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フレックスタイム制の改正点を解説!制度をよく理解し使いこなそう

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • フレックスタイムとはいえ24時間いつでも働けるとは限らない
  • フレックスタイムのもとでは残業時間のカウント方法が異なる
  • 2019年の法改正により清算期間の上限が1ヵ月から3ヵ月に延長になった

フレックスタイムとは、一定期間においてあらかじめ定められた総労働時間の範囲内であれば、出社や退社、労働時間を自分で決められる制度です。フレックスタイムを活用すれば、ワークライフバランスや業務効率化・生産性の向上などの効果があるので積極的に利用したいところです。フレックスタイムは2019年4月施行の法改正により、一部制度に変更が加えられていることをご存知でしょうか?フレックスタイムをフルに活用するためには、最新情報を含めて制度をきちんと理解していることが前提になります。今回はフレックスタイムの基本事項や改正点を解説するのでぜひご一読ください。

フレックスタイム制の基本ルール

フレックスタイム制では、例えば1ヵ月間の総労働時間が160時間だと決まっている場合、その範囲内であれば1日10時間でも、1日6時間でも好きな時間働くことができます。

「今日は午前中の会議が済めば特にやることがないな」という日にフレックスタイムを申請し労働時間を短くすれば、平日の午後をプライベートな時間に当てられます。このようにメリットが大きなフレックスタイム制に関して、まずは基本的なルールを解説するのでぜひ確認してみてください。

24時間いつでも働けるとは限らない

好きな時間に働けるからといって24時間いつでも好きな時間を選べるとは限らないので注意してください。

基本的にフレックスタイムでは、1日の中で必ず勤務の必要がある「コアタイム」が設けられています。コアタイムの前後数時間に自由に勤怠時間が選べる「フレキシブルタイム」が設定されているので、こちらで労働時間の調整を利かせることになります。コアタイムの設定時間は企業によってまちまちです。

例えば、昼休憩ありで10時~15時までをコアタイムとした企業では、10時~15時の間は働かなければなりません。ただし、なかには全ての労働時間をフレキシブルタイムとするスーパーフレックスタイム制を導入する会社もあります。スーパーフレックスタイム制では、日単位で24時間いつでも好きな時間を出社時刻・退社時刻に設定可能です。ただし、スーパーフレックスタイム制を導入する会社はそう多くはないので、原則フレックスタイムでは、コアタイムという必ず働くべき時間が設けられていると覚えておきましょう。

フレックスタイムにおける残業時間の規制

フレックスタイム制のもとでも残業は発生することがあり、残業代の請求も可能です。しかし、通常の労働体系とは残業時間のカウント方法が異なるので注意してください。

通常ですと1日8時間・週40時間以上という法定労働時間を越えると、時間外労働となり1.25倍の割増賃金が適用されます(労働基準法32条・37条)。

しかしフレックスタイム制の場合、1日10時間働いても週45時間働いても、その時点でただちに時間外労働となるわけではありません。フレックスタイムを導入した場合、清算期間(フレックスタイムの基準期間)内の労働時間のうち、清算期間における法定労働時間の総枠を越えた労働時間を時間外労働とみなします。

例えば清算期間内の総労働時間が160時間であり、その期間内に180時間働いたケースでは、20時間分を残業時間としてカウントします。このように、フレックスタイムは労働時間を自分で設定できることもあり、残業時間について特殊なルールが適用されるので注意してください。

フレックスタイムでは自己管理が重要

フレックスタイムでうまく働くには自己管理能力が非常に重要です。というのも、フレックスタイム制は自由に働くことができる分、たるんだ状態になりがちだからです。元々フレックス制はデザイナーやエンジニア、研究者など個人で仕事ができる職業に向いていると言われていますが、上長などの監督の目がないと規律を保って働くことができないという人も多いです。フレックスタイム制は「自由が利くから最高の働き方だ!」と思っていても、実際に働いてみると向いていないなと感じるケースもあるので、用心してください。

フレックスタイムに関する法改正

2018年の第196回通常国会において成立した「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」のなかで、フレックスタイム制の見直しについても述べられています。端的に言えば、働き方改革をより推進するためにフレックスタイム活用の利便性を向上させようという改正です。ここでは具体的な改正内容を詳しく解説するので、ぜひチェックしてみてください。

清算期間の上限を3ヵ月に延長

従来は清算期間が1ヵ月間だったので、1ヵ月内でしか労働時間の調整ができませんでした。総労働時間を超える場合は残業代が支払われるのでまだ良いですが、総労働時間を越えないと逆に賃金がカットされる恐れがあるため、仕事が早く終わっても総労働時間に達するまで働くことを強いられるという負の側面が大きかったのです。清算期間の上限が3ヵ月と延長したことで月をまたぐ労働時間の調整が可能となり、より従業員の実態に即した柔軟な働き方が可能になります。最初の1ヵ月間で総労働時間を越えなくてもその時点で賃金がカットされることはなく、翌月もしくは翌々月で総労働時間を越えた部分と相殺が可能です。このため、特定の月だけ多く働く、もしくは働かない選択が可能になります。例えば子育て中のシングルマザーでは子供の夏休み中は労働時間を制限したいと感じる人も多いでしょう。また資格取得を目指している人は、勉強のために追い込みをかけたいケースも考えられます。さらに1ヵ月だけでも趣味に没頭して、リフレッシュしたいと思う労働者も少なくないものです。清算期間が延長したことでこのような要望を満たすことも可能になり、従業員がより柔軟に働くことができる環境が整備されたと言えるでしょう。

会社は繁忙期に偏った労働時間を設定することはできない

清算期間が1ヵ月を超える場合、以下の条件のいずれかを超えると時間外労働になります。

清算期間全体の労働時間が週40時間を超えないこと

1ヵ月ごとの労働時間が週平均50時間を超えないこと

前述した通り、清算期間全体で週の労働時間が法定労働時間内に収まっていれば、1ヵ月間で週40時間を超える月があっても、その時点では時間外労働とはなりません。しかし、この場合でも1ヵ月ごとの労働時間が週平均50時間を越えてしまうと、その時点で時間外労働になります。なぜなら、3ヵ月間で帳尻があえば良いからと繁忙月に偏った労働時間を設定するということがまかり通る恐れがあるためです。極端な話、月に200時間を越えて働いたとしても、翌月以降で閑散期により労働時間が減れば結局、残業代が1円も支払われない可能性もあります。このような会社にとって都合の良い働き方を強いられないために、1ヵ月ごとの労働時間が週平均50時間を超えると残業代を支払う必要があるという規定が設けられています。1ヵ月単位ではどんなに残業をしてもその時点では残業代を請求できないというわけではないので、会社に搾取されることが無いよう、この規定は頭に入れておきましょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。