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ハラスメントの被害者を救済する法律について確認しよう

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 直接ハラスメントを規制しているのはセクハラ・マタハラ・パワハラ
  • ハラスメントの慰謝料請求は民法に規定されている
  • 損害賠償などを請求する手続きの法律として民事訴訟法・民事執行法がある

ハラスメントの被害を受けていてなんとかしたい場合に、法律的な手段によってどのようなことができるのでしょうか。

ハラスメントについての法律には、ハラスメントそのものを禁止する法律や、ハラスメントの被害にあった場合にどのような請求をすることができるのかを規定した法律、損害賠償などの請求権を請求するための手続きに関する法律などがあります。

このページでは、ハラスメントに関する法律についてお伝えします。

法律でハラスメントについて直接規定されているものは3つ

まず、ハラスメントについて法律で禁止しているものには、セクハラ・マタハラ・パワハラがあります。

セクハラ

セクハラとはセクシャル・ハラスメントを省略したもので、労働条件について不利益を受けたり、労働者の就業環境が害される性的な言動のことをいいます。

男女雇用機会均等法11条は、会社でセクハラをしないように、会社は体制を整備するなどして、雇用管理上必要な措置を講じなければならないとしています。

会社がセクハラの防止を行わないときには、行政処分を行うことができ(男女雇用機会均等法29条)、勧告に従わない会社については実名公表することができることになっています(男女雇用機会均等法30条)。

マタハラ

マタハラとはマタニティ・ハラスメントを省略したもので、女性が妊娠・出産をしたことを理由とする嫌がらせをいいます。

マタハラについては、男女雇用機会均等法9条3項が、妊娠・出産を理由とする降格・減給・解雇などの不利益な行為を禁じています。

また、男女雇用機会均等法11条の3は妊娠、出産等をしたことに関連した言動によって、その労働者の就業環境が害されないように雇用管理上の措置をとらなければならない、としています。

また、育児・介護休業法10条は、育児休業を申し出たり・育児休業をしたことを理由に解雇その他の不利益な取扱いをすることを禁止しています。

男女雇用機会均等法11条の3の措置に違反して会社がマタハラを行っている場合にも、行政処分を行い、勧告に従わない場合には実名公表をできる点は同様です。

パワハラ

パワハラとは、パワー・ハラスメントの略で、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されるものを言います。

労働施策総合推進法、いわゆるパワハラ防止法30条の2第1項において、会社はパワハラが発生しないように雇用管理上必要な措置をとるべきことを規定しています。

会社がパワハラを防止しないような場合には、行政指導をすることができることになっており(パワハラ防止法33条1項)、勧告をしたにもかかわらず従わない場合には実名公表をすることができます(パワハラ防止法33条2項)。

ハラスメントの被害救済のための法律

ハラスメントを直接定めた法律は、会社に義務を定めたり、行政処分について定めたりしていますが、ハラスメントの被害者を直接救済するための規定ではありません。

では、ハラスメントの被害者の被害救済のための法律にはどのようなものがあるのでしょうか。

刑法

「ハラスメント」と一口にいっても、陰口を言い続けるようなものから、直接身体に危害を加えるものまで幅広く存在します。

その中でも、刑法に違反するような行為を行った場合には、加害者に刑事処分を科すことができます。

例えば、セクハラといっても性行為を強要すれば強制性交等罪(刑法177条)・強制わいせつ罪(刑法176条)が成立しえます。

パワハラとして殴る・蹴るなどによって暴行罪(刑法208条)が成立し、怪我をすれば傷害罪(刑法204条)が成立します。

加害者が拘束され、会社が懲戒処分として解雇をするなどすれば、被害者は以後はハラスメントの被害を受けなくなります。

また、刑事事件になったときには、加害者側は起訴されないようにするため、起訴をされても執行猶予をつけてもらったり、より軽い刑罰にしてもらうために、被害弁償として示談金の支払いを自主的に行ってくることがあります。

労災保険法

ハラスメントによって怪我をした・病気になってしまったような場合には、労災となります。

治療費や休業補償などを受けることができます。

この根拠になる法律は労災保険法です。

精神的苦痛を理由に会社に損害賠償を求めるための法律

ハラスメントの被害にあうということは精神的苦痛を被ることになります。

精神的苦痛を被った場合には、加害者に対して損害賠償を請求することができます。

この法律は民法709条以下の不法行為に関する法律です。

また、会社と労働者は雇用契約を結んでおり、雇用契約に直接記載はなくても、労働者の生命・身体の安全を確保する義務があり(労働契約法5条)、ハラスメントから労働者を守る義務があります。

ハラスメントによる被害を受けた場合には、加害者だけではなく、会社にも慰謝料を求めて損害賠償を請求することになります。

ここにいうハラスメントは、上記の法律に規定のあるハラスメントのみならず、精神的苦痛が発生するハラスメントであれば、請求することができます。

たとえば、会社の飲み会で上司に一気飲みを強要する、いわゆるアルコールハラスメント(アルハラ)の被害にあい、急性アルコール中毒になって病院に運ばれた・入院を余儀なくされた、というような場合があります。

アルハラについて直接制約をするような法律は2020年12月の段階ではありません。

ですがアルハラによって精神的苦痛を被り、民法の不法行為が成立し、被害者は会社・加害者に対して慰謝料を求めて損害賠償をすることは可能です。

不当解雇をされた場合の対応に関する法律

妊娠をしたことを理由に解雇されたというような場合や、セクハラ・マタハラ・パワハラを申し出たところ解雇をされたような場合には、その解雇は不当解雇といえます。

不当解雇については、解雇を無効と争うことになります。

そのため、解雇が無効であった場合には、従来の労働契約どおりの給与の支払いを受けられるという主張をします。

また、ハラスメントの上に不当解雇ということになるので、上述したように慰謝料請求を同時に行います。

ただ、不当解雇をされたような場合に、実際に会社に戻ってまた働くことは考えづらいといえます。

そのため、このような法律関係・請求権があることをベースに、別の解決方法(そのほとんどは金銭)でお互い譲歩する和解契約(民法695条以下)を結ぶことになります。

この和解契約のことは一般的な用語として示談と呼んでいます。

権利を実現するために必要な手続きについての法律

ハラスメントの被害にあったことによって損害賠償などの請求をすることができる権利を有していても、相手がハラスメントの存在を否定して支払いに応じないこともあります。

このような場合には、請求権を実現するために民事訴訟などを利用する必要があります。

民事訴訟を行って勝訴をして、会社に差押えをするところまで考えると、民事訴訟法・民事執行法という法律が関係し、仮処分が必要であれば民事保全法の理解が必要です。

まとめ

このページでは、ハラスメントの被害者が救済のために知っておくべき法律にはどのようなものがあるかについてお伝えしました。

ハラスメントについて直接規定する法律、被害救済のために必要な権利内容に関する法律、被害救済のための手続きに関する法律など、受けたハラスメントと発生した被害・会社の態度によって知っておくべき法律は変わってきます。

弁護士の無料相談をうまくつかい、費用はかかるものの依頼をして交渉を任せてしまうことも検討しましょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。