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「不当労働行為」とは?禁止行為を会社がした場合の対応を一緒に確認

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 不当労働行為とは、労働者の団結権を侵害する会社の行為で、労働組合法7条で禁止されている行為をいう
  • 労働組合法7条では、1号から4号までの条文を置いて不当労働行為を規定している。
  • 会社が不当労働行為を行った場合には、利害関係のある労働者・労働組合が都道府県労働委員会に申立てをして不当労働行為の救済申立てをすることができる。

「労働組合に加入したところ解雇をされた」

「団体交渉をお願いしているのに自分たちの組合は小さいので相手にしてもらえない」

労働組合をつくって団結する権利・団体交渉をする権利を侵害するような会社の行為にお悩みでは無いでしょうか。

そのような行為の中には労働組合法7条で「不当労働行為」として禁止しているものものがあります。

不当労働行為とはどのようなものか、不当労働行為に該当する行為を会社が行った場合には、労働者らはどのような救済を受けられるのか、このページでお伝えします。

不当労働行為の概要

不当労働行為とはどのようなものかの概要を確認しましょう。

憲法28条は、立場の弱い労働者が使用者と交渉するために、労働者の団結権・団体交渉権・団体行動権を保障する旨を規定しています。

これに応じて、労働組合法が制定されており、その中で会社が労働者の団結権などを侵害する行為を類型化して不当労働行為と定め、この不当労働行為に該当する行為を行った場合には、後述するように労働委員会によって迅速に救済を行おうとするものです。

不当労働行為の相手になるのは労働者個人と、労働組合です。

労働組合は、会社ごとに設置されている労働組合はもちろん、産業別に集まったものである単位産業別労働組合(通称:単産)、地域ごと・職種ごとに集まって組織かしている合同労働組合(ユニオンともよばれる)などがあります。

不当労働行為の内容

それでは、不当労働行為の具体的な内容を見てみましょう。

労働組合の組合員であることを理由とする解雇その他の不利益取扱い

労働組合法7条1号前段は、労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入しようとしたこと、労働組合を結成しようとしたこと、労働組合の正当な行為をしたこと、を理由に労働者を解雇するなどの不利益な取り扱いを不当労働行為として禁止しています。

不利益な取り扱いは、解雇・転勤・降級・降格・減給・出勤停止・始末書を書かせるといった法律行為・事実行為を問いません。

どのような会社の行為が不利益な取り扱いにあたるかは、個々の場合の実情に即して判断するものとされています。

労働組合法7条1号但書は、労働組合が事業所に雇用される労働者の過半数を代表する労働組合がある場合に、雇用の際にその労働組合の組合員となることを条件とする、いわゆるユニオン・ショップ協定を結ぶことは、不当労働行為にあたらないとしています。

黄犬契約

労働組合法7条1号後段は、労働組合から脱退することや、加入しないことを雇用の条件とする、いわゆる黄犬契約を不当労働行為として禁止しています。

正当な理由がない団体交渉の拒否

労働組合法7条2号は、使用者が団体交渉をすることを正当な理由なく拒むことを、不当労働行為として禁止しています。

仮に形式的に団体交渉に応じたとしても、誠実に交渉に応じなければこの規定を置いた意味がなくなるので、誠実な交渉を行わないこと(いわゆる不誠実団交)も、不当労働行為として禁止されていると解釈されています。

労働組合の運営に対する支配

労働組合法7条3号前段は使用者が労働組合を結成し、又は運営すること支配したり、介入することを不当労働行為として禁止しています。

使用者が労働協約の定めに従って組合費を天引きする、チェック・オフはこれにあたらないとしています(昭和24年8月1日富山県経済部長あて労働省労政局労働法規課長通知)。

労働組合の運営のために経理上の援助を与えること

労働組合の運営のための経費の支払いについて経理上の援助を与えることは、間接的に労働組合の支配につながりますので、労働組合法7条3号後段で不当労働行為として禁止されています。

ただ、労働者が賃金を失うことなく労働時間中に使用者と協議・交渉をすることを許したり、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与をすることは、労働組合法7条3号但書で認められています。

労働委員会への申立て等を行った労働者への解雇等の不利益な処分の禁止

労働組合法7条4号は、不当労働行為にあたるとして、後述する労働委員会に対して救済の申立てを行ったり、労働関係調整法による労働争議の調整をする際に、証拠を提出したり発言をしたことを原因に、解雇などの不利益な処分をすることを不当労働行為として禁止しています。

会社が不当労働行為を行った場合の労働者側の対抗措置

会社が上述する不当労働行為を行った場合に、労働者側としてはどのような対抗措置をとることができるのでしょうか。

不当労働行為に対する救済申立て

不当労働行為が行われた場合に、労働組合法27条は、労働者側から不当労働行為が行われたことの申立てを受けて審査をします。

調査・証拠調べの結果不当労働行為が認定されると、労働組合法27条の12によって、救済命令が出されます。

通常は救済命令に従って、不当労働行為とされる行為を排除するように会社に義務付けられ、会社はこれに従うことになります。

もし、救済命令が出されたにも関わらず、これに従わない会社は、1年以下の禁錮若しくは100万円以下の罰金に処せられることになります。

救済命令に不服の場合には、中央労働委員会に再審査の申立てをすることでき(労働組合法27条の15)、再審査内容に不服の場合には取消しの訴えを提起することができます(労働組合法27条の19)。

団体交渉拒否の場合には労働関係調整法12条によるあっせんを利用することも

不当労働行為の内容が団体交渉の拒否にあるような場合には、労働関係調整法12条に基づくあっせんの利用を受けることも可能です。

労働委員会とは

労働委員会とは、労働者の団結を擁護し、労働関係の公正な調整をはかるために設置された機関で、国の機関として中央労働委員会・都道府県の機関として都道府県労働委員会があります。

労働委員会は、不当労働行為に該当するかどうかの審査や、労働争議をあっせんなどによって調整する役割を持っています。

不当労働行為救済申立ての方法

不当労働行為に対する救済申し立ては、書面を都道府県の労働委員会に対して提出して行います。

申立書については、都道府県の労働委員会が書式を公開していることもあるので、職場がある都道府県の労働委員会のホームページを確認してみてください。

解雇をされた場合の処理

労働組合に加入したことや、労働委員会に申立てをしたことなどで、解雇をされることが不当労働行為に該当するとされています。

この場合、労働委員会によって不当労働行為とされたときでも、解雇が無効となるだけで、解雇を言い渡されてから解雇が無効であると判断されるまでの給与の支払いを命じるものではありません。

不当解雇や慰謝料請求をする場合には別途民事請求を起こすことになるので注意が必要です。

まとめ

このページでは、不当労働行為についてお伝えしました。

個別具体的な事案で不当労働行為にあたるかについては、会社の行為がどのようなものか、救済の申し立てをしてどこまで立証できるか、など個別の事案によって深い検討をする必要があります。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。