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割増賃金率ってなに?知らないと損をする割増賃金の基本とは

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 割増賃金率は残業、深夜労働、休日出勤で変化する
  • 残業をすればただちに割増賃金になるわけではない
  • みなし残業代は提示された金額が正しいとは限らない

割増賃金は働いている人であれば身近な存在ですが、割増賃金を計算するにあたって必要な割増賃金率がどのようなものなのかをご存知ない方は多いのではないでしょうか。

「数字は苦手だからよくわからない」というイメージも強く、割増賃金率は難しそうな単語に思えますが、実態はそこまで複雑ではなくむしろシンプルでもあるのです。

今回は割増賃金の計算に必要な割増賃金率がどのようなものなのかについて詳しく解説いたします。

割増賃金率とは

割増賃金率とは文字どおり割増賃金の計算に必要なパーセンテージのことで、残業代などを計算する際に割増賃金率がわかっていないと正しい割増賃金を算出することはできません。

割増賃金と一口にいっても以下のように複数のシチュエーションごとに割増賃金率が定められており、いつ・何時間の労働をしたのかによりどの割増賃金率を使うかが変わるため、知っておく必要があります。

時間外労働(残業)をした場合

1日の労働時間を超えて働いた場合、いわゆる残業をした場合は給料の25%以上が割増賃金率になります(労働基準法37条1項、労働基準法第37条1項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令)。

割増賃金の計算にあたっては給料を時間額(時給)に変換する必要がありますが、その数式は以下のようなものを使います。

月給÷(1日の所定労働時間×1カ月の勤務日数)

たとえば月給20万円で1日8時間労働、20日の勤務であれば、200,000÷(8×20)と当てはめられ1,250という数字が算出され、1,250が今回のケースでいう時間額になります。

あとは算出された時間額に残業をした時間数をかけて算出された数字を25%増やせば正しい割増賃金が算出されるのです。

前述の時間額1,250円であれば、残業代は1時間あたり25%増やした1,563円が割増賃金となります。

深夜労働をした場合

労働時間が深夜に及ぶ場合も割増賃金の対象となりますが、深夜労働の割増賃金率は給料の25%以上です(労働基準法37条4項)。

深夜労働は曖昧な表現なので「いつからが深夜?」と疑問に思われがちですが、深夜とは午後10時から午前5時の間のことをさしており、この時間帯に働いた場合は深夜労働としてカウントされます。

たとえば午後8時から午前1時まで働いた場合、午後8時から午後10時までは通常の給料を、午後10時から午前1時までは割増賃金率が適用された給料が支払われることになるのです。

もし時給1,000円で働いていたとすると、午後8時から午後10時までは1,000円×2時間の2,000円、そして午後10時から午前1時までは1,000円の25%増しである1,250円×3時間の3,750円、合計5,750円が給料となります。

休日出勤した場合

休日出勤した場合も割増賃金の対象となりますが、休日出勤の場合は残業や深夜労働とは違い割増賃金率は給料の35%になります(労働基準法37条1項、労働基準法第37条1項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令)。

「休日出勤の休日は休みの日すべて?」と思われがちですが、割増賃金の対象となる休日とは労働基準法35条1項に定められた法定休日に働いた場合が該当します。

具体的には土曜日・日曜日は休日と定めている場合、土曜日に出社を命じられて仕事をしても割増賃金の対象となる休日出勤には該当しません。

休日出勤の場合、働いた時間の分だけ割増賃金率が適用されるので、何時間以上働かないと割増賃金率は適用されないといったことにはならないので、違いを覚えておかなければなりません。

具体例から見る割増賃金の例

割増賃金率の数値がわかったところで、いまいちしっくりこない方も多いのではないでしょうか。

ここでは具体例を交えて割増賃金率についてご紹介いたしますので、ご自身の状況に当てはめて計算してみてください。

月給制の正社員で働いているケース

月給25万円、1日の所定労働時間は8時間、勤務日数20日、残業時間50時間のケースで残業による割増賃金を計算したい場合です。

まず残業による割増賃金は給料を時間額(基礎賃金)に換算するので、以下のような式で算出します。

月給250,000円÷(1日の所定労働時間8時間×勤務日数20日)=1,563円(基礎賃金)

割増賃金率は基礎賃金で計算するので、1,563円の25%増しである1,954円が割増賃金となり、50時間の残業なので1,954円×50時間で97,700円が残業代となります。

日給制のアルバイトで働いているケース

日給1万円、1日の所定労働時間が7時間の場合に深夜労働をした場合の残業代を求めるケースです。

日給制は月給制と違い基礎賃金の計算が簡単で、1日の所定労働時間を日給額で割れば時間額を算出することができます。

したがって、日給10,000円÷1日の所定労働時間である7時間で1,429円が時間額となります。

注意しなければいけないこととして、残業による割増賃金は1日8時間、週40時間の法定時間外労働(残業)をした分だけにしか適用されません。

今回のケースでは1日の所定労働時間が7時間であり、仮に1時間だけ労働しても法定時間内残業にとどまり、7時間から8時間の残業をしても通常の時間額が支払われるにとどまります。

残業すればただちに割増賃金の対象になると勘違いされやすいので、会社とのトラブルを避けるためにも割増賃金の対象を理解しておく必要があるでしょう。

正しく給料が支払われているか知るには

会社に不信感をもっていたり、支払われた給料の金額に疑問を抱いていると、正しく給料が支払われているのか疑念を抱かれることがあるでしょう。

正しく給料が支払われているかは、ご自身で以下のように行動しておかなければ判断することはできません。

残業代が適正かどうかを確認する

正しく給料が支払われているかは、残業代が適正なのかどうかをチェックしなければいけません。

給料に固定残業、いわゆるみなし残業代を含めて給料の金額を決めている会社が多くありますが、みなし残業代は企業側があらかじめ決めて給料に組み込んで支給しますが、必ずしも正しい金額ではない場合もあるからです。

たとえば45時間のみなし残業代として2万円が給料に組み込まれているとしますが、時間額にして444円にしかならず、そもそも最低賃金を下回っているので違法な状態です。

2020年における最低賃金は、東京都であれば1,013円、大阪府では964円、福岡県では842円といずれも大幅に下回っているのがおわかりいただけるでしょう。

会社が示してくれた残業代は適正と思っていても、実際は間違っている場合も多いにあるのでご自身でもしっかりと計算しなければいけません。

労働時間を自分でも記録しておく

給料が正しく支払われているかを知るには、労働時間をご自身でも記録するようにしなければいけません。

タイムカードなどが取り入れられた職場であれば労働時間は何時間だったのかがわかりやすいですが、会社によっては労働時間と考えず特定の時間分だけ除外して給料を支払っている場合があるからです。

たとえば業務のための勉強会を開催する会社は多いですが、勉強会の時間は残業ではないと考えて支払いの対象には含まないと考える会社があります。

しかし本来の業務ではない勉強会でも会社が参加するように指示をした場合は労働時間にカウントされ支払いの対象になりますが、きちんと記録して主張しなければ立証できず給料の支払いを求めることは困難です。

何時間働いたのかはメモであっても証拠になり得るので、細かく記録する習慣をつけておくと後顧の憂いを断つ一助になるでしょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。