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寝坊で遅刻したらクビになる?解雇が認められる条件を解説

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 繰り返し寝坊して遅刻すれば解雇される可能性があること
  • 客観的合理的な理由と社会通念上相当であることが認められなければ解雇が無効になる可能性があること
  • 不当解雇された場合は会社に解雇の無効を求められること

寝坊して遅刻したら会社からクビだと言われたけど、本当にクビになってしまうのか心配なのではないでしょうか?寝坊による遅刻だとしても、就業規則に定められた解雇事由に該当すれば解雇される可能性があります。ただし、会社が労働者を解雇するためには、客観的合理的な理由と社会通念上相当であることが認められることが必要です。

この記事では、寝坊しただけで会社からクビになるのか、解雇が無効になる可能性があるケース、不当解雇された場合にどうすればよいかについて解説します。

寝坊しただけで会社からクビになるのか

民法627条により、期間の定めのない雇用の場合は、会社はいつでも雇用契約の解約を申し入れる権利があります。

一方で、労働者の雇用を守るために労働契約法第16条によって会社の解雇権を濫用した解雇は無効だと定められています。

寝坊して遅刻しただけでも解雇の対象になりうる

期間の定めがない雇用関係であれば、雇用する側と雇用される側の双方が雇用契約の解約を申し入れることができます。ただし、労働者の雇用の確保という観点から、就業規則の中で解雇事由を記載し、解雇事由に該当する場合に限り解雇する会社がほとんどです。就業規則に解雇事由を記載することは、労働基準法第89条によって定められています。

就業規則の解雇事由には以下のような内容が書かれていることが多いです。

身体又は精神の障害により業務がおこなえない

能力不足、勤務不良があり、指導しても改善の見込みがない

規律性、協調性、責任性を欠き、他の従業員に悪影響を及ぼしている

上記のような解雇事由に該当すれば、解雇される可能性があるということです。

遅刻そのものに言及していない場合でも、勤務不良であると判断されたり無責任であると判断されたりすれば、遅刻したことを理由として解雇される可能性があります。

権利を濫用した解雇は無効になる

期間の定めがない雇用関係であれば会社はいつでも雇用契約を解約することができます。ですがこのような権利を濫用した解雇であると判断された場合は、解雇が無効になります。

権利を濫用した解雇とは、客観的合理的な理由がなく、社会通念上相当でない解雇を指します。権利を濫用した解雇が無効になることは、労働契約法第16条で定められています。

不当解雇であれば解雇の撤回を求められる

会社から解雇されても納得がいかない場合には、解雇の撤回を求めることも可能です。話し合いのうえで結論が出なければ、権利を濫用した解雇であるかを争点とした裁判で争うことになります。権利を濫用した解雇であると認められれば、解雇は無効と判断され、一定期間の賃金などを請求できます。

寝坊による遅刻を理由に解雇が無効になる可能性があるケース

寝坊による遅刻を理由に会社から解雇されても、裁判で解雇が無効になるケースがあります。どのような場合に解雇が無効となるのかと解説します。

就業規則に明記されていない

就業規則に解雇事由を記載することは、労働基準法第89条に定められています。解雇事由が就業規則に書かれていないからといって労働契約法第16条の解雇権が否定されるわけではありませんが、解雇が無効になる可能性があります。

寝坊だけに限定した内容を就業規則に書かれることは少ないですが、遅刻をすることは勤務態度の不良や責任性がないととらえられます。勤務態度の不良や責任性に関する表記が就業規則に書かれていないかを確認しておきましょう。

就業規則が周知されていない

就業規則が法的拘束力を発揮するためには、就業規則が従業員に周知されていることが必要です。過去の判例でも、就業規則が会社内に設置されていなかったことを理由として解雇が無効になっています。(2003年 フジ興産事件)

客観的合理的な理由がない

解雇に客観的合理的な理由がなければ、解雇権の濫用として解雇が無効になる可能性があります。客観的に合理的な理由とは、誰でも解雇することが納得できる理由であることです。著しく協調性がなかったり能力が不足していたりする場合は客観的に合理的な理由とみなされますが、上司の好き嫌いや気分については客観的に合理的な理由とみなされません。

他の従業員が何度も寝坊で遅刻しても解雇されていないのに、特定の従業員だけ寝坊で解雇されることがあれば、合理的ではないと判断される可能性があります。

社会通念上相当ではない

解雇することが、社会通念上相当ではないと判断されれば、解雇権の濫用として解雇が無効になる可能性があります。社会通念上相当とは、一般社会の基準に照らし合わせて妥当であるかどうかになります。一般的に解雇されることは人生にかかわる重大な問題です。就業規則の解雇事由に該当する場合でも、解雇するだけの相当性があるかによって解雇権の濫用かどうかが判断されます。

寝坊による遅刻だけを理由として解雇されるというのは、社会通念上相当であるとは言えないでしょう。何度指導しても繰り返し遅刻している、出勤日の大半で遅刻しているといったことがない限り、数回の遅刻では解雇の対象となりにくいです。

解雇禁止事項に該当する

以下のような理由や状況下では、解雇が禁止されています。

業務上災害のため療養している

産前産後の休業期間

労働組合の組合員である

女性従業員が結婚・妊娠・出産・産前産後の休業をした

育児・介護休業などを申し出た

予告なしに解雇された

解雇をおこなう場合は、最低でも30日前に解雇予告をおこなう必要があります。解雇予告をおこなわない場合は、30日分以上の平均賃金を支払わなければいけません。

不当解雇された場合どうすればよいか

法的に問題のある解雇だったとしても、なにもしなければ解雇されたままです。特に解雇権の濫用については、法的な知識がなければ判断が難しいですし、裁判でしか結論が出ない問題です。

実際に解雇されて、解雇が不当であると思った場合どうすればよいかについて解説します。

解雇理由証明書あるいは退職理由証明書を請求する

解雇理由証明書と退職理由証明書は、解雇された理由が具体的に書かれた書類です。解雇されたことが不当であるかどうかを判断しやすくなります。

解雇理由証明書は解雇予告された日から退職日までの間に請求でき、退職理由証明書は退職後に請求できます。

労働基準監督署へ相談する

労働基準監督署への相談は無料でおこなえます。解雇される過程で労働基準法違反があれば会社に対して是正勧告などをおこなってくれます。ただし、解雇権の濫用の判断については一切おこなってもらえません。

会社と話し合いをおこなう

解雇に対して納得できないのであれば、会社に解雇の撤回を求めることができます。ただし、会社が解雇の正当性を主張すれば、話し合いが平行線のまま進展しない可能性があります。

弁護士に相談

解雇が解雇権の濫用にあたるのかの判断をおこなうためには、法的な専門知識が必要です。会社との話し合いをおこなう場合には、弁護士からのアドバイスが貴重になります。不当解雇後の未払い賃金の請求もあわせておこなう場合には、交渉の代理人を依頼することもできます。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。