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労働基準監督署に通報した後はどうなるのか?

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 労働基準監督署に通報した後、会社には代表者の呼び出しや立ち入り調査が行われ、違法行為が確認されれば是正するように指導が行われること
  • 自分が通報したことが会社に伝えられることはないこと
  • 通報をしたことを理由に会社が不利益処分をすることは違法となる

労働基準監督署に通報した後、会社はどうなるのか、自分自身はどうなるのか知りたいのではないでしょうか?

通報によって会社で違法行為が行われているかもしれないと判断されれば、会社に対して事実確認を行います。調査の結果、違法行為が認められれば是正するように指導が行われます。

また、通報したことが労働基準監督署から会社へ伝えられることはありません。通報したことを理由に会社から処分された場合は、再度労働基準監督署へ相談するか、労働局へ相談しましょう。

労働基準監督署に通報した後、会社はどうなるのか

労働基準監督署に対する通報によって、違法性が疑われる場合には、代表者の呼び出しや立ち入り調査によって、事実関係の確認が行われます。違法行為が確認された場合は是正勧告が行われ、是正されなければ任意捜査・強制捜査の可能性もあります。

代表者の呼び出し

労働基準監督署は、違法性を確認するために会社の代表者を呼び出して事実関係の確認を行う場合があります。呼び出された代表者は、以下のような書類を準備するように指示され、労働基準監督署へ出頭する必要があります。

就業規則

時間外労働・休日労働・労使協定に関する書類

労働時間が確認できる書類

健康診断表

衛生委員会の議事録

労働基準監督署は、書類を確認し違法行為がないかを確認します。

立ち入り調査

労働基準監督署は、会社に直接来て立ち入り調査を行うこともあります。事前に連絡が来る場合と、予告なく調査に来る場合があります。立ち入り調査を拒んだり妨げたりした場合は、処罰される場合があります。(労働基準法120条)

労働基準監督官は、会社の設備や帳簿、書類などの確認したり、従業員に尋問を行うことができます。(労働基準法101条)

是正勧告

調査した結果、違法性が確認できた場合は問題を是正するように指導され、是正勧告書が交付されます。是正勧告書には指導内容や違法内容、是正期限が書かれており、期限までに違法状態を改善し是正報告書を提出する必要があります。

危険な機械や設備がある場合は、その場で使用を停止するように行政処分されることもあります。

是正報告書を提出後、改善が見られれば調査は終了です。改善が十分でない、改善されていないと判断された場合は再度調査をおこないます。

2016年に大阪労働局管内の労働基準監督署で行った定期監督指導では、計6,524件のうち4,611件が労働基準関係法令違反でした。

法令違反の中でも多かったものは、「違法な時間外労働」「割増賃金の不払い」「健康診断の未実施」です。

強制捜査

繰り返し是正勧告を受けたにもかかわらず是正を行わない場合は、悪質・重大な事案として捜査が行われる場合があります。

労働基準監督官は、労働関係法令違反に関しては刑事訴訟法に規定する司法警察員として職務をおこなう権限があります。(労働基準法102条)

悪質・重大な事案については、労働基準法違反として取り調べを行い、捜索・差押え・逮捕などの強制捜査を行い検察庁に送検することもあります。

労働関係法令違反で実際に送検された事案については、厚生労働省が公開しており、どのような違反があったのかが確認できます。

労働基準監督署への通報は会社にバレるのか

労働基準監督官には守秘義務(労働基準法105条)があるので、自分が通報した事実が会社へ知らされることはありません。また、誰からの通報なのかを聞かれても、通報者が誰なのかを労働基準監督官が答えることはないです。

通報があったことを伝えたうえで立ち入り調査を行う場合と、通報があったことを隠して通常の業務として立ち入り調査を行う場合があります。

通報した後も賃金の未払いがある場合はどうすべきか

労働基準監督署へ通報した後におこなわれるのは、会社の違法行為に対して是正するように指導するだけです。自分自身の問題に関しては、アドバイスがもらえる程度で具体的に何かしてもらえるわけではありません。

労働基準監督署は国の行政機関なので、民事不介入です。時間外労働に対する割増賃金の支払いについては、自分で請求する必要があります。

通報した後に不利益な処分を受けた場合はどうすべきか

労働基準監督官が通報した人が誰なのかを会社へ伝えることはありませんが、なんらかの形で通報したことが会社に分かってしまうことも考えられます。中小企業や従業員数が少ない会社では、通報する可能性がある従業員が特定されやすい傾向にあります。

労基署通報を理由とした不利益な取り扱いは禁止されている

通報したことを理由に通報した従業員を解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(労働基準法104条2項)とされています。解雇その他不利益な取扱いをおこなった場合は、六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金が課される場合があります。(労働基準法119条)

不利益取り扱いの無効を主張できる

通報したことを理由に会社から解雇その他不利益な取扱いをされた場合は、不利益取り扱いの無効を主張できます。過去の判例においては、通報を理由とした解雇や配置転換が無効になっています。

不利益取り扱いの無効の主張に対して、会社が処分を撤回しないようであれば、労働基準監督署へ再度通報しましょう。また、労働局へ紛争解決援助の申し立てを行うこともできます。

ただし、どちらもできることは助言や指導だけで強制力はないです。会社側が必ずしも処分を撤回するとは限りません。労働基準監督署や労働局に相談しても状況が変わらなければ、弁護士に相談しましょう。

不法行為に該当する場合は慰謝料請求も可能

通報後の会社の対応が、不法行為に該当する場合は慰謝料請求も可能です。過去の判例においては、解雇や配置転換が、通報したことに対する嫌がらせや個人的な制裁として行われているとして慰謝料請求が認められています。解雇その他不利益な取扱いと合わせて、慰謝料請求も行うのであれば、弁護士に相談しましょう。

参考:労働基準監督署の役割

参考:PowerPoint プレゼンテーション (mhlw.go.jp)

参考: 労働基準関係法令違反に係る公表事案

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。