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パワハラで慰謝料請求する際の手続やポイントを徹底解説

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • パワハラで慰謝料を請求する際は証拠集めが重要
  • 弁護士に相談するほか、労働審判も利用できる
  • 訴訟をおこす際は、費用に見合うだけの慰謝料が獲得できるか考える

上司からの行き過ぎたきつい言動により、精神を病んでしまう方は少なくありません。パワハラで受けた精神的苦痛に報いてもらうために、会社や上司に慰謝料を請求したいケースは多いはずです。しかし、慰謝料を請求したくても「パワハラでは慰謝料をどれだけもらえるのだろう」「慰謝料の請求手続きはどうすべきか分からない」といった疑問を抱くことでしょう。今回はパワハラの慰謝料請求で必要な手続き、期待できる慰謝料額などについて解説します。

【パワハラ】慰謝料の請求のために取るべき手続き

まずはパワハラを受け慰謝料を請求したいと感じた時に取るべき手続きを紹介します。簡単にまとめると「パワハラの証拠集め」→「加害者や会社との話合い」→「訴訟手続きに移行」という流れを踏みます。具体的な内容をチェックしましょう。

ステップ①証拠集め

パワハラの裁判手続で主張を有利に進めるためには、証拠の存在が非常に重要です。なぜならパワハラは密閉した空間で行われる場合が多く、本人の主張だけでは本当にパワハラがあったことの証明が難しいためです。

準備すべきものは「パワハラの事実を証明する証拠」「パワハラの被害を証明する証拠」の2つになります。パワハラの事実を証明する証拠として良いのは、録音した音声です。暴言や暴力の音声が残っていれば、どれだけ酷いことが行われていたか第三者にも伝わります。ボイスレコーダーの他、スマホでも録音は可能なので、相手にバレないようにうまく音声を記録しましょう。録音が難しければ、日々のパワハラ被害を綴った日記やパワハラを目撃した同僚の証言なども証拠になり得ます。パワハラの被害を証明する証拠として考えられるのは、病院でもらう診断書や診療費用の領収書などです。病院からうつ病などの診断書をもらっていれば、精神疾患を発症したという主張が嘘ではないのだと判断できます。慰謝料の請求では精神的苦痛に対する損害賠償のほかに、治療にかかった実費を請求できる場合もあるので、病院で診療を受けたら領収書を保管しておきましょう。

ステップ②会社側と話合う

証拠が用意できたら次のステップとして会社側と話し合いましょう。裁判を提起すると費用が発生するので、当人間の話合いで解決できるならそれが一番です。パワハラを受けた相手に直談判するのは非常に勇気がいることですし、逆上した上司からさらに酷いパワハラ行為を受ける危険もあります。ですので、個人ではなく会社側に相談するのがおすすめです。

人事部や労働組合にパワハラ相談窓口が設置されている会社も増えています。従業員の訴えが会社の耳に入れば、会社は従業員が働きやすいように労働環境を改善する義務がある(労働契約法5条)ので、パワハラ行為が収まる可能性もあります。また相談したのに何の対策も施してくれなかったとしても、その事実は裁判で有利に進めるための証拠となります。このため、会社への相談の内容やその後の交渉の過程についても全て記録するようにしてください。

ステップ③弁護士に相談する

会社に相談しても状況が改善しない場合は、いよいよ法的措置の検討に移りましょう。慰謝料の請求は労働基準監督署などの公的機関では対応できないので、弁護士への相談が必要です。また会社に対して慰謝料の請求をしたいと伝えたら、会社の顧問弁護士が登場する可能性もあります。こうなると一介の従業員だけでは交渉を有利に進めることが厳しくなるため、慰謝料を請求したいなら弁護士への相談は必須だと言えるでしょう。

弁護士に会社との交渉を代行してもらっても、こちらの要求に対し拒否する姿勢を崩さない場合、話し合いがまとまらない場合などは裁判手続きに移行することになります。裁判になれば証拠を出すタイミングや駆け引きなども必要になるため、弁護士の力を借りなければなりません。将来の裁判手続きへの移行も見据えて、早めに弁護士へ相談しておきましょう。

労働審判による解決策もある

費用の問題等で弁護士への依頼が難しいケースもあるでしょう。それでも裁判手続きで決着を付けたいという方には、労働審判の利用がおすすめです。労働審判では裁判官と労働審判員2名がつき、中立公正な立場で審理に関与します。

弁護士に依頼しなくても本人だけで利用できますが、実際にはかなり大変な手続きとなるため、労働審判を申し立てる際は相談だけでも弁護士にした方が良いでしょう。

労働審判は原則3回以内で審理が終了するので、裁判に比べて迅速な解決が図りやすい点が特徴です。

裁判に比べて利便性が高い手続きだと言えますが、特有の注意点も存在します。労働審判の対象となるトラブルは、個々の労働者と会社との間の紛争に限られます。加害者個人の責任を追及することはできないため、加害者個人を訴えたいのであれば労働審判は向いていません。

パワハラの慰謝料請求に当たってすべきこと

パワハラを受けた恨み・憎しみから、相手に損失を生じさせたいと思い、慰謝料を請求する方もいるでしょう。しかし慰謝料の請求が本当に自分のためになるか冷静になってよく考えてみてください。訴訟を提起するには、弁護士への報酬や手数料などの費用が発生します。これらの金額を差し引いたら、手元に入る金額は雀の涙程度になってしまうかもしれません。パワハラの慰謝料請求で満足いく結果を得られるために、すべきことをまとめました。

訴訟にかかる費用を計算しておく

訴訟を起こして損害賠償を請求すると、訴訟の手数料と弁護士への依頼費用という2つの費用が発生します。これらの費用を考慮しても十分な損害賠償額を得られるか考えましょう。訴訟の際にかかる手数料は要求する損害賠償額によって変わってきます。例えば200万円の訴訟額の場合、訴えの提起の際に15,000円の手数料が発生します。手数料額の早見表は裁判所のホームページに掲載されているので、気になる方はご覧になってください。

弁護士費用の金額ですが、数十万円程度の高額な費用が発生します。報酬は大きく着手金と報酬金の2つに分かれ、着手金は裁判に負けたとしても支払わなければいけません。他にも弁護士の裁判所までの交通費や、書類作成の費用などが別途でかかる事務所もあります。弁護士に依頼する際は料金体系がどうなっているのか、よく把握しておきましょう。

高額な慰謝料獲得のポイントを押さえておく

パワハラで獲得できる慰謝料の金額は、パワハラ行為の様態、被害の甚大さなどの事情により変わってきます。そのため一概に相場の金額を申し上げることは難しいです。パワハラで高額な慰謝料を獲得するポイントはいくつか存在します。そのポイントとは以下の通りです。

行為の内容が悪質であるか

被害者と加害者の力関係の差が大きいにか

パワハラを受けていた期間は長いか

パワハラ相手の数は複数人いたか

相談したのに何もしてくれないなど会社の対応に問題があったか

自殺してしまったなどパワハラによる実害が大きいか

これらの点を押さえて主張を展開できれば、望んだ額の保障を受けられる確率が高まります。

過去の事例から相場を把握する

過去に提起されたパワハラに関する訴訟はいくつもあります。過去の事例で命じられた賠償額を把握すれば、同様の事案でどれほどの賠償額が期待できるか判断する材料になるでしょう。

例えば日本ファンド事件というパワハラ訴訟では、パワハラを原因に抑うつ状態に陥った消費者金融の従業員に対し、一人当たり10~60万円の賠償命令が発出されました。この事例では扇風機の風を当て続ける、理不尽な始末書を書かせる、暴言をふるうなどのパワハラ行為があったそうです。パワハラで抑うつ状態に陥るケースは少なくないので、上記の事例は慰謝料額の良い判断事例になるかと思われます。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。