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アルバイトは正社員と同様に休業手当をもらえるのか

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • そもそも休業手当とは会社の落ち度により休業させられた場合に支払われる手当
  • 休業手当の金額は平均賃金の6割以上で、アルバイトでも受け取ることができる
  • もらえない場合の対処方法として、労働監督署へ電話する等の方法がある

アルバイトをしているあなたが、

「お店の機械が故障して営業ができなくなったから、今日はもう帰ってもいいよ」

「明日お店休みにするから、シフトはお休みで」

などといわれた場合、どうしたらいいでしょうか?

アルバイト代を生活費としている方は特に困ってしまいますよね。

正社員の場合は固定給をもらっているのに、アルバイトの場合は休んだ分だけ給料が減ってしまいますので、不公平だと感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、休業手当の意味や、一方的にアルバイトを休むよう要請された場合の対処法を解説します。

そして、現在特に問題となっているコロナ禍の緊急事態、といった有事の場合の休業手当の運用についても触れます。

休業手当の意味|アルバイトも休業手当はもらえるのか?

休業手当と聞いて、みなさんはどのようなイメージを持ちますでしょうか。

休業手当とは、従業員が会社の都合で休ませられた場合に、支払われる手当のことです。

簡単に言うと、会社の都合によって従業員を休ませた場合は、その分の埋め合わせとしてお金を払わなければいけない、ということになります。

休業手当の権利…法律上の根拠

労働基準法26条において、

「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。」

と定められています。

このように、労働基準法26条によって、会社側が休業手当を支払う義務が定められています。

突然の一方的な休業要請を受けた場合には、従業員の働く機会が奪われ生活が不安定なってしまうことから、これを防ぐために休業手当という制度が保障されています。

アルバイトは含まれるのか

労働基準法9条

この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。

休業手当の支払い対象となる「労働者」には、パートや契約社員などすべての従業員が含まれています。

そのため、たとえアルバイトであっても休業手当の対象となります。

休業『手当』と休業『補償』の違い

休業補償とは、仕事中に起きた事故で怪我をしてしまったり、仕事が原因の病気などによって仕事に支障が出てしまい給料がもらえなくなったり、減ってしまった場合に支払われます。

また、休業補償は労災保険から支払われるものです。

つまり、金銭が支払われる原因・会社と労災保険どちらから支払われるかという点で異なります。

休業手当をもらうための条件|具体的な計算方法

では、実際に休業手当をもらうためにはどうすればよいのでしょうか?

また、休業手当をもらえるとして、具体的にいくらもらえるのでしょう。

具体的な計算方法を知っておくと、自分が実際にいくらもらえるのかわかるので、不安も解消されることでしょう。

また、会社の上司やお店の店長に対して交渉する際にも役に立つので、ここでしっかりと計算できるよう準備しておきましょう。

休業手当をもらうためには

まず、休業手当をもらえるためには条件が必要になります。

先ほども紹介したように、労働基準法26条において

「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。」

と定められています。

ここでの『使用者の責に帰すべき事由』が条件となります。

『使用者の責に帰すべき事由』とは、地震や災害など不可抗力による場合を除いた会社側の落ち度をいいます。

たとえば、材料が足りなかった場合や、工場の機械が壊れてしまったなどの理由によって休業をせざるを得なかった場合などのことをいいます。

コロナ禍の緊急事態時の休業手当

コロナ禍による緊急事態宣言の場合は「災害」に含まれるかは、実ははっきりしていません。

仮に、「災害」と認定されれば、『使用者の責に帰すべき事由』の条件を満たさず、休業手当が支払われないことになります。

この点について、厚生労働省は「事業者が休業手当を支払うべきか否かは個別判断であり、労働基準監督署に問い合わせる必要がある」と一定の見解を述べています。

そのため、政府の見解がはっきりしない現状では、個別のケースによる判断が必要になるため、労働基準監督署に問い合わせるほかありません。

世間での病気などの流行によっては特別な通達がくだされる場合もあるため、その都度政府の見解をチェックする必要があります。

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金

コロナ禍の下、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金という制度が新しくできました。

これは、新型コロナやその伝染防止のため休業させられた中小企業の労働者のうち、休業中に賃金または休業手当を受けることができなかった方に対して、労働者が申請することで支援金を送るという制度です。

つまり、賃金または休業手当を受け取れなかった従業員への救済手段です。

具体的な内容は以下の通りになります。

■対象者

令和2年4月1日から12月31日までの間の事業主の指示を受けて休業(休業手当の支払なし)した中小企業の労働者

■支援金額の算定方法

休業前の1日当たり平均賃金×80% × (各月の日数(30日又は31日)-就労した又は労働者の事情で休んだ日数)

※1日当たりの支給額は11,000円が上限となる

休業手当の計算方法

基本的な計算方法については、以下の通りになります。

※なお、ここでは計算が複雑になるため、時給制のアルバイトを想定した場合の計算方法のみ紹介します。

■ケース1(丸一日休んだ場合)

休業手当は、休業日ごとに「1日あたりの平均賃金の6割以上」を支払う必要があります。

ここで、平均賃金は「過去3か月の賃金総額をその期間の総日数で割った金額」が原則とされています。

もっとも、上記の計算方法だと時給制で労働日数の少ないアルバイトの方の平均賃金が低くなりすぎる可能性があります。

そのため、「直近3か月の給料の合計÷その期間の勤務日数×0.6」が最低保障金額となり、この金額が原則の金額を上回る場合は最低保障金額が平均賃金となります。

■ケース2(やむをえず早退した場合)

実労働時間×時給が平均賃金の60%未満の場合のみ休業手当が差額分支払われます。

例えば、時給1000円、平均賃金8000円のアルバイトの人だと、休業手当(平均賃金の60%)は4800円となります。

普段なら9:00~18:00まで8時間(実労働時間)働いている上記のアルバイトが、

  • 9:00~12:00まで3時間のみ働いた場合、現実に就労した分の賃金が3000円と平均賃金の60%未満もらえます。
  • 9:00~15:00まで5時間(実労働時間)のみ働いた場合、現実に就労した分の賃金が5000円と平均賃金の60%以上になるので休業手当はもらえません。
  • 休業手当をもらえないときの対処法|誰に相談をすればよいのか

実際に、法律上もらえることになっているといっても、誰にどのようにして交渉すればよいかわからないことも多いと思います。

アルバイトという立場で、上司に対して「法律上こうなっている」と申し付けることはとても勇気のいることです。

そこで、今まさに休業要請を受けており、どうしたらよいかわからないという方の対処方法を紹介します。

ここでは、あくまで交渉の一例の紹介に過ぎないので、こういった方法もあるんだ、という参考にしていただければ幸いです。

労働監督署に相談する

労働監督署は、その業務の内容に

  • 賃金不払、解雇事案など、一般労働条件の確保・改善対策の推進

があります。

会社所在地を管轄する労働基準監督署に一度お電話してみると、窓口の専門家に相談に乗ってもらうことが可能ですので、ぜひお困りの方は相談してみてください。

休業に関する証拠をおさえておく

「法律上、自分にはこういった権利がある」といっても、現実問題としてそれを証明できるものがなければ泣き寝入りせざるを得ません。

上司などから「合意のもとシフトを組んだのだから、文句は言えないだろう」といわれた場合に、そうではなく一方的に休業要請をしてきたという証拠があればのちに交渉しやすくなります。

例えば、シフトの申請書をあらかじめ写真に撮っておく、LINEでのやりとりの履歴はとっておく、といった方法が考えられます。

上司に相談してみる

上記の方法があるものの、一番穏当な方法は信頼できる上司に一度相談してみることだと思います。

いままでアルバイトでお世話になっている以上、ある程度の信頼関係があるでしょう。

それにも関わらず、いきなり「法律上こうなっているのでお金を払ってください」というのは、相手もびっくりしてしまい、うまく交渉できる話もせきなくなってしまいかねません。

まずは一度、相談してみるのが交渉としては穏当でよいのではないでしょうか。

その際には、アルバイトの方は上司の圧力に負けないように、休業手当の制度を知っておくと心強いので、ぜひ休業手当の仕組みを今一度おさらいしてみてください。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。