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割増賃金の計算はどうやるの?意外と知らない計算方法を解説

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 割増賃金は3つのシーンごとで割増率が変わる
  • 給料がきちんと支払われていないことがあるので、きちんと確認する
  • 給料が正しく支払われていない場合は労働基準監督署や弁護士に相談する

割増賃金は働いている人にとっては身近な存在ですが、「割増賃金ってどうやって計算するんだろう?」と曖昧なまま働いている人も多いでしょう。

割増賃金は単語だけでみると計算するのも難しそうな印象がありますが、実はそこまで難しいものではなく法律に詳しくない人でも計算・算出することができます。

今回の記事では割増賃金の計算方法をご紹介し、正しく給料を支払ってもらえているかがおわかりいただけます。

割増賃金の計算方法

割増賃金とは時間外労働や深夜労働、休日出勤をした時に支払われる賃金のことを言います。

割増賃金はひとつの計算式を使って割増賃金を算出していくものと思われがちです。

しかし割増賃金と一口にいっても割増賃金が支払われるシチュエーションは数種類あり、以下のようなシーンによって計算方法は変化します。

時間外労働をした場合

もっとも身近といってもいい割増賃金として、時間外労働に対して支払われる賃金があげられます(労働基準法37条1項)。

時間外労働は文字どおり所定の労働時間(1日8時間)を超えて働いた場合に支払われるもので、あなたの1時間あたりの給料を25%以上増やした金額が支払われます。

たとえば1時間あたりの給料が1,500円だとして、1日9時間働いた場合は8時間を超えた1時間分が割増賃金の対象になるため、時間外労働となるその1時間ぶんについては1,500円の25%を上乗せした1,875円が支払われます。

なお1日の労働時間が7時間だけの人が1時間残業をした場合も割増賃金の対象になると思われやすいですが、労働基準法によって1日8時間までは割増賃金の対象には含まれず、通常の時間額あたりの給料が支払われるに留まるのです。

深夜労働をした場合

職業によっては深夜に働いているという方もいらっしゃるでしょうが、深夜に働いた場合も割増賃金の対象になります(労働基準法37条4項)。

深夜労働の深夜とは午後10時から午前5時までと定義されており、この時間帯に労働をした場合は1時間あたりの給料の25%以上増やした給料が支払われるのです。

コンビニのアルバイトがわかりやすく、たとえば通常の時給が1,000円と設定されている場合に深夜労働をすると25%増しの1,250円が時給として支払われます。

たとえば午後9時スタートで、午前3時までのシフトの場合は午後9時から午後10時までは通常時給の1,000円で、午後10時から午前3時までの5時間は割増賃金で1,250円×5時間勤務するので6,250円、午後9時から午前3時までの合計で7,250円となるのです。

休日出勤をした場合

企業によっては休日出勤を命じられることがありますが、休日出勤をした場合も割増賃金が適用されます(労働基準法第37条1項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令)。

休日出勤の場合は時間外労働(法定時間外労動)と深夜労働とは違い、休日に労働した時間の35%増やした給料が支払われます。

たとえば休日に上司から1時間だけ呼び出されて労働した場合、1時間あたりの給料が1,500円の場合は2,025円(1,500円の35%増し)が支払われることになるのです。

賃金が正しく支払われているか知るには

残業や深夜労働をしていても、正しく給料(割増賃金)が支払われているかの確認を怠りがちです。

あなたの働きに応じた給料がきちんと支払われているか確認するためには、以下のように行動しなければいけません。

最低賃金を理解する

ご自身の給料が正しく支払われているかは、まずご自身の給料が最低賃金額をクリアしているかどうかから確認しなければなりません。

最低賃金は企業が遵守してくれるもののイメージがありますが、企業によっては最低賃金を下回って給料の支払いをしているところもあり、自分は大丈夫だと思って働いていると思わぬトラブルにあいます。

たとえば2020年における東京都の最低賃金額は1,013円ですが、東京にある企業にお勤めであなたの給料を時間額に換算して最低賃金額を下回っていれば正しい給料を支払ってもらっておらず、いわば損をしている状態なのでチェックは必須です。

違法な割増率を適用されていないかチェック

割増賃金はどこの企業も確実に計算してくれているものとも考えがちですが、確認のために一度は割増率をチェックされることを推奨します。

企業によっては就業規則に割増率を記載している場合がありますが、中には法律で定められた割増率よりも下回った数値を定めていることがあり、適正な割増賃金をもらえていない場合があるためです。

たとえば就業規則に「時間外労働をした場合は15%増しで支払う」などと記載されていても、法律が定める数値よりも下回っているためこのような規則は違法・無効となります。

賃金が正しく支払われていなかったときの対処法

もし給料が正しく支払われていないと判明したとしても、労働者という立場から直接会社に主張することは難しいでしょう。

給料が正しく支払われていなかった場合、あなたが直接会社に主張しなくても以下のような方法を用いれば改善される可能性が高まります。

労働基準監督署へ相談

給料が正しく支払われていなかった場合は、まず労働基準監督署に相談するとよいでしょう。

労働基準監督署は労働基準法だけでなく最低賃金法にまつわる事務もカバーしており、割増率や最低賃金といった問題も労働基準監督署が相談に対応してくれます。

たとえば割増賃金の対象になる労働をしたのに通常の給料しか支払われないような場合も労働基準監督署の守備範囲なので、労働基準法に基づいてお勤めの企業に調査や指導をしてくれるのです。

弁護士に依頼する

労働基準監督署ではカバーしきれないような複雑な問題であったり、しっかりと戦っていきたい場合は弁護士に相談・依頼されるのもよいでしょう。

仮にあなたが会社に言いたいことを主張できたとしても経営者から丸め込まれてしまうおそれがありますが、弁護士であれば正しい知識のもと毅然と主張していくので言いくるめられるおそれがありません。

たとえば割増率が違法なことを主張しても「この会社では私が法律だ」などと強く反論されれば萎縮して言い返せなくなりますが、弁護士であればこのような主張をされてもきちんと対処できるので会社に是正や対応を改善させることができます。

「弁護士に依頼したくても費用が高そうで依頼できない」という方もいらっしゃるでしょう。

もしあなたの所得が高くない場合は弁護士費用を立て替えてくれる法テラスの制度をもちいれば経済的負担を軽くすることも可能ですので、出費の面でお困りでしたら一度ご相談されてみてください。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。