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不当解雇の基準は?こんな理由で解雇されたら不当解雇!

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 解雇には「普通解雇」「懲戒解雇」「整理解雇」の3種類があり、会社が解雇できるのは所定の要件を満たしたときに限定される。
  • 所定の要件を満たしていない解雇が不当解雇で、不当解雇かどうかは解雇理由で判断できる。
  • 所定の要件以外にも、労働関係法令で禁止された解雇は不当解雇となる。

会社から解雇宣告されて納得できなければ、不当解雇を理由に会社に対して解雇の撤回や慰謝料の請求を行うことがあります。請求が認められるには不当解雇であることを認めてもらわなければなりません。

今回の記事では、会社が従業員を解雇できる要件について解説するとともに、不当解雇となる具体的な解雇理由を紹介します。

不当解雇とは|解雇の種類・要件と不当解雇の判断

まずは、解雇についての基本的な知識と不当解雇とは何か、どうやって判断するのか、について確認しましょう。

解雇の種類と要件

解雇とは、会社からの一方的な通知による労働契約の解除のことをいい、普通解雇・懲戒解雇・整理解雇の3種類があります。解雇の内容と要件を解説します。

①普通解雇

普通解雇とは、従業員の能力不足や協調性の欠如、傷病による長期の欠勤などで雇用契約上の債務を履行できていないことを理由とする解雇のことです。

会社が普通解雇を行うための要件は次の2つです。

解雇の理由が客観的に合理的であり、社会通念上相当であると認められること

解雇日30日以上前の解雇予告、または解雇予告手当の支給

②懲戒解雇

懲戒解雇とは、会社の秩序や規律に著しく反した従業員に対してペナルティとして行われる解雇のことです。

会社が懲戒解雇を行うための要件は次の3つです。

解雇の理由が客観的に合理的であり、社会通念上相当であると認められること

解雇日30日以上前の解雇予告、または解雇予告手当の支給

就業規則に懲戒解雇の対象となる事由が明記されていること

労働基準法では解雇事由が就業規則の絶対的必要記載事項として定められているため、記載がなければ懲戒解雇はできません。

③整理解雇

整理解雇とは、会社が経営不振などで事業の存続が危ぶまれる時などに、人員を削減することによって会社の建て直しを図るために行う解雇のことです。

会社が整理解雇を行うための要件は次の4つです。

人員削減の必要性:

不況、経営不振など企業経営上やむを得ない人員削減措置であること

解雇回避の努力:

配置転換、希望退職者募集など解雇回避のために努力したこと

人選の合理性:

整理解雇の対象者を決める基準が客観的・合理的で運用も公正であること

解雇手続の妥当性:

労働者などに対し解雇の必要性・時期など、納得を得る説明を行うこと

不当解雇の判断基準は解雇理由

不当解雇とは、会社が上記の解雇要件を満たさずに行う解雇です。各要件は労働基準法などで定められたものですから、法律等に反する解雇ともいえます。

解雇がその要件を満たしているかどうかを具体的に判断する材料は解雇理由です。つまり、不当解雇の判断基準は解雇理由にあるということです。

以下では、解雇の種類ごとに不当解雇となる解雇理由について説明します。

不当解雇となる解雇理由①普通解雇の場合

普通解雇の場合、不当解雇となる可能性の高い解雇理由は下記などです。

「営業成績が悪い」という理由

営業成績が悪いという理由で解雇されれば不当解雇となる可能性が高いです。

能力不足による解雇が認められるケースもありますが、他部署への配置転換や十分な指導、研修を行っても改善の余地がないなど著しい能力不足が認められる場合だけです。

人より営業成績が悪い、仕事上のミスが多い、などの理由は、「客観的に合理的であり、社会通念上相当である」とは認められません。

「勤務態度が悪い」という理由

勤務態度が悪いという理由で解雇されれば不当解雇となる可能性が高いです。

無断欠勤や遅刻を繰り返し、再三の注意にも関わらず改善しないケースなどは解雇が認められるケースもありますが、「数回遅刻した」「一度、無断欠勤した」程度なら不当解雇と判断されるでしょう。

会社への損害や無断欠勤などの程度、改善に向けた会社の働きかけなどを総合的に判断して不当解雇かどうかが判断されます。

「仕事中の事故で仕事の継続が困難になった」という理由

仕事中の事故で仕事の継続が困難になったという理由で療養中に解雇されれば、明らかな不当解雇です。

労働基準法では「業務上災害の療養中の期間とその後の30日間」の解雇を禁止しているため法律違反となるからです。ただし、通勤途中で事故にあった場合、労災になりますが業務上の災害ではないため、この法律は適用されません。

「妊娠した」という理由

妊娠したという理由で解雇されれば、明らかな不当解雇です。業務上災害と同様、労働基準法では「産前産後の休業期間とその後の30日間」の解雇が禁止されているからです。

上記以外でも、労働関係法令で下記の解雇が禁止されています。

労働者の国籍、信条、社会的身分を理由とする解雇(労働基準法)

労働基準監督署に申告したことを理由とする解雇(同上)

年次有給休暇を取得したことを理由とする解雇(同上)

労働者の性別を理由とする解雇(男女雇用機会均等法)

女性労働者が結婚・妊娠・出産・産前産後の休業をしたことなどを理由とする解雇(同上)

労働者が育児・介護休業などを申し出たこと、又は育児・介護休業などをしたことを理由とする解雇(育児・介護休業法)

労働組合員であることや労働組合への参加、労働組合の結成、組合活動などを理由とする解雇(労働組合法)

不当解雇となる解雇理由②懲戒解雇の場合

懲戒解雇の場合、不当解雇となる可能性の高い解雇理由は下記などです。

「会社の飲み会でセクハラした」という理由

会社の飲み会で女性を触るなどのセクハラをしたという理由で解雇されれば、不当解雇となる可能性が高いです。

強制わいせつに該当する場合やセクハラ行為が長期にわたり繰り返し行われた場合は懲戒解雇が認められますが、軽微なセクハラ行為を一度しただけで懲戒解雇するのは「客観的に合理的であり、社会通念上相当である」とはいえません。

文言は普通解雇と同様ですが、懲戒解雇という重い処罰を下すほどの理由が必要です。懲戒解雇が認められる解雇理由は次の通りですが、程度などによっては不当解雇になることもあります。

業務上の横領

重要な社内機密の漏洩

重要な業務命令の拒否・違反(転勤拒否など)

無断欠勤

セクハラ、パワハラ、など

「酔ってケンカをした」「車で人にケガをさせた」という理由

酔ってケンカをした、車で人にケガをさせた、などの理由で解雇されれば不当解雇となる可能性が高いです。

業務上の横領などでは懲戒解雇が認められるケースがありますが、「私生活上の非行」に対する懲戒については、会社の社会的評価に重大な悪影響を及ぼすような場合に限定されるからです。

就業規則に記載されていない解雇理由

業務上の横領をした場合でも、就業規則に懲戒解雇事由として記載されていなければ不当解雇になる可能性があります。

前述の通り、解雇事由は就業規則の絶対的必要記載事項として法律で定められているからです。

不当解雇となる解雇理由③整理解雇の場合

会社が整理解雇を行うには前述の4要件(人員削減の必要性、解雇回避の努力、人選の合理性、解雇手続の妥当性)を満たす必要があります。

整理解雇であることを理由としながら、4要件を満たしていない場合は不当解雇です。具体的には下記ケースなどです。

整理解雇をする一方、新規の採用を行っていて人員削減が不要

配置転換、希望退職者募集など解雇回避のために努力をしていない

整理解雇の対象者が組合員や女性に限られるなど、客観的・合理的な基準で人選されていない

整理解雇について従業員へ説明不足で解雇手続きが妥当ではない

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。