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休業補償はいつもらえる?給付期間や金額について解説

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 休業補償は労災による病気やケガで働けず、賃金の支給を受けていない場合に受給できる
  • 休業補償は休業期間の4日目から、原則として療養が終わるまで支給される
  • 休業補償には休業特別支給金が上乗せされるため、休業期間の賃金の8割を受給できる

業務に関連してケガや疾病などの災害を被った場合、しばらく働けなくなる可能性があります。

労災と認定されれば、労災保険により休業補償の受給が可能です。

休業補償の給付を受ければ療養中の生活を守れますが、いつからいつまで受給できるのか分からず不安な方もいるかもしれません。

また、もらえる金額も気になるのではないでしょうか。

そこで今回は、休業補償の受給期間や金額について解説しますので、もしもの時の生活設計に役立ててくださいね。

休業補償とは|労災で働けなくなったらどうする?

休業補償は業務中にケガをしたからと言って、誰でももらえるわけではありません。

まずは、休業補償の目的や支給されるための条件を確認しましょう。

休業補償の目的

労災保険の休業補償は、仕事中または通勤中にケガや病気に見舞われ、働けなくなった場合にもらえる給付金です。

療養期間中の労働者の生活を保護することを目的としています。

休業補償は賃金ではなく国からの補償なので、税金は課されません。

休業補償は、就業中の災害で休業した場合に支払われる「休業補償給付」と、通勤中の災害が対象の「休業給付」の2種類に分かれます。

休業の類型

休業は労働者が何らかの理由で業務を休むことを指し、次の4つに大別されます。

①労働災害

②自己都合

③会社都合

④天変地異

①のみが休業補償の支給対象になる休業種別です。

②は労災以外のケガや病気のほか、育児休暇や介護のための休暇などが該当します。

③は設備の故障による操業停止やストライキなど、会社側に原因がある休暇です。

④は地震や台風などの天災により休業せざるを得ないケースです。

休業補償の支給条件

休業補償の給付を受けるには、以下の3つの条件を満たさなければなりません。

  • 業務上または通勤中の疾病や負傷が原因である
  • 働けない状態にある
  • 賃金の支給を受けていない

なお、全く仕事ができない状態だけでなく、通院のために週1日だけ仕事を休むなどの場合も給付を受けられます。

休業補償を受給できるのは正社員だけではなく、契約社員やアルバイトなどすべての従業員が受給可能です。

派遣社員の場合は、あくまで派遣会社のスタッフのため、派遣元の労災保険により支給されます。

休業手当との違い

休業手当は会社の都合で仕事を休んだ際に、国ではなく会社が従業員に支払う手当です。

休業補償と同じく、あらゆる雇用形態の従業員が受給できます。

労災保険に関連した制度ではなく、受給のための申請は不要です。

ただし、賃金として扱われるため所得税が課されることに注意しましょう。

休業期間中、賃金の6割以上が支給されます。

休業補償を受給できる期間は?

休業補償の給付を受ける条件を満たしても、会社に復帰するまでもらい続けられるか心配な方もいるでしょう。

そこで、休業補償を受給できる期間や受給開始までの流れを解説します。

休業補償の支給対象期間

休業補償は休業開始後4日目から支給対象となります。

3日目までは待期期間とされ、休業補償の給付はありません。

しかし、業務災害の場合は「労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の百分の六十の休業補償を行わなければならない。」と規定されており、会社から賃金の6割以上が支給されます(労働基準法76条)。

その後、基本的にはケガや疾病が完治すれば支給終了です。

なお、待期期間は土日など会社が休みの日も含めてカウントされます。

事故が起きた当日の所定労働時間中に病院へ行けば、その日から休業を開始したとするのが休業補償の考え方です。

通院のタイミングが所定労働時間外なら、当日は休業期間には含まれません。

そのため、翌日から休業を開始したものとして扱われます。

支給が打ち切りになる条件

次の3つのいずれかに該当すれば、休業補償の給付が終了します。

①ケガや疾病が治った場合

②医学的に認められた治療を施しても、その効果が期待できない場合

③療養を始めてから1年6ヶ月が経過し、残った症状が障害等級第1~3級に当てはまる場合

②は「骨折自体は治ったものの、まだ傷みがある」などのケースです。

休業補償の考え方としては、治癒したとみなされます。

その後の症状が障害等級第1~7級に該当するなら、障害(補償)年金を受給可能です。

③については休業補償が傷病(補償)年金に切り替わることとなり、引き続き補償金を受給できます。

支給開始までの流れ

会社の労務担当者が「休業補償給付支給請求書」に必要事項を記入し、従業員に送付します。

書類が届いたら、診察を受けた病院の証明をもらい、会社の住所地を管轄する労働基準監督署に提出しましょう。

審査が完了すると支給決定の通知書が届き、支給手続きが完了すると補償金が振り込まれます。

休業補償は休業期間の4日目から支給対象になりますが、4日目に実際に振り込まれるケースは稀です。

手続き完了までに数週間から1ヶ月以上かかる場合もあります。

受給期間中に退職したら?

休業補償を受給する権利は、退職が原因で消滅することはありません。

受給している間に退職しても、休業補償の給付は継続します。

また、給付の申請が退職後になっても問題ありません。

ただし、休業補償を請求する権利には2年の消滅時効があります。

休業補償はいくらもらえる?

休業補償の受給期間のほかに気になるのは、もらえる金額ではないでしょうか。

そこで、休業補償をいくら受給できるのか解説します。

休業補償の給付金額

休業補償は1日単位で支給される給付金です。

休業補償の受給資格者は次の2つに区分され、給付金額の計算方法が異なります。

①全部労務不能:所定労働時間内の一切の業務ができない

②一部労務不能:所定労働時間の一部のみ働けない(通院を要する場合など)

受給額を計算するにあたり、給付基礎日額(直近3ヶ月間の賃金を暦日数で割った金額)の算定が必要です。

①の場合は、給付基礎日額の60%が振り込まれます。

②の場合は、給付基礎日額から働いた時間に対する賃金を差し引いた額の60%が1日の補償額です。

いずれも、労働福祉事業として休業特別支給金が上乗せされて支給されます。

金額は給付基礎日額、または働いた時間に対する賃金を差し引いた額の20%です。

したがって、休業補償を請求すると、実質休業した期間の賃金の80%がもらえます。

休業補償の金額計算方法

10月の始めに休業に入り、直近3ヶ月の賃金の合計を80万円とします。

直近3か月(7~9月)の暦日数は92日なので、1日あたりの賃金は80(万円)÷92(日)≒0.869565(万円)=8,695.65(円)です。

1円未満を切り上げ、給付基礎日額は8,696円となります。

そのため、休業補償は8,696(円)×0.6=5,217.6(円)、休業特別支給金は8,696(円)×0.2=1,739.2(円)です。

それぞれ1円未満を切り捨て、1日あたり5,217(円)+1,739(円)=6,956(円)が給付されます。

支給を制限する条件

刑務所や少年院またはそれに相当する施設に入っている場合、休業補償は受けられません。

また、以下の2つに該当する場合、休業補償が減額されます。

①犯罪を起こそうという意思で行動した結果のケガや疾病

②医師の指示に背き状態が悪化するなど、正当な理由なく療養が長期に渡る場合

①のケースは3割減額、②のケースは10日分減額されます。

また、一部労務不能者の場合は給付額以上の給与が出た日があれば、該当する日の給付はありません。

有休は取得できる?

休業補償を受けている期間も有給休暇の取得は可能です。

ただし、有休を取った日は休業補償の給付がなくなるので注意しましょう。

なお、休業補償を受ける場合の給付額は給付基礎日額の80%ですが、有休を取得すれば賃金が満額もらえます。

また、休業補償は申請から振り込みまでにタイムラグがありますが、有休の場合は通常どおり給料日に振り込まれます。

有給休暇は職場に復帰した時のために残すのがおすすめですが、収入を下げたくない場合は有休を取るとよいでしょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。