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最低賃金額はいくら?自分の賃金が最低賃金以下か確認する方法

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 最低賃金には「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の2種類がある
  • 地域別最低賃金は各都道府県で働く全ての労働者に適用される
  • 最低賃金の対象にボーナスや残業代は含まれない

最低賃金とは最低賃金法に基づき、国が定めた賃金の最低額です。使用者は従業員に対し、最低賃金額以上の賃金を支払う必要があります。最低賃金として定められた金額は、都道府県ごとに異なります。自分の給料が最低賃金法で定められた水準を守っているか確認するためは、まずは最低賃金額がいくらなのか知らなければいけません。本記事では各都道府県の最低賃金額や、最低賃金額を下回っていた場合の対処法などを紹介します。給料の低さでお悩みの方は、もしかしたら最低賃金を下回る環境で働いているかもしれません。そのような方に本記事は役立つ内容なので、ぜひご一読ください。

最低賃金制度とは

国が定める最低賃金額以下の賃金を定めた場合、例え労働者との合意があったとしても、この賃金額は無効となり最低賃金額が適用されます。ですから最低賃金額は必ず支給を受けることが可能です。最低賃金制度の種類や、最低賃金が適用される労働者の範囲など、最低賃金制度について詳しく解説します。

最低賃金には2つある

最低賃金には、地域別最低賃金と特定最低賃金の2種類があります。地域別最低賃金とは、各都道府県内で働く全ての会社と従業員に対して適用される賃金です。各都道府県ごとに金額が異なり、計47件の最低賃金が定められています。地域別最低賃金は毎年改定され、令和2年最新の地域別最低賃金額は、最高が東京都の1,013円、最低が秋田県や沖縄県などの792円です。全国平均に換算すると902円で、前年度に比べて1円増しとなっています。一方、特定最低賃金は特定の「産業」について、定められた最低賃金です。最低賃金審議会という厚生労働省に設置された機関が、地域別最低賃金よりも高い最低賃金を定めることが必要と認められた産業にのみ、特定最低賃金が定められています。例えば地域別最低賃金が925円の千葉県では、鉄鋼業の特定最低賃金は995円に設定されています。地域別最低賃金と特定最低賃金の両者が適用される場合、両者のうち高額が適用されるというルールです。地域によっては地域別最低賃金よりも特定最低賃金額の方が低いケースもあり、この場合は地域別最低賃金額が適用されます。特定最低賃金は全国で228件の最低賃金が設定されており、全国非金属鉱業最低賃金という全国に適用される最低賃金を除いて、227件は各都道府県の特定の産業について決定されています。

最低賃金が適用となる対象

地域別最低賃金は、産業や職種に関係なく、パートやアルバイト、嘱託などの雇用形態にも関わらず、全ての労働者に適用されます。一方、特定最低賃金は前述の通り、特定地域内の特定産業の労働者・使用者が適用対象です。ただし、18歳未満もしくは65歳以上の方、雇い入れ間もなく技能習得中の方、特定の産業特有の軽易な業務に従事する方は特定最低賃金の適用外になります。なお以下の条件に当てはまる方は、最低賃金を適用させるとかえって雇用機会を狭めるとの恐れから、最低賃金を減額させる特例が認められています。

精神や身体の障害により、著しく労働能力が低い方

試用期間中の方

基礎的な技能等習得のための認定職業訓練を受けている方のうち、厚生労働省令で定める方

軽易な業務に従事する方

断続的労働に従事する方

最低賃金減額の特例適用の際には、使用者が労働局長に対して届出を行い、許可を受ける必要があります。

最低賃金の対象となる賃金

最低賃金の対象となるのは、毎月支払われる基本的な賃金を指し、具体的には基本給と諸手当です。全ての手当が最低賃金の対象となるわけではなく、皆勤手当・通勤手当・家族手当は最低賃金の対象とはなりません。また、ボーナスや時間外勤務手当等の所定外給与に関しても対象外です。

最低賃金を下回っているかどうか計算する方法

最低賃金には含まれる項目とそうでない項目があり、算定がややこしいです。また、時間制や日給制など給与の支払い方法によって最低賃金の確認方法が異なります。ここでは最低賃金額以上かどうか、確認する方法を紹介します。

最低賃金を下回っているか計算する方法

時間給制の場合、時間給と最低賃金額を比較すれば、簡単に最低賃金額以上の賃金かどうか確認可能です。最低賃金額は時給の形で表されているので、何かしらの計算が必要なわけではありません。日給制の場合、「日給÷1日の所定労働時間」で時間給を算出し、最低賃金額と比較します。日額が定められている特定産業に従事する方は、その日給と最低賃金額を比較します。月給制の場合、「月給÷1箇月平均所定労働時間」で算出された金額と最低賃金額の比較です。具体的な事例を挙げて、考えてみましょう。

月給制の事例

例えば、埼玉県で働くAさんは基本給が月20万円、職務に関連する手当が月3万円、通勤手当が1万円支給されています。その他、時間外手当として35,000円の支給を受けたので合計27万5,000円になりました。Aさんの会社では年間の所定労働日数は250日、1日の所定労働時間は8時間です。Aさんの賃金から、最低賃金の対象とならない金額を除外しましょう。職務手当以外は除外されるので、275,000-(10,000+35,000)=230,000円です。この金額を時間給に換算すると、(230,000円×12ヵ月)÷(250日×8時間)=1,380円になります。埼玉県の最低賃金は928円なので、このケースでは平均賃金を上回っています。

最低賃金を下回っていたらどうすべき?

最低賃金は毎年改定されるので、最初は適切な水準でも知らぬ間に下回る可能性があります。最低賃金を下回った場合、どう対処すべきか解説します。

労働基準監督署に相談する

自分が最低賃金額を下回る金額で働かされていたことが分かったら、まずは労働基準監督署への相談をおすすめします。労働基準監督署はいわば労働関係法令の警察に該当する機関で、会社に立ち入り検査を行う権限を保有し、違反行為に対して是正指導を行うことが可能です。匿名での相談も可能で、相談したことが会社に分からないように対応してもらうこともできるため、会社に直接言えない時や、言っても聞く耳を持ってくれない時は労働基準監督署に相談しましょう。もしばれたら会社で嫌がらせを受けたり、最悪クビになったら嫌だなと考えるかもしれません。しかし、従業員が法律違反の事実を労働基準監督署に対して申告したために、会社が従業員に対して不利益な取り扱いをすることは認められません。(最低賃金法34条2項)労働法は申告した者を守ることを定めているので、安心してください。

使用者が労働者を最低賃金を下回る金額で働かせていた場合、50万円以下の罰金に処されます。(最低賃金法第40条)

最低賃金との差額を会社に請求する

過去2年間の間に生じた最低賃金との差額については、会社に請求可能です。直接会社に請求できるほか、労働局等の「個別労働関係紛争調整制度」を利用できます。ただし、試用期間中は最低賃金を下回る金額で働かされても、違法とは言えないので注意してください。最低賃金法7条の「減額特例制度」によって、試用期間中の労働者に対しては最大20%まで最低賃金を減額することが認められています。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。