を調書に記し、調停が成立します。話し合いがまとまらない場合、労働審判と言って、裁判所が決定を下します。労働審判は判決と同等の効力を持つので、一度受けたら内容を覆すことは原則できません。

もし労働審判の内容に不服がある場合、異議申し立てを行い、訴訟手続きに移行します。訴訟になってしまうとさすがに弁護士をつけなければ勝つのは厳しいでしょう。

しかしこれまで説明した通り、労働審判自体は弁護士なしで労働者側の有利となるような和解を締結できます。

労働審判は裁判と異なり、審理の過程が非公開となることも知っておきましょう。

労働審判のメリット

労働審判の大きなメリットは、手続きが迅速に終了する点です。元々労働審判の導入目的が労働問題を迅速かつ適切に解決に導くという趣旨なので、裁判に比べて手続きのスピード感は確保されています。

原則として期日は3回以内に終了し、途中で和解すればさらに早く終わらせることが可能です。労審基則13条には第一回期日は申し立てから40日以内に行うと規定されております。

また、労働審判は柔軟な解決方法が提示されやすい点もメリットです。裁判は基本的に原告の請求を認めるか認めないかの二者択一ですが、労働審判は和解が基本なので、両者の言い分を聞いた上で、労働審判員が落としどころを探ってくれます。主張が全て認められなかったとしても、納得いく結論が出やすいでしょう。

また、専門性も担保できるのも特徴です。当事者同士だけで交渉すると力関係の差を背景に、一方的な議論の押し付けが進み、法律とは大きくかけ離れた解決方法になってしまうことも考えられます。労働審判は労働問題の専門的な知識を有した審判員が裁定するので、法的な観点に則った解決案に導いてくれます。

労働問題のデメリット

労働審判はスピーディーに事が進む分、準備期間が短くなりがちです。労働審判を提起する際は事前に十分な準備をしてから申し立てることをおすすめします。

また、労働審判では対応できないトラブルもあります。労働審判の対象になるのは、権利関係のトラブルだけです。例えば解雇や未払い賃金などに関して争うことはできますが、賃金の値上げ交渉は対象外になります。

また、労働審判は「個々の労働者と使用者との民事に関する紛争」のみ対象としています。つまり、労働組合と会社の争い、上司など加害者個人との争いは不可能です。さらに公務員は労働審判を行うことはできません。

労働審判を行う際の手続き

前述の通り、労働審判は弁護士の手を借りずとも行うことができます。自分一人の力だけで会社と争うと決めた方が、労働審判でどのような手続きを取れば良いのか紹介します。

手続きの流れ

労働審判の全体像を把握しましょう。簡単に労働審判の流れを示すと、以下の通りです。

申し立て

期日指定(呼び出し)

答弁書提出

審理

調停成立

労働審判

労働審判を利用するためには、まず地方裁判所に申立書を提出する必要があります。申立先として認められているのは地方裁判所の本庁または一部の支部(「東京地裁立川支部」「静岡地裁浜松支部」「長野地裁松本支部」「広島地裁福山支部」「福岡地裁小倉支部」)のいずれかのみです。

申立書が届くと、労働審判官は申立日から40日以内に期日を設定し、当事者を呼び出します。相手方は期限までに答弁書を提出する必要があります。期日は3度にわたって行われ、当事者の言い分を聞き、争いとなっている点を整理していきます。話合いによる解決が見込めれば途中でも調停に進み、調停に至ることが難しければ、労働審判に移行します。実際のところ、労働審判は第二回までで終了するケースが多いです。

労働審判の申立ステップ①証拠集め

労働審判は開始したらスピーディーに進んでいくので、事前にどれほど準備できるかという点が重要です。和解交渉を有利に進めるために、あらかじめ多くの証拠を集めておきましょう。まず雇用契約書や就業規則は必ず用意しておきましょう。賃金関係のトラブルの場合、タイムカードや勤怠表、給与明細といった実際の労働時間や支払われた金額を証明する証拠が必要です。解雇関係のトラブルでは解雇理由が論争のポイントとなるので、解雇通知書や解雇理由証明書などを準備しておくと良いでしょう。

労働審判の申立ステップ②申立書の作成

証拠が準備できたら、申立書の作成に進みましょう。労働審判の申立手続は必ず書面で行う必要があります。申立手続きに必要な書類は以下の通りです。

労働審判手続申立書

予想される論点に関する証拠書類

証拠説明書

証拠説明書は、証拠を提出したい時に、証拠として提出したい書類とともに提出する書類です。裁判所のホームページに労働審判手続申立書の書き方の見本や証拠証明書の作成要領が掲載されているので、確認してください。

また申立手数料代わりの収入印紙も必要です。収入印紙の金額は申立てる金額などによって異なります。例えば、200万円の支払いを求める申立では7,500円分の収入印紙が求められます。さらに書類を郵送する際に添付する郵便切手も必要です。その他、申込人もしくは相手方が法人のケースでは、資格証明書を提出する必要があります。

提出する書類は原則として、相手方の分もコピーして提出しなくてはいけません。ただし労働審判手続申立書は相手方の数に3を加えた枚数、コピーを準備する必要があるので注意してください。

申立書類の提出

最後に完成した申立書類をポストに投函しましょう。申立書類の提出先は、申立相手の会社の本店所在地を管轄する裁判所が原則となります。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。