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会社都合退職のメリット・デメリットは何なのか?会社側の視点も解説

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 会社都合退職の場合は失業給付を早く、長期間受け取れる
  • 企業にとっては会社都合退職はデメリットが多い
  • ハローワークに申告すれば自己都合を会社都合に変更できる

「会社都合退職は、会社にとってどんなデメリットがあるのだろう?」

「会社都合なのに自己都合での退職ということにされてしまわないか不安…」

退職の種類について、このような疑問や悩みを抱えていませんか?

基本的に、労働者にとってメリットが大きいのは会社都合退職です。

もし会社から自己都合退職にするよう促されたとしても、怯えずにきちんとした対応をとるようにしましょう。

今回は会社都合退職と自己都合退職の違い、企業にとっての会社都合退職のデメリット、そして会社が不当に自己都合退職として申告した場合の対処法について解説します。

会社都合退職と自己都合退職の違いとは?

「会社都合退職」と「自己都合退職」の意味は何となく分かっていても、両者の違いをはっきりと理解していない方が多いです。

まずは、それぞれの概要をメリット・デメリットとともに見ていきましょう。

会社都合退職の概要と特徴

会社都合退職とは、会社側の理由によって労働契約が解除される、労働者の責任によらない退職のことです。

会社都合退職となる主なパターンとしては、次のようなものがあります。

会社の倒産

事業所の移転

会社の業績悪化による解雇

職場でのいじめ・嫌がらせ・セクハラによる退職

会社の給与支払いの著しい遅延又は給与未払いによる退職

会社都合退職では労働者の意思に関わらず退職が余儀なくされるため、その生活を支える十分なサポートが必要です。

それゆえ、会社都合退職者は休業保険給付において自己都合退職者よりも優遇されれるというメリットがあります。

具体的には、失業給付を受け取るまでの2か月の給付制限がなく、待期期間である7日間だけ待てば給付金を受け取ることが出来ます。

さらに給付期間も最大で330日となり、自己都合退職の場合の最大150日と比較するとかなり長い間受給することが可能です。

一方で、デメリットとしては退職後の就職活動の際に、会社都合退職であることを理由に採用されづらくなるということがあげられます。

これは退職理由が解雇であった場合、その労働者自身に何か問題があるのではないかと疑われる可能性があるからです。

自己都合退職の概要と特徴

自己都合退職は、労働者が様々な事情により自らの意思で会社を辞するケースのことを指します。

自己都合退職の主なパターンには、以下のようなものがあげられます。

引っ越しにより退職

家族の介護により退職

結婚・出産・育児により退職

大学・大学院への進学により退職

より良い労働条件を求めて転職・起業

自己都合退職であれば、その後の活動や転職に向けてしっかりと準備しておくことが出来ます。

退職理由がはっきりとしていることが多いため、就職活動の際に履歴がネックとなる可能性は低いでしょう。

ただし、失業保険給付に関しては会社都合退職の場合と比べると支給額が低くなる傾向があります。

また、会社から受け取れる退職金も減額される場合が多いです。

企業にとっての会社都合退職のデメリットとは?

ここまで、会社都合退職が会社側の事情によって生じ、自己都合退職は労働者の事情によって生じるということを確認しました。

しかし、様々な理由のために、多くの企業は会社都合退職が発生することを避けたいと考えています。

ここからは、会社都合退職で企業が受けるデメリットについて見ていきましょう。

会社に助成金が支給されなくなる

企業が会社都合退職を避けたがる大きな原因は、一定の間助成金を受給できなくなることです。

ここでの助成金は、厚生労働省から各事業主に支給される、雇用の維持・促進のための補助金のことを意味します。

雇用に関連する主な助成金には、次のようなものがあります。

キャリアアップ助成金

トライアル雇用助成金

労働移動支援助成金

中途採用等支援助成金

障害者雇用安定助成金

これらの助成金に共通しているのは、直近の6か月間で会社都合による退職者がいる会社は支給対象にならないという点です。

継続して助成金を受給していた企業にとって、支給が止まってしまうことは大きな痛手となります。

解雇予告手当や賠償金を支払う場合も

事業主は30日前までに解雇予告をせずに労働者を解雇する場合、解雇予告手当を支払う義務があります(労働基準法第20条)。

会社の都合で労働者を解雇しなければならないような切迫した状況下で解雇予告手当を支払うのは、会社側の大きなデメリットになるといえます。

また、労働者が納得できない形で強引に解雇すると、訴えを起こされて賠償金の支払いを命じられる可能性も否定できません。

会社側の理由で社員をクビにすると、その分大きなリスクを背負うことになるのです。

会社から自己都合退職にするように求められたら?

ここまで、企業にとって会社都合退職はデメリットが多いことを確認しました。

こうした背景もあり、企業は労働者に対して、会社都合退職であっても自己都合での退職ということにするよう促す場合があります。

そこで最後は、会社から不当に自己都合退職にするよう求められたときの対処法について見ていきましょう。

自己都合退職の意思がないことを伝える

会社の事情がどうであれ、自己都合退職に変える必要は全くありません。

上司に対して、はっきりと自ら退職する意思はないということを伝えておきましょう。

また、会社都合退職の場合は、基本的に退職届を提出しません。

会社から提出を求められたとしても、自己都合退職扱いにされてしまう可能性もあるので断るようにしましょう。

会社の規定でどうしても退職届を提出しなければならない場合は、「一身上の都合により」とは書かず「貴社、退職勧奨に伴い」と会社都合退職であることが明確に分かる文面にしておくのがベターです。

総合労働相談コーナーに相談・申告する

行政機関に相談したいと考えている人は、全国の労働局や労働基準監督署に設置されている総合労働相談コーナーに問い合わせるのが良いでしょう。

ここでは、会社の不当な対応や今後の手続きについての相談を無料で行うことが可能です。

また、「あっせん」という制度を利用してトラブルの解決を図ることも出来ます。

あっせんは紛争調整委員会が労働者と会社の間に入って話し合いを促進する制度で、裁判を起こす場合に比べて簡便かつスピーディな解決が望めます。

ハローワークで会社都合に変更できる

退職時に自己都合退職として処理されてしまった場合でも、適切な手続きをすれば後から変更することが可能です。

ここでは、会社都合退職であったことの証拠を離職票とともにハローワークに提出することが必要です。

会社都合退職の原因にも様々な種類がありますが、それぞれに対して次のようなものがその証拠となりえます。

事業所の移転:移転通知や移転後の通勤で利用する交通機関の時刻表

給与支払いの遅延及び未払い:賃金規定や給与明細、預金通帳等

長時間残業:タイムカードや残業を指示する音声・メール

いじめ・嫌がらせ・セクハラ:防犯カメラの映像や本人がつけた記録

こうした証拠をもとにハローワークが会社都合退職であると認定すれば、早期に失業給付を受給することが出来ます。

ただし、自己都合退職であるのに、失業給付目当てで無理やり証拠を集めて会社都合退職扱いにしようとすることは絶対に避けるようにしましょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。