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雇い止めとはどんな行為?雇い止めの撤回を求める方法を解説

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 雇い止めは会社が有期雇用契約の更新を断ることを指すが、状況によっては自己都合退職として扱われることがある
  • 雇い止めの有効性は、合理的な理由の有無や社会通念上の相当性で判断される
  • 過去に契約更新があり、通算の契約期間が5年を超えれば無期雇用に転換できる

派遣社員やパートタイマーなどの雇用形態は、契約期間があらかじめ決まっているのが特徴です。

そのため、契約期間の満了が近づくたびに、契約が更新されるかどうか不安になる方もいるのではないでしょうか。

雇い止めは正当と認められる場合と、そうでないケースがあります。

違法であるはずの雇い止めに泣き寝入りしないためには、雇い止めを撤回させる方法を知っていなければなりません。

そこで今回は、雇い止めが違法となるケースや、雇い止めされた場合の対処法を解説します。

雇い止めとは何か|雇い止めは法律上認められる?

どのようなケースが雇い止めになるのか、正確に理解できているでしょうか。

雇い止めはその後の生活を脅かしかねないので、こんなことが許されてよいのかと思う方もいるかもしれません。

そこで、雇い止めの意味や法的な取り扱いを確認しましょう。

正当な理由のある契約更新拒否は合法

雇い止めは使用者が期間の満了に際して、契約を更新しない旨の通知を行うことです。

雇い止めそのものは違法ではありません。

正社員など無期雇用の労働者を解雇する場合と同様、客観的に合理的な理由があれば有効と認められます。

  • 病気やケガで働けなくなった
  • 無断欠勤や遅刻を長期間繰り返した
  • 犯罪により会社の名誉に悪影響を与えた
  • 機密情報を漏らした

上記のような理由がなければ、更新の回数や手続きなど様々な要素から有効性が判断されます。

契約期間満了や解雇との違い

雇い止めは、契約期間終了時に離職することすべてを意味するのではないので注意しましょう。

例えば、繁忙期や季節限定の仕事のために契約期間を定めていた場合、期間満了の後に更新されなくとも雇い止めには該当しません。

また、解雇は契約期間の途中で有期雇用契約を打ち切ることです。

雇い止めによる離職は会社都合?

退職理由は会社都合と自己都合に分けられ、失業手当の受給条件が異なるので重要な問題です。

雇い止めは会社側が一方的に更新を断る事例が多いものの、会社都合退職になるとは限りません。

病気や家庭の事情など明らかに労働者側に理由があり、契約を更新しないことに同意している場合は自己都合扱いになることがあります。

どんな雇い止めが違法と判断される?

正当でない雇い止めは違法となり、更新を拒否されても引き続き職場に残れます。

それでは、どのようなケースが違法となるのか確認しましょう。

雇い止め法理とは

雇い止め法理は、使用者が契約更新の申し込みを「拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす」決まりです(労働契約法19条)。

前提として、雇い止めが違法となるには、労働者が会社へ契約更新または新たな契約締結を申し込まなければなりません。

必ずしも書面が交わされる必要はなく、雇い止めに反対する意思が会社へ伝わればよいとされています。

申し込みが行われた上で、雇い止め法理は次の2つの場面で適用されます。

  • 実質的に正社員の雇用契約と同一視できるケース(労働契約法19条第1号)
  • 更新を期待するだけの合理的な理由があるケース(労働契約法19条第2号)

雇い止めが違法となれば、使用者は契約更新の拒否ができません。

パートや派遣社員の契約4分類

パートや派遣社員などの有期雇用契約には、以下の4つのタイプがあります。

①純粋有期契約タイプ

②実質無期契約タイプ

③期待保護(反復更新)タイプ

④期待保護(継続特約)タイプ

①は臨時的な業務や双方が契約終了を認識している場合など、当然更新されないケースです。

雇い止め法理は適用されません。

②は無期雇用と同視できる状態になっている場合を指します。

③は更新が繰り返され、④は原則として更新する前提で契約を結んだケースです。

②~④のタイプについては、雇い止め法理が適用される可能性があります。

雇い止め法理の適用を判断する基準

雇い止め法理を適用すべき場面か否かを判断するため、次の6つのポイントが総合的に考慮されます。

①業務内容

②更新の回数

③通算の雇用期間

④契約更新の手続き方法

⑤雇用継続の期待を持たせる言動・制度

⑥労働者が契約継続を期待することの相当性

①は臨時・補助的な業務か、基幹的な業務であるかが重要です。

基幹的な業務に携わっているのであれば、雇い止めが違法となる可能性が上がります。

②③については、過去に契約の更新が繰り返されており、契約期間が長いかどうかが雇い止め法理の適用判断に重要です。

④は更新手続きが形式的なものとなっていたり、契約書がないなどずさんでないかが考慮されます。

⑤⑥については、会社の担当者による更新を期待させる言葉や、他の有期契約労働者の更新状況が判断のポイントです。

無期雇用への転換には何が必要?

有期契約を結んで働いている労働者には、無期契約に転換するチャンスがあります。

より安定した働き方を実現するために、どのような条件があるか把握しましょう。

無期転換ルールとは

無期転換ルールは有期契約労働者の生活水準を改善し、労働人口の減少に対応するため2013年に施行されました。

同一の企業で有期契約の更新を繰り返し、契約期間が一定の基準を超えれば期間の定めがない雇用形態に転換できる制度です。

なお、派遣社員の場合は、同一企業の同一部署で3年までしか就業できないというルールがあります。

3年を超えて働かせる場合は直接雇用などの措置を採らなければならないため、5年未満で無期雇用の労働者となるのもよくあるケースです。

無期雇用へ転換するための条件

無期契約に転換する条件は、通算契約期間が「五年を超える労働者が、当該使用者に対し(中略)期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす」と規定されています(労働契約法18条第1項)。

つまり、無期雇用に転換するための条件は以下の3つです。

  • 同一の企業との契約期間が5年を超える
  • 最低1回は更新されている
  • 契約期間中に企業に転換を申し込む

申し込みを受けた企業は、無期転換を拒否することができません。

雇い止めを撤回させるにはどうする?

現実に雇い止めを告げられてしまい、困っている方もいるかもしれません。

そこで、引き続き同じ会社で働き続けるためにすべきことを解説します。

雇い止め理由の証明書発行を依頼

相談先で雇い止めの理由を示すために、会社に雇い止め理由の証明書を発行してもらいましょう。

会社は労働者から雇い止め理由証明書を求められた場合、必ず発行しなければいけません。

そのため、よほどずさんな会社でなければ、依頼すれば速やかに発行してもらえるでしょう。

雇い止め法理適用を主張する資料の収集

労働審判の場などで雇い止めの違法性を主張するために、以下のような証拠を揃えておきましょう。

①従事している業務や更新手続きについて分かるもの

②契約期間や更新回数を示せるもの

③他の労働者の更新状況が分かるもの

④雇い止めに関して職場の担当者とやり取りしたメール

⑤更新を期待させるような言動があった証拠

有期雇用の契約書には、担当業務や契約更新について記載されていることが多いです。

そのため、①については契約書を用意するとよいでしょう。

労働審判など法律的な手続きを進めるにあたって、証拠は必要不可欠です。

客観的な証拠が多ければ多いほど、その後の交渉が有利に進みます。

労働基準監督署や弁護士に相談

雇い止めに納得がいかなければ会社に主張するという方法もありますが、聞き入れられる可能性は低いでしょう。

そこで、労働基準監督署に相談するのがおすすめです。

契約の手続きが違法であれば、会社に是正勧告を行うことがあります。

ただし、雇い止め自体の違法性を判断する機関ではなく、労働者個人のために会社に交渉することもありません。

雇い止めの違法性を主張するには、弁護士への相談がおすすめです。

会社との直接交渉を行ってくれるだけでなく、労働審判や裁判の場でも手続きをスムーズに進められるでしょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。