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仕事を辞めさせてもらえない時の労働者の対応方法は?

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 期間の定めのない雇用契約の場合は法律上は2週間前に申し出れば会社を辞められることになっている。
  • 内容証明で会社に退職の意思を伝えて辞めることが可能で、不利益な条件を主張する会社の言い分は通らない。
  • 退職代行サービスは本来は弁護士の業務領域なので利用は慎重に行う

「辞めたいことを伝えたら、代わりの人を見つけてくるまで退職はできないと上司に伝えられ、辞めることができません」という悩みを持つ方が非常に増えています。

採用活動が難しいと言われる昨今では、このような世相を反映してか、退職代行サービスといわれるものを目にすることも多くなりました。

このように、仕事を辞めさせてもらえないことは、法律上どのような問題が発生する可能性があるのでしょうか、また労働者が会社を辞めるためにはどのようにすればよいのでしょうか。

このページでは、仕事を辞めさせてもらえない場合の法律問題と、労働者の対応方法についてお伝えします。

仕事を辞めさせてもらえない場合に発生する法律問題

仕事を辞めさせてもらえない場合に発生する法律問題について確認しましょう。

どうして仕事を辞めさせてもらえないということが発生するのか

どうして、仕事を辞めさせてもらえないということが発生するのでしょうか。

主な理由として3つのことが挙げられます。

一つは、人材の確保が難しいことです。

飲食業などの特定の業界では人材の採用が非常に難しい場合があったり、採用が難しくない業界でも人件費にまわす予算の確保が難しいため給料を上げることができず採用が難しい、という場合があります。

このような会社は新たな人材の確保が難しいため、仕事を簡単に辞めさせてもらえないことがあります。

次に、管理職の評価の一つとして離職率が対象になっているような場合、管理職としては退職者を出すと自分の評価に関わるので、仕事を辞めさせてもらえないことがあります。

最後に、補助金などを受けているような場合に、補助金を受けとり続けるために、離職率を一定以上に抑える必要がある場合があります。

このような場合に仕事をなかなか辞めさせてもらえないことがあります。

会社の退職に関するルールを確認

会社の退職手続きについて、どのようなルールがあるか確認をしましょう。

退職に関するルールとしては、就業規則で定められていることが多く、1ヶ月前から申し出るなど、期間を定めて事前に申し出て退職とする手続きを設けていることが多いです。

一方法律では、民法で次のような規定がされています。

雇用の期間を定めなかったときは、解約の申入れをしてから2週間経過することにより終了する(627条)

雇用の期間を定めたときは、基本的には契約期間は解約できず、やむを得ない事由がある場合にのみ解約ができる(628条本文)

やむを得ない事由が生じたことにつき、一方に過失がある場合には損害賠償をする必要がある(628条但書)

そのため、期間の定めのない契約をしている場合には、解約の申入れをしてしまえば、2週間経過すれば退職できることになります。

会社を辞めさせてもらえない場合に労働者が採るべき措置は?

では会社を辞めさせてもらえない場合に労働者はどのような措置をとるべきでしょうか。

期間の定めがある場合にはやむを得ない事情を会社に伝える

期間の定めがある場合には、やむを得ない事情があることを会社にきちんと伝えましょう。

やむを得ない場合とは、病気や怪我で就業をすることができない、家族の介護のために仕事に出ることができない場合をいいます。

病気や怪我をした場合には診断書を提出する、家族の介護が必要なのであれば、介護が必要な家族の診断書を出すなど、客観的な資料の提出をするようにしましょう。

期間の定めがない場合には退職の意思を伝えるために内容証明を利用

期間の定めがない場合の雇用契約は、上述した通り申入れをしてから2週間で終了することになっています。

就業規則で1ヶ月前に申入れをすることと記載されていても、法律の手続きによる退職は可能です。

仕事を辞めさせてくれない場合の一つの方法として、退職届けを会社が受け取らない、受け取るのに代わりの社員・アルバイトを見つけてくるよう条件をつける場合があります。

このような場合には、申入れをしたことを証明できないので、申入れをしたことを客観的に証明できるように、内容証明郵便を利用します。

内容証明郵便に配達証明を付けて解約の申入れを送れば、配達証明によって書面が到達した時期を証明することができ、内容証明郵便によって書面の内容を証明することができるためです(郵便法47条・48条)。

退職時に有給が残っているのであれば有給を取得しよう

退職時に有給が残っている場合には取得をしましょう。

中には有給について許可制をとっている、上司の承認が必要であるという処理をする会社があります。

しかし、有給の取得を申請した場合、会社は「今は忙しい時期なので別の時期にしてほしい」という時季変更権を行使することができるのみで(労働基準法39条5項

)、許可制にすることは許されていません。

また、労働者が退職をすることが決まっているような場合には、時季変更権を行使することができないとされていますので、時季変更権を主張することもできません。

懲戒解雇にすると脅されているような場合

稀に退職しようとすると、懲戒解雇にすると脅されるような場合があります。

形式的には、会社の風紀を乱す人に対して懲戒解雇をすることができることをもってこのような措置をしてくる会社があります。

しかし、会社が労働者に対して懲戒処分を行う場合には、労働者が責任を問われても仕方ない行為をした場合にのみ許されるのであって、退職のような正当な行為によって解雇をすることはできません。

また、懲戒事由があるような場合でも、いきなり懲戒処分として解雇をするのは重すぎるため、正当な懲戒処分と認められない可能性が非常に高いです。

そのため、実際に退職をしても、会社が懲戒解雇にする可能性は非常に低く、万が一懲戒処分をしたとしても、慰謝料請求の対象になるものになります。

退職後に離職票を出さないような場合には

会社を退職すると、失業手当の受給などのために、ハローワークで手続きを行います。

このときに、ハローワークに離職票という書類を提出する必要があるのですが、この離職票は会社がハローワークで手続きをした上で、元労働者に渡すものになります。

そのため、会社が嫌がらせの一環として、離職票を出さないことがあります。

また、離職票を出さない、と主張して会社を辞めないようにしようとすることもあります。

このような場合には、ハローワークに対して、雇用保険の被保険者でなくなったことの確認請求(雇用保険法8条)を行えば、離職票の発行をしてくれます。

退職代行サービスの注意点

会社を退職することが難しい方のために、退職代行サービスが流行しています。

退職は会社と雇用契約の解約をする行為なので、その代行をすることは契約の代行をすることになります。

これを報酬を得てすることができるのは弁護士のみとなっており、弁護士としての登録をしていない人が報酬を得て退職代行をすることは、弁護士法72条違反となり、刑事罰の対象になる可能性があります。

利用にあたっては弁護士資格をもっている人によるサービス提供なのかをきちんと確認して利用するのが望ましいといえるでしょう。

まとめ

このページでは、仕事を辞めさせてもらえない場合の法律問題や労働者がとりうる手段についてお伝えしてきました。

会社を辞めるための法律上の規定は非常にシンプルですので、どうしても辞められないような場合には弁護士に相談をすることも検討しましょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。