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休業補償はいつまでもらえる?制度や期間について解説

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 要件をクリアすれば休業補償はいつまでももらえる
  • 療養開始から1年半後には休業補償から傷病年金に切り替わる可能性がある
  • 休業補償期間中に退職しても、支給が打ち切りにならない

業務中や通勤中の事故が原因で怪我や病気になったときにもらえる休業補償(休業給付)。

この休業補償は、いつまでもらえるのでしょうか。

体調に不安を抱えている状態ならば、とても気になる点だと思います。

この記事では、休業補償にまつわる疑問が解決できるようにひとつずつ解説していきます。

休業補償とは?

まずは具体的に休業補償とはどういった制度なのか、また支給要件について説明していきます。

さらに、休業補償と似ている休業手当との違いについて確認していきましょう。

休業補償という制度

休業補償とは、労働者が業務中または通勤中に怪我や病気により働けなくなってしまったときに支給されるお金のことです。

また、業務中に起こった事故が原因の怪我や病気の場合は「休業補償給付」、通勤中に起こった事故が原因の怪我や病気の場合は「休業給付」と、事故が発生した状況によって名称が異なります。

休業補償でもらえる金額

休業補償でもらえる金額は、平均賃金の60%です。

加えて、休業特別支給金というものが20%別途支給されるため、給与の80%が支給されると考えていただければ、概ね問題ありません。

具体的な金額を知るには、1日の平均賃金を算出します。

【月収20万円・業務上の怪我(9月)の場合】

20万円×3ヶ月÷92日(6月・7月・8月)=6,522円

6,522円×60%=3,913円

6,522円×20%=1,304円

1日の支給額が5,217円

(引用元:休業補償の計算方法を教えてください|厚生労働省)

また、平均賃金の計算にはボーナスは加えません。

ただし、通勤手当、皆勤手当、時間外手当など諸手当を含みます。

休業補償はいつまでもらえる?

それでは休業補償はいつまで支給されるのでしょうか。

具体的な期間や要件について確認していきます。

休業補償が支給されるまでには待機期間がある

休業補償では、待機期間が設けられています。

その期間は事故が発生した初日から3日間のことです。

これは労働者災害補償保険法第14条第1項で規定されています。

労働者災害補償保険法第14条

1. 休業補償給付は、労働者が業務上の負傷又は疾病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第四日目から支給するものとし、その額は、一日につき給付基礎日額の百分の六十に相当する額とする。

このように3日間を待機期間として、4日目以降から休業補償が支給されるようになります。

しかし、この3日間も業務中の事故が原因による怪我の場合、企業側が平均賃金の60%以上を補償することになっています。(労働基準法76条第1項)

そのため、待機期間中は企業側から、待機期間以降は労災保険から支給されます。

要件を満たせば休業補償に支給期間の上限はない

休業補償の支給期間に上限はありません。

ただし、怪我や病気が治ったなど支給要件を満たさないようになれば、休業補償の支給は終了します。

具体的な支給要件は以下のものです。

  • 業務中・通勤中の事故が原因である
  • 働くことができず休業している
  • 賃金の支払いがない
  • 医療によって回復する見込みがある

この要件を満たすと、休業補償の支給は続きます。

しかし、期間による休業補償の打ち切りはなくても、怪我や病気の状態により支給が終わる場合があります。

それは症状が完治(または症状固定)したとき、これ以上の医療による回復が見込めないと考えられたときです。

休業補償を支給する労災保険では、このような状態でも回復とみなし、休業補償が打ち切られることがあります。

この点は注意が必要です。

1年6ヶ月後は傷病(補償)年金に切り替わる可能性も

また、休業補償がいつまでもらえるのかを考えるときに注意しておきたいのが、1年6ヶ月という期間です。

休業補償は、療養を開始した日から1年6ヶ月が経過した日またはその日以降に、

  • 怪我または病気が治っていない
  • 怪我または病気が障害等級第1級から第3級に該当する場合

この二つが該当する場合、休業補償から傷病(補償)年金に切り替わります。

ただし、そうではない場合、休業補償の支給が続きます。

障害等級第1級

  • 両眼を失明したもの
  • 咀嚼と言語の機能を失ったもの
  • 神経系統の機能または精神に著しい障害が残り、常に介護が必要になったもの
  • 胸腹部臓器の機能に著しい障害が残り、常に介護が必要になったもの
  • 両上肢のひじ関節以上を失ったもの
  • 両上肢がまったく使えなくなったもの
  • 両下肢のひざ関節以上を失ったもの
  • 両下肢がまったく使えなくなったもの

障害等級第2級

  • 片眼を失明し、もう片眼の視力が0.02以下になったもの
  • 両眼の視力が0.02以下になったもの
  • 神経系統の機能または精神に著しい障害が残り、随時介護が必要になったもの
  • 胸腹部臓器の機能に著しい障害が残り、随時介護が必要になったもの
  • 両上肢の手関節以上を失ったもの
  • 両上肢の足関節以上を失ったもの

障害等級第3級

  • 片眼を失明し、もう片眼の視力が0.06以下になったもの
  • 咀嚼または言語の機能を失ったもの
  • 神経系統の機能または精神に著しい障害が残り、常に労働できないもの
  • 胸腹部臓器の機能に著しい障害が残り、常に労働できないもの
  • 両手の手指すべてを失ったもの

(引用元:障害等級表|厚生労働省)

休業補償期間中の気になるポイント

休業補償期間中の気になる点について、以下で説明していきます。

休業補償期間中でも有給休暇は使えるか?

休業補償期間中でも有給休暇を取ることはできます。

ただし、有給休暇と失業補償の併用はできません。

失業補償の支給要件として、「会社から賃金の支払いがないこと」があるためです。

そのため、どちらか一方となりますが、怪我や病気の療養による休業が数日で済む場合は、有給休暇を消化することがよいかもしれません。

失業補償の場合は平均賃金の80%ですが、有給休暇の場合はその日の給料の全額が支給されるのが一般的です。

そのため、収入を減らさないためにも有給休暇を取得するという選択も考えられます。

休業補償期間中に退職した場合はどうなる?

休業補償期間中に退職したとしても、支給が打ち切りになりません。

これは労働者災害補償保険法12条の5第1項が、

保険給付を受ける権利は、労働者の退職によつて変更されることはない。

と規定しているため、たとえ休業補償期間中に退職したとしても、支給要件を満たす限り、休業補償の給付は続きます。

さらに退職後であったとしても、支給要件を満たしていれば休業補償給付の申請ができます。

ただし、失業補償給付の申請には2年間の時効があるため、注意しましょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。