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インフルエンザにかかって出勤停止になった場合労働者はどう保護されるか

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 鳥インフルエンザ・新型インフルエンザについては感染症予防法に指定されている指定感染症なので罹患すると出勤できない
  • インフルエンザで出勤停止になっても勝手に有給とすることは許されない
  • インフルエンザで4日以上休んだ場合には傷病手当金の受給が可能

秋から冬にかけて気温が下がってくるとインフルエンザで体調不良になる方もいらっしゃいます。

インフルエンザにかかると会社から出勤停止を命じられるところが多いのではないでしょうか?

このページではインフルエンザにかかってしまって出勤停止になってしまった場合に労働者はどのように保護されるか、についてお伝えします。

インフルエンザにかかった人に会社が出勤停止を命じることはできるのか

まず、インフルエンザにかかった人に会社が出勤停止を命じることができ、労働者はこれに従わなければならないのでしょうか。

法律上出勤することができないとされるインフルエンザがある

一言に「インフルエンザ」といっても、様々な種類や突然変異があります。

インフルエンザは感染症予防法の中で次の4つに分類されます

感染症予防法6条3項で二類感染症とされている特定鳥インフルエンザ

感染症予防法6条5項で四類感染症とされている特定鳥インフルエンザを除く鳥インフルエンザ

感染症予防法6条6項で五類感染症とされている鳥インフルエンザを除くインフルエンザ

感染症予防法7条7項に規定されている「新型インフルエンザ等感染症」

この4つの分類のうち、二類感染症に指定されている特定鳥インフルエンザと、新型インフルエンザ等感染症に該当するものについては感染症予防法18条2項による就業制限がありますので、そもそも就業することができない状態です。

インフルエンザの出勤停止については明文の規定なく就業規則による

特定鳥インフルエンザ・新型インフルエンザ等感染症に該当しないインフルエンザに罹患した場合に、会社から従業員に対して出勤停止を言い渡すことができる、とする法律はありません。

そのため、出勤停止については就業規則に定めががある場合に命じることができます。

また労働契約法5条に規定されている安全配慮義務を理由に出勤停止を命じることもできます。

ただ、多くの会社ではインフルエンザをはじめとした感染症に罹患した場合に、他の従業員にうつさせないためにも、出勤停止について規定していることが多いです。

出勤停止となった場合の処理はどうなる?

では出勤停止となった場合の処理はどうなるのでしょうか?

医師の診断書によって就労不能とされている場合

インフルエンザに罹患すると2,3日にわたって38度を超える発熱症状が現れることが多いです。

その結果医師が診断書で就労不能という判断をして、その旨の診断書を発行することが考えられます。

就労不能、すなわち労務の提供ができない状態なので、会社としては無給での出勤停止命令を出すことができるといえます。

医師の診断書はないものの明らかに就労不能といえる場合

医師の診断書はなくても、がんばって出勤できても、頭はフラフラ、40度近い高熱などで仕事にならないような場合には、やはり就労不能といえるので、無給で出勤停止の処分とすることができます。

体調は回復しているけども念のために出勤停止とする場合

インフルエンザは罹患初期にタミフル・リレンザのような抗ウイルス薬を服用することで、早期に症状が改善します。

とはいえ、症状が軽快してから2日程度は他人にインフルエンザをうつす可能性がありますので、本人は出勤できたとしても会社としては禁止を命じることになります。

この場合には使用者の都合で出勤停止とするものなので、休業手当ての支給をすべき場合になります。

インフルエンザの人を勝手に有給扱いにすることは許されない

インフルエンザにかかった人について、出勤停止をする場合に、会社が勝手に有給の取得をさせるケースがあります。

しかし、有給はあくまで労働者の意思によって取得するものですから、会社が勝手に有給取得をさせることはできません。

傷病手当金を活用することができることがある

インフルエンザにかかった場合で、4日以上連続で欠勤したような場合に検討したいのが傷病手当金です。

傷病手当金とは業務外の怪我や病気で仕事につけなかった期間の収入を填補するためにされるもので、3日間の待期がありますが4日目以降に1日あたり通常の賃金の2/3が支給されいます。

家族がインフルエンザに感染した場合の出勤停止

家族がインフルエンザに感染した場合に出勤停止とするものについてはどのように考えるべきでしょうか。

インフルエンザは発症前から他人に感染させるため必要な措置ではある

ウイルス感染症については、感染してから発症するまでに「潜伏期間」というものがあります。

インフルエンザウイルスについては通常1日~2日が潜伏期間です。

そして、発症1日前には感染させる状態になっています。

つまり、家族にインフルエンザの患者がいる場合に、本人はまだ発症していなくても、すでに感染していて他人に感染させる可能性があります。

そのため、家族にインフルエンザの患者が出た場合には、出勤停止とする措置も不合理なものとはいえません。

出勤停止は会社都合による休業なので休業手当て

家族にインフルエンザの患者が出たことを理由とする出勤停止の命令については、本人は就業できる状態ではあるので、休業手当の支給を必要とします。

会社から一方的に有給とすることが認められないのは、本人がインフルエンザになっている場合も同様です。

まとめ

このページでは、インフルエンザに伴う出勤停止の措置についてお伝えしました。

職場でインフルエンザを蔓延させないためにも、出勤停止はやむを得ないことなのですが、休業手当や有給の取り扱いなどについて確認をしておきましょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。