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働き方改革って何?

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 働き方改革においては職場の環境整備や、雇用に関する良好な措置に向けて様々な法改正や、取り組みが行われている
  • 働き方改革の取り組みの中でも、特に時間外労働に関する上限設定については労働基準法のかなり重要な改正と言われており、労働者への利益も大きい
  • 働き方改革の一環としてパワーハラスメントの防止・対策体制整備義務に関する条文も新設された

「働き方改革」、よく耳にするようになって少し経った言葉です。

この働き方改革は、厚生労働省が推し進めている様々な労働環境整備に向けた動きを総称したものです。

「改革」というだけあって法律や制度の中で重要なものについて、多くの変更が加えられており、かつそのほとんどが労働者に有利な変更であることからも、働き方改革が労働者に与える影響はかなり大きいものです。

しかしながら、働き方改革という言葉は知っているが、その細かい内容までは知らないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、働き方改革の全貌をわかりやすくまとめると共に、働き方改革の中でも特に重要なポイントについて詳しく解説していきます。

働き方改革とは

前述の通り、「働き方改革」の中には様々な労働環境を整備する政策が含まれています。

ここでは、「そもそも働き方改革ってなにをしているの?」という疑問を持つ方に向けて、働き方改革の主要な政策についてまとめていきます。

働き方改革の目的

現在日本では、全体的な人口減少や高齢化、男女間の格差や正規非正規労働者の不合理な格差、先進国間における年休取得率の相対的な低迷や、長時間労働など様々な労働環境上の問題を抱えています。

「働き方改革」は、この課題の解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。

働き方改革における主な取り組み

厚生労働省によると、働き方改革の取り組みとして大別して以下のものが挙げられるとしています。

①長時間労働の是正

時間外労働の上限設定(労働基準法36条以下)や中小企業において猶予されていた割増賃金1.5倍条文の適用などがあります。

②雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保

正規労働者と非正規労働者の不合理な格差をなくすためのものです。

「同一労働同一賃金の義務化」を内容としています。

③柔軟な働き方がしやすい労働環境の整備

主にテレワークや、兼業副業を推し進めています。その他にも高度プロフェッショナル制度の創設、フレックスタイム制の清算期間の延長など様々な働き方に対応できるような取り組みを進めています。

④ダイバーシティ(多様性のこと)の推進

女性や、持病持ちの人、障害者、高齢者、外国人などの雇用推進や若者雇用のための環境整備などを行っています。

➄賃料引き上げ、労働生産性向上

最低賃金の引き上げや、同制度の周知を主としています。

年次有給取得の義務化もこの一環です。

⑥再就職支援、人材育成

一定の要件を満たした企業に助成金を出すことで中途採用の拡大や早期雇入れの支援を行ったりします。

⑦ハラスメント防止対策

パワーハラスメントに関する法律が整備されました。

本記事においては上記の中でも特に働き方改革の目玉ともいわれる改正労働基準法に関する①長時間労働の是正、さらに法律条文が新設され企業の責任がより求められるようになった⑦ハラスメント防止対策について詳細に解説していきます。

働き方改革のポイント 長時間労働の是正

働き方改革の一環として労働基準法が改正されています。

改正労働基準法の主要なポイントとしては①時間外労働に関する上限設定、②中小企業において猶予されていた割増賃金1.5倍条文の適用(令和5年4月1日より)が挙げられます。

以下では時間外労働や36協定に関して前提を確認したうえで、上のポイントについて詳しく説明していきます。

時間外労働に関する前提

労働基準法32条では、労働時間について1日8時間、1週40時間までに収めなければならないと規定していて、労働基準法35条1項によると休日は週に1日は与えなければならないと規定されています。

以上の限度を超える場合、会社は労働者の代表と36協定という協定を結んだうえで、労働者に対する時間外労働に対する割増賃金を支払う必要があります。(労働基準法36条、37条)

ポイント①時間外労働の上限設定

確かに労働基準法32条等では労働時間について制限があるものの、従前の労働基準法ではある方法で36協定を結んでしまえばその制限を無視することができました。

通常の36協定については厚生労働大臣の限度基準告示原則により月45時間、年360時間までと「一応の」決まりはありました。(法律上の決まりではないため、労働基準監督署などが強い権限を行使できませんでした。)

さらに月45時間、年360時間という上限さえも、「特別条項付36協定」という36協定を締結すれば使用者は同上限を気にせず労働者を使用することが可能でした。

そこで働き方改革の一環としてなされた労働基準法改正では、通常の36協定および特別条項付36協定の「上限」を法律に明記しました。

具体的には、

①通常の36協定においては、残業時間は月45時間、年360時間を限度とすることが告示ではなく法律に明記された。(労働基準法36条3項、4項)

②さらに特別条項付36協定によっても守るべき限度が明記された。

(すなわち月45時間年360時間の限度を特別条項が必要か不要かを分ける第一の壁とすると、その特別条項を付けた36協定によっても破ることのできない絶対的な第二の壁が設定されたことになります。)

③特別条項の存在が労働基準法上の確固たるものになったため様式が、特別条項なしの36協定と特別条項付36協定で分けられた。

ポイント②割増賃金1.5倍条文の適用

労働者に時間外労働を行わせる場合、使用者は36協定を結ぶとともに割増賃金を支払わなければなりません。ポイント①は36協定に関するもので、次のポイント②は割増賃金に関するものです。

労働基準法37条1項は以下のように定めています。

第三十七条 使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

同条分のただし書(1ヶ月60時間を超える時間外労働には、通常の賃金の1.5倍の割増賃金を支払う必要であるとの部分)は従前から存在したのですが、中小企業には経済的影響が大きすぎることを懸念して適用が猶予されていました。

まだ先にはなりますが令和5年4月1日より同規定が中小企業にも適用されることになります。

働き方改革のポイント ハラスメント防止対策

働き方改革の一環として新設された条文として労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(以下では「労働施策総合推進法」)30条の2があります。

事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

労働施策総合推進法30条の2とは

同条はいわゆる「パワーハラスメント」に関するものです。

職場においてはパワハラが発生しやすい半面、何がパワハラかという判断が非常に難しく、今まで法の整備が追いついていませんでした。

働き方改革では、よりよい職場環境を目指してついにパワハラについても使用者の義務を法定化するに至りました。

同条の新設による変化

同条の新設により、まず(当然ですが)①職場はパワハラに関する相談窓口など体制の整備などをしなければならなくなりました。

さらに①によりパワハラが起こった場合で、使用者が特に措置を講じていなかった場合、使用者に対して直接損害賠償請求(民法415条1項)をしやすくなりました。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。