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有給休暇の理由は必要か?有給で不利益を被る時の対処法も紹介

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 有給休暇の理由を聞かれることは、原則として認められていない
  • 有給休暇の理由をもし聞かれたら、「私用のため」で問題ない
  • 有給休暇の理由でハラスメントを受けたら、しかるべき機関に相談を

有給休暇を取得する際に、理由を上司から聞かれる方もいるのではないでしょうか?

しかし、有給休暇は労働者の権利であり、理由によって取得させないようなことは認められていません。

もし、有給休暇の理由を聞かれたら「私用のため」と回答して問題ないですが、有給休暇の理由を毎回聞かれ、取得させてもらえなかったり、ハラスメントを受けることもあるでしょう。

本記事では、有給休暇の理由の必要性と、有給休暇をきっかけに不利益を被った際の対処法について紹介します。

有給休暇の取得理由を答える義務はあるのか

有給休暇の取得理由を答える義務は、結論から言うとありません。

しかし、一部例外もあるので注意が必要です。

本章では有給休暇の取得理由について解説します。

そもそも有給休暇とは

有給休暇とは、使用者が一定の条件を満たした社員に付与する、賃金が減額されない休暇のことを指します。

そして「労働者が有給を申請した場合、事業者は有給休暇を与えなければならない」と定めています(労働基準法第39条5項)。

最初に紹介した「一定の条件」とは以下の2つであることが多いです。

入社後、半年が経過している

出勤率が8割以上である

しかし、中には入社後3カ月から有給が付与されるなど、労働基準法と異なることもあります。

労働基準法は最低限の条件を定めているものなので、上回っていれば問題ないですが、下回っていたら労働基準法違反になります。

有給休暇の取得条件については、一度あなたの会社の就業規則を確認してみてください。

一方で有給休暇が付与されていても、有給休暇を上司に申し出るときに理由を聞かれて取りづらいことも多いです。

有給休暇の理由を聞かれることは、違法ではないのでしょうか。

会社は有給休暇の取得理由を原則聞いてはならない

結論から言いますと、原則として会社は、有給休暇の取得理由の回答を強制することができません。

会社が有給休暇の理由を聞いてはいけない理由は「有給休暇の取得は、労働者の権利である」ためです。

過去に、有給休暇の理由を巡った事件「通称:林野庁白石営林署事件」の最高裁判決で「有給休暇の利用目的は労働基準法の関知しないところであり、休暇をどのように利用するかは、使用者の干渉を許さない労働者の自由である」となりました。

また、有給休暇の理由を別に替えること(市役所の手続きで最初有給休暇を申請していたが、ガスの開栓立ち合いで休むことになったなど)も問題ありません。

しかし、有給休暇の取得理由を聞くことが許されるケースも中には存在します。

有給休暇の取得理由を聞かれることが許されるケース

会社が有給休暇の取得理由を聞くことが許されるケースは「会社が時季変更権を行使する対象者などを決めるために、有給の利用目的を知る必要がある」と認めた場合です。

時季変更権とは「会社にとって事業に支障がある場合に、有給休暇の取得日を変えてほしい」とお願いする権利です。

例えば、

繁忙期で従業員数が減ると仕事が回らない

インフルエンザが部署内で流行するなど、同一日に有給休暇を取得する人が多い

といった場合は、時季変更権を会社から行使されることがあります。

実際に、大阪職安事件の裁判では『一時に多数の従業員から、同じ日を希望して有給休暇の申請がなされた場合において、利用目的の重大性・緊急性の程度によって時季変更権行使の対象者を定めることは、合理性と必要性が存在し「問題がない」』と判断されました。

では、もし時季変更権を会社から行使されたり、有給休暇の理由を聞かれたりした場合はどのようにすればよいでしょうか。次章で紹介します。

有給休暇の取得理由を聞かれたら

有給休暇の取得理由を聞かれた場合、原則「私用のため」で問題ないでしょう。

しかし、有給を取得するときに詳しい理由を聞かれることもあります。

本章では、詳しい理由を聞かれたときの回答例を紹介します。

原則は「私用のため」で問題ない

有給休暇の理由を聞かれたら「私用のため」という回答で問題ありません。

しかし、私用のためと答えても「私用とは何だ」と言ってくる上司もいるでしょう。

そんな上司の対策として使える有給休暇の理由と、本当に必要な時だけ使った方がいい有給休暇の理由を紹介します。

万が一有給の理由を聞かれたときのために使える、有給休暇の理由

万が一有給休暇の理由を聞かれたときに使える、有給の理由は下記です(本当であれば、特に堂々と言いましょう)。

役所手続き

家族や親戚の用事

病院での定期健診

ガスや電気などの修理工事、点検

PTA、自治体などの地域活動

これらの5つの理由に共通して言えることは「何度あってもおかしくない」イベントです。

特に引越しを伴う転勤や出向ですと、役所手続きやガスの開栓など、平日にしか行えない手続きも多いため、有給を取得する理由としては十分です。

一方で、これから紹介する「本当に必要な時だけ使った方がいい、有給休暇の理由」は思いつきやすいものの、頻繁には起こらないイベントなので何度も使うと怪しまれる可能性があります。

本当に必要な時だけ使った方がいい、有給休暇の理由

先ほど、頻繁には起こらないイベントと紹介しましたが、具体的には以下となります。

結婚式やお葬式などの冠婚葬祭

パスポートや免許の更新

子供の学校行事(運動会、参観日など)

安易にこれらを有給休暇の理由に使ってしまいますと、本当に必要な時に有給休暇が使えなくなる可能性もありますので、注意しましょう。

最後に有給休暇の取得理由を巡ってハラスメントなどのトラブルが生じたときの対処法を紹介します。

有給休暇の取得理由でトラブルが生じたときの対処法

有給休暇の取得理由を巡り、ハラスメントや嫌がらせといったトラブルになったときの対処法を3つ紹介します。

労働組合に相談

労働基準監督署に相談

弁護士に相談

対処法①:労働組合に相談

まずは、あなたの会社に労働組合があるか確認し、あれば労働組合に相談しましょう。

労働組合は労働者の権利を守ることが目的ですので、有給休暇が取得できないことを相談すると、改善策を練ってくれます。

また、あなただけでなく、あなたの会社全体の労働環境の改善にもなるかもしれません。

しかし、あなたの会社に労働組合がそもそもなかったり、労働組合があまり機能していない会社だったりした場合は、対処法②を検討する必要があります。

対処法②:労働基準監督署に相談

次に、労働基準監督署に相談です。

労働基準監督署は労働者の権利を守るための公的機関です。

しかし、労働基準監督署は多数の案件を取り扱っていますので、重要度が高い案件でないと、動いてもらえないことも多いです。

また、あくまで「個人ではなく、会社への注意」となるため、上司への注意が降りるかどうかは会社側に依存してしまいます。

重要度を上げるためには確固たる証拠、具体的には「ハラスメントや嫌がらせを受けたときのメールや録音」などを用意しておくことが大切です。

対処法③:弁護士に相談

対処法①、②で解決されない場合は、弁護士も視野に入れましょう。

相談料がかかることもありますが、要求が通りやすくなりますし、個人間(あなたと上司)の問題として取り上げることもできます。

有給休暇の取得理由を上司に言ったら「有給休暇ではなく欠勤扱いにされた」など金銭が絡んでくる場合は特に効果的です。

弁護士への相談も労働基準監督署に相談するときと同じく、メールや録音などの確固たる証拠を用意しておきましょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。