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会社から雇用契約書をもらえない!違法性と対処方法を解説

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 雇用契約書が交付されなくても会社に違法性はない
  • 労働条件通知書を会社が交付しないことは違法
  • 労働条件通知書は書面の他にSNSや電子メールでも交付可能

入社時に雇用契約書を会社が交付するのが一般的ですが、中には雇用契約書を交付しない会社もあります。

もし、あなたが入社時に雇用契約書を会社から交付されなかったら、違法なのではないかと疑問に思われるかもしれません。

今回の記事では、雇用契約書を交付しない会社の違法性や労働条件通知書といった労働条件を記載した書類や電子メールを交付しない会社への対処法について解説します。

雇用契約書を交付しない会社は違法?

雇用契約書を発行しない会社に違法性はあるのかについて確認しましょう。

雇用契約書は交付されなくても違法ではない

雇用契約書とは、会社が労働者を雇用する際に交付する勤務時間や給与などの労働条件について記載された書面のことです。

雇用契約書によって、会社と労働者の間で雇用契約の内容について合意があったことが証明されます。

この雇用契約書ですが、実は会社側に交付義務はありません。

労働契約法第4条2項には、「労働契約の内容はできる限り書面により確認するものとする」と記載されています。

つまり、書面の方が望ましいですが、書面の交付は義務ではないので雇用契約書を交付しない会社に違法性はないということです。

労働条件通知書も交付されていない場合は違法

では、雇用契約書に記載されている給与や労働時間・休日などといった労働条件を、一切書面や電子メールなどで交付しないことは違法ではないのでしょうか。

結論から申し上げると、労働条件を一切書面や電子メールなどで交付しないことは違法です。

会社は労働契約の締結の際は、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならないと労働基準法第15条1項に記載されているからです。

また、労働基準法施行規則第5条4項では、労働条件の明示は書面での交付によるものと定めています(労働者が希望した場合は、FAXや電子メール・SNSでも可能)。

労働条件が明示された書面とは、「労働条件通知書」があげられます。

労働条件通知書とは、雇用契約を結ぶ際に会社から労働者に明示する義務のある労働条件を通知する書面のことです。

つまり、「雇用契約書」自体は交付されなかった場合でも違法とはなりませんが、労働条件を明示する「労働条件通知書」も交付されていない場合は、会社側の違法行為となります。

労働条件が書面にて明示されなかった場合は、労働基準法第120条1号に則り30万円以下の罰金が会社に処されます。

また、明示された労働条件が事実と違った場合、労働者は会社に対して即時解除権(労働基準法第15条2項)や帰郷旅費請求権(労働基準法第15条3項)を行使できます。

労働条件通知書の絶対的明示事項

会社は、下記の5つの労働条件については労働者に対して、書面での明示が義務付けられています(労働基準法施行規則第5条1項1号ないし4号)。

これらを「絶対的明示事項」といいます。

①労働契約の期間に関する事項

契約社員など、期間の定めのある雇用契約の場合は、その期間を明示されている必要があります。

正社員など、期間の定めのない雇用契約の場合は、期間の定めがないことを明示されていなければなりません。

②就業場所や業務の内容に関する事項

就業する場所や従事する業務の内容は明示されている必要があります。

③労働時間に関する事項

労働時間に関する明示事項は以下の通りです。

  • 始業、終業時間
  • 残業の有無
  • 休憩時間
  • 休日の日数
  • 休暇(年次有給休暇や育児休暇、特別休暇など)

なお、シフト制を導入している会社は、交代の期日や時刻・順序などといった就業時転換に関する事項を明示する必要があります。

④賃金に関する事項

賃金については、以下の項目が記載義務となります。

  • 毎月の基本給の金額
  • 残業代や休日出勤などの計算方法
  • 給与の締め日や支払い日

⑤退職に関する事項

退職手続きの方法や解雇の理由などを明示する必要があります。

労働条件通知書の相対的明示事項

書面での明示が義務とされる「絶対的明示事項」以外に、「相対的明示事項」があります。

相対的明示事項とは、会社が定めていれば明示しなくてはならない労働条件ですが、明示方法は「口頭」でも可能です。

相対的明示事項は、下記の事項があげられます。

①昇給に関する事項

②退職金に関する事項

③臨時に支払われる賃金や賞与に関する事項

④労働者が負担する食費や作業衣、作業用品などに関する事項

⑤安全および衛生に関する事項

⑥職業訓練に関する事項

⑦災害補償および業務外の傷病扶助に関する事項

⑧表彰、制裁に関する事項

⑨休職に関する事項

労働条件通知書がない場合に起こりうるトラブル

p労働条件通知書がない場合に起こりうる会社とのトラブルは以下の通りです。

  • 事前に口頭で伝えられた給与よりも低い給与が支給された
  • 残業はないと聞いていたのに、実際は長時間残業を強いられた
  • 休日は週休2日と伝えられていたのに、週1日しか休みがなかった
  • 試用期間が事前に説明された期間より長かった

書面での通知がない場合、会社から事前に伝えられていた労働条件と実際の労働条件が異なっていたとしても、元々伝えられていた労働条件を証明するものがないケースが多いため不利になりがちです。

そのため、労働条件通知書は必ず交付してもらいましょう。

労働条件通知書がもらえない場合の対処法をこれから解説します。

労働条件通知書をもらえない場合の対処法

上記の通り雇用契約書を会社が交付しないことは違法ではありませんが、労働条件通知書を交付しないことは違法です。

では、労働条件通知書も交付しないといった違法行為を会社がしている場合、どのような対処法をとればいいのでしょうか。

会社に作成するようにお願いする

小さな会社などは、経営者が労働条件通知書や雇用契約書についてあまり詳しく理解されていない場合があります。

そのような場合は、単に知識がないだけなので会社に労働条件通知書や雇用契約書の作成をお願いすれば、すんなりと作成してくれることもあります。

また、交付することを忘れていたというケースもありますので、まずは会社に労働条件通知書や雇用契約書の作成をお願いしてみましょう。

労働基準監督署に相談する

会社に労働条件通知書や雇用契約書を交付するようお願いしても聞き入れてもらえなかった場合は、労働基準監督署(労基署)に相談しましょう。

労基署とは、管轄内の会社が労働基準法に違反していないかどうかチェックを行なっている機関です。

労働条件通知書を交付しないことは上記でも述べた通り、労働基準法違反なので労基署への相談は有効です。

労基署に相談して、労基署が問題ありと判断すると会社に対して立ち入り調査を行います。

そして、立ち入り調査により問題が発覚したら是正指導・勧告を行なってくれます。

是正指導・勧告自体には強制力はありません。

しかし、悪質な場合は、経営者を逮捕することもできる司法警察としての側面も労基署にはあります。

そのため、労基署から是正指導・勧告を受けたら、会社は速やかに対応してくれることも多いです。

労働トラブルに詳しい弁護士に相談する

労働条件通知書をもらえないことが原因で、既に労働トラブルが発生している場合は、労働トラブルに詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談するメリットは、弁護士があなたの代わりにほとんどのことを代理人として行ってくれることです。

労働トラブルによっては、解決金や損害賠償金が

発生することもあります。

例えば、給与が口頭で伝えられていたよりも低い額が支給された場合、口頭でも契約は成立するため差額分の給与を請求することが可能です。

しかし、ご自身で会社に差額分を請求しても、このようなケースは証拠がないことが多く回収するのは非常に難しいです。

弁護士に相談することによって、どのようなものが証拠になるか、また今後の見通しも立てることができます。

初回相談料は無料の弁護士事務所も多いので、労働条件通知書がないことが原因でトラブルが発生している場合は、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。