不当解雇・退職勧奨
お悩みお聞かせください

無料相談窓口(24時間全国対応)

※伺った事情をもとに、ショートメールメッセージ(SMS)か電話にて専門員が返答いたします

※ユニオンとしてご対応が難しいものでも、適切な相談先をお伝えしますので、まずはご連絡ください

解雇予告手当はいくら貰える?計算方法を分かりやすく解説

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

20181115182703 970a427b4f864e1640fc4630810f6aeacac203eb 1

この記事でわかること

  • 解雇予告手当とは、解雇を告げられた日から解雇までの日数が30日未満である場合、その日数に応じた金額を受け取れる金銭のこと。
  • 解雇予告手当の支給金額は、「1日分の平均賃金」と「解雇予告期間(30日)に満たなかった日数」をもとに決定する。
  • 解雇予告手当が支給されない場合は、労働基準監督署や弁護士に相談すること。

「即日解雇」や「解雇予告をされた」など、突然、生活の糧を失ってしまう状況に誰もが陥る可能性があります。

原則、雇用主は解雇日の30日前までにその旨を告げることが義務付けられていますが、その期間内に予告しなかった場合は、「解雇予告手当」を支払わなければいけません。

今回は、解雇予告手当の支給額はどのように計算できるのか、解雇予告手当が支払われなかった場合の対処法などについて解説していきます。

知っておくべき解雇予告手当の基礎知識

解雇予告手当とは、解雇予告なし、もしくは解雇予告期間内に予告されなかった場合、会社から受け取ることができる金銭のことです。

もしも会社から解雇予告手当が支払われないなら、違法の可能性があります。

違法かどうかを判断するには、労働基準法では解雇予告手当に関して何を定めているのか、適用対象者は誰なのか、を把握しておかなければいけません。

まず労働者が知っておくべき解雇予告手当の基礎についてみていきましょう。

解雇予告手当とは?

解雇予告手当とは、会社が労働者に対して、解雇予告なしで解雇する場合に、支払いが義務付けられている金銭給付のことです。

解雇を告げられた日から解雇までの日数が30日未満である場合、その日数に応じた金額を受け取ることができます。

労働基準法では、以下のように定めています。

労働基準法第20条1項 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。

労働基準法第20条第2項 前項の予告の日数は、1日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができる。

原則、会社は労働者を解雇しようとする場合、少なくとも30日前に解雇予告しなければいけません。

しかし、もしも解雇予告なしに即解雇する場合は30日分以上の平均賃金、もしくは解雇予告の期間が30日未満の場合は30日に不足する日数分の平均賃金を支払うことが義務付けられています。

これを「解雇予告手当」といいます。

解雇予告の日数は、平均賃金を支払った日数分だけ短縮することができるため、会社によっては、平均賃金を支払うことで即座に解雇することもあります。

解雇予告手当が支払われる対象者は?

解雇予告手当は、正社員はもちろん、パートやアルバイト、派遣社員などの非正規労働者も適用対象者として受け取ることができます。

ただし、例外として以下の条件に該当する労働者は解雇予告手当が適用されません。

  • 日雇い労働者
  • 契約期間が2ヶ月以内の労働者
  • 4ヶ月以内の季節的労働者
  • 試用期間中の労働者
  • 解雇予告手当が支払われない例外ケース

解雇予告手当が支払われない例外もあり、以下のように定められています。

労働基準法20条1項但し書き  但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合においては、この限りではない。

つまり、天災事変などで事業の継続が難しくなった場合や、雇用主が雇用契約を解消することをやむを得ないほど労働者に明確な責任がある場合などは、解雇予告手当の支払い義務はありません。

解雇予告手当の計算方法

解雇予告手当は、解雇日の何日前に解雇予告されたかにより、支払われる金額が異なります。

つまり、定められている一定の額が支払われるのではなく、個々の状況に応じて決められた計算式で金額が決定します。

では、解雇予告手当の計算方法についてみていきましょう。

【基本】解雇予告手当の計算方法

解雇予告手当は、「解雇予告手当=1日分の平均賃金×解雇予告期間(30日)に満たなかった日数」という計算式で求めます。

そのためには、まず1日分の平均賃金を求めなければいけません。

1日分の平均賃金は、「1日分の平均賃金=直前3ヶ月間支払われた賃金の総額÷3ヶ月間の総日数」という計算式で求めることができます。

よって、まず解雇前の3ヶ月分の賃金総額と総日数を求める必要があります。

要するに整理すると、解雇予告手当を計算するためには、

ステップ①解雇前3ヶ月分の賃金総額を求める

ステップ②3ヶ月間の総日数を求める

ステップ③1日分の平均賃金を求める

ステップ④解雇予告期間(30日)に満たなかった日数を求める

では、ひとつづつみていきましょう。

ステップ①解雇前3ヶ月分の賃金総額を求める

解雇前3ヶ月分の賃金総額とは、解雇予告された日(解雇予告日)の直前の賃金締切日から3ヶ月間、実際に支払われた賃金の総額のことです。

これには「源泉所得税」や「社会保険料」を控除する前の賃金が対象となります。

ただし、各種手当は賃金に含まれるものと含まれないものがあります。

基本的に毎月支払われる手当は賃金に含まれますが、毎月支払われない手当は賃金に含まれません。

具体的な例として、以下のものは賃金に含まれます。

  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 残業手当 など

一方、以下のものは賃金に含まれません。

  • 賞与(3ヶ月を超える期間ごとに支払われる場合のみ)
  • 結婚手当
  • 私傷病手当
  • 産休、育休、介護休業中の賃金
  • 労災で休業中に支払われた賃金
  • ステップ②3ヶ月分の総日数を求める

続いて、総日数を求めます。総日数とは、解雇予告日直前の賃金締切日から3ヶ月間の日数の合計のことです。

所定労働日数ではなく、暦日数をそのまま計算します。

例えば、毎月月末締めの給与形態で、8月末付けで解雇すると予告された場合は、直前の3ヶ月である6月1日から8月31日までの日数の合計である「92日(30日+31日+31日)」が解雇予告日直前の賃金締切日から3ヶ月間の総日数になります。

ステップ③1日分の平均賃金を求める

①で求めた「賃金総額」を、②の「総日数」で割り、1日分の平均賃金を計算します。

つまり、「1日分の平均賃金=直前3ヶ月間支払われた賃金の総額÷3ヶ月間の総日数」という計算式に当てはめます。

ただし、ここで注意が必要です。

最低保障の観点から、1日分の平均賃金を計算する場合、「賃金総額÷解雇前の3ヶ月間の出勤日数×0.6」よりも、1日分の平均賃金が下回ることは認められていません。

よって、「1日分の平均賃金は直前3ヶ月間支払われた賃金の総額÷3ヶ月間の総日数」の金額と、「直前3ヶ月間支払われた賃金総額÷解雇前の3ヶ月間の出勤日数×0.6」の金額を比較し、高い金額の方が適用されます。

ステップ④解雇予告期間(30日)に満たなかった日数を求める

1日分の平均賃金を計算した後は、解雇予告期間(30日)に満たなかった日数を求めます。

解雇予告期間には、解雇予告した日は含まれず、その翌日からカウントします。

つまり、「日数=解雇予告期間30日ー解雇予告期間を短縮したい日数」という計算式を当てはめます。

例えば、6月30日付けで解雇される場合、必要となる解雇予告手当は以下のようになります。

  • 5月31日に解雇を告げられた場合→30日前の予告なので解雇予告手当なし
  • 6月10日に解雇を告げられた場合→20日前の予告なので10日分の解雇予告手当
  • 6月20日に解雇を告げられた場合→10日前の予告なので20日分の解雇予告手当
  • 6月30日に解雇を告げられた場合→即日の解雇なので30日分の解雇予告手当

解雇予告期間(30日)に満たなかった日数を求めることができたら、その日数に「1日分の平均賃金」を乗じれば、解雇予告手当の金額となります。

解雇予告手当を支払ってもらえないときの対処法

原則、解雇予告手当は、解雇の効力が発生する日までに支払わなければいけません。

つまり、実際に解雇される日までに支払われなければならないものです。

では、解雇予告手当が支払わない場合は、どうすればよいのでしょうか?

解雇予告手当は給与とは異なる性質をもつ金銭

解雇予告手当は、給与とは全く異なるものです。

例えば、6月30日付けで解雇すると、6月20日に解雇を告げられた場合は、10日前の予告なので20日分の解雇予告手当が支払わなけばいけません。

しかし、それと同時に6月30日までは会社に在籍しているため、6月分の給与も全額支払われる必要があります。

つまり、解雇予告手当は給与とは異なりますので、解雇予告手当がしっかり支払われるかどうかを確認することはとても大切です。

まずは解雇予告手当を計算してみる

30日前に解雇予告してもらえない上、すぐに解雇予告手当が支払われない場合は、まず解雇予告手当の計算をしてみましょう。

直近3ヶ月間の給与明細書をもとに解雇予告手当を計算し、雇用主に解雇予告手当の支払いについて確認し、請求してください。

労働基準監督署に相談してみる

解雇と同時に解雇予告手当が支払われない場合は、違法性が高いと考えられます。

雇用主に直接請求しても応じてくれない場合は、労働基準監督署へ解雇予告手当が支払われない旨を相談してください。

なお、解雇予告手当が支払われなかった場合は、労働基準法違反となり、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります(労働基準法第119条)。

労働審判を申し立てる

労働基準監督署からの勧告や調査があったにもかかわらず、解雇予告手当が支払われない場合は、労働審判を申し立てることができるかもしれません。

労働者が裁判所へ申立てをした場合は、本来支払われるべきだった額の2倍の金額が「付加金」として支払われることが認められる可能性があります(労働基準法第114条)。

弁護士に相談する

弁護士に相談することも解決策のひとつです。

法的根拠に基づいて、解雇予告手当が支払われるよう助けてくれるでしょう。

特に労働審判を申し立てることを考えているなら、弁護士に依頼すると安心です。

まずは労働問題を専門とする弁護士に相談してみましょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

詳しくはこちら

みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。