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雇い止めになったら?拒否するための対抗手段を紹介

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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この記事でわかること

  • 「雇い止め」とは有期雇用契約の更新が使用者に拒否されること
  • 「雇い止め」になった場合にそれを拒否する2つの手段
  • 「雇い止め」を拒否できなかった場合の救済手段

勤務先から突然「雇い止め」だといわれた場合どうすればよいのでしょうか。

雇用期間が決まっている場合は仕方ないのでしょうか。

今回は雇い止めを拒否するための手段等を解説していきます。

雇い止めとは使用者側の更新拒否

まず,「雇い止め」とはどのような状況を指すのでしょうか。雇い止めに関連して有期雇用契約の諸問題について説明します。

「雇い止め」とは何か

「雇い止め(やといどめ)」とは,使用者が有期雇用契約の労働者の契約を更新せず期間満了により労使間の雇用契約が終了することを指します。

期間の定めのない雇用契約の場合には契約更新は観念できませんので,更新拒否による「雇い止め」の問題が生じることはありません。

同様に労使間の雇用契約が終了する効果があるものに「解雇」があります。しかし「解雇」は雇用期間中に使用者から労働者に対して契約を解消する旨を一方的に告知することを指しますので「雇い止め」とは異なります。

有期雇用契約の規制

法律上,労働契約は,期間の定めのないものを除き,一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは,「3年」を超えて有期雇用契約を締結することができません。(労働基準法第14条1項)

ただし,専門的な知識又は経験等を有する労働者との間に締結される労働契約や,満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約については,上限「5年」まで有期雇用契約の締結が可能です。

また,法律には,「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても,やむを得ない事由があるとき」は有期雇用契約を途中で解除することができると規定しています。(民法628条)

これは,「解雇」にあたりますので,使用者は,労働者に対して少なくとも「30日前にその予告」をするか,30日前に予告をしない場合には「30日分以上の平均賃金(これは「解雇予告手当」とも呼ばれます。)」を支払わなければなりません。

有期雇用契約の問題点

有期労働契約は,パート労働や,派遣労働など正社員以外の労働形態に多くみられる労働契約の形式です。

有期労働契約で働く労働者は全国に約1200万人いると言われています。

有期労働契約で働く人の30%が通算5年を超えて有期労働契約を反復更新してる実態にあります。

前提として,そのような有期雇用契約を締結することや会社が有期雇用契約の更新をしないこと自体法的に問題はありません。

しかし,一方で有期雇用の労働者は雇い止めに遭うのではないかという不安や,有期雇用であるため不合理な労働条件が定められるのではないかなどの問題があります。

このような有期雇用労働者の不安を解消するために法律は有期雇用労働者を保護しようとしています。

雇い止めを拒否できる条件とは

「雇い止め」に遭った場合,勤続年数が5年を超えるかそれ以下であるかで拒否できる手段が変わってきます。

勤続「5年超え」で無期契約へ転換

同一の使用者との間で,有期労働契約を通算で「5年」を超えて反復更新された場合には無期労働契約へ転換させることができます。(労働契約法第18条参照)

平成25年4月1日以降に開始した有期労働契約の通算契約期間が5年を超える場合,その契約期間の初日から末日までの間に,「無期転換の申込み」をすることができます。

ここで,「無期転換の申込み」をすることで,使用者が申込みを承諾したものとみなされ,そこから「無期労働契約」がその時点で成立します。

無期契約に転換されるのは,申込み時の有期労働契約が終了する翌日からです。

ここで,変更される無期労働契約の労働条件(職務,勤務地,賃金,労働時間など)は,「別段の定め」がない限り,直前の有期労働契約と同一になります。

ここで,「別段の定め」とは,労働協約や就業規則,個別労働契約などを指します。

有期労働契約とその次の有期労働契約の間に,契約がない期間が6か月以上あるときは,その空白期間より前の有期労働契約は通算契約期間に含められません。

この空白期間を「クーリング」と呼ばれます。通算対象の契約期間が1年未満の場合には,その2分の1以上の空白期間があればそれ以前の有期労働契約は通算契約期間には含められません。

勤続「5年以下」の場合の対抗手段

勤続5年以下であっても雇い止めを拒否できる手段があります。

有期労働契約の労働者は使用者が更新を拒否した場合には,契約期間の満了によって雇用が終了してしまうのが原則です。

しかし,一定の場合には有期労働契約の更新を強制的に実現させることができます。(労働契約法第19条参照)

まず対象となるのは以下のような有期雇用労働者です。

  • 当該有期労働契約が「過去に反復して更新」されたことがあること
  • その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新せず労働契約を終了させることが,「期間の定めのない労働契約を締結している労働者の解雇することと社会通念上同視できる」と認められること

さらに次の有期雇用労働者も対象となります。

  • 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に「有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由がある」ものであると認められること

上記に該当する労働者は契約期間が満了するまでの間に有期労働契約の「更新の申し込み」をするか,当該契約期間の満了後遅滞なく「有期労働契約の締結の申し込み」をしなければなりません。

労働者がこのような手続をした場合,使用者が当該申込みを拒絶することが,「客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められないとき」は,使用者は当該申込みを「承諾したものとみなされ」ます。

このように更新された労働契約は,従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件となります。

雇い止めになった場合の対抗策

ここまで説明した制度によっても雇い止めを拒否できない場合には救済手段はないのでしょうか。

失業保険を受け取れる可能性

「雇い止め」になった場合に失業保険が受け取れる可能性があります。

失業保険を受け取るためには離職票に記載された離職理由に応じて取り扱いが異なります。

「特定受給資格者」や「特定理由離職者」は,離職票を提出し求職の申込みを行った日(受給資格決定日)から7日間の「待期期間」経過後から失業手当を受給することができます。

期間の定めのある労働契約の期間が満了し,かつ,当該労働契約の更新がないことにより離職した労働者は「特定理由離職者」に該当します。

また,「特定受給資格者」には,解雇により離職した者のほかに,期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引続き雇用されるに至った場合において当該労働契約が更新されないことになったことにより離職した労働者も含まれます。

さらに,期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した労働者も「特定受給資格者」に該当します。

通常の受給資格者であれば被保険者である期間が12か月以上(離職以前2年間)必要となります。しかし「特定受給資格者」や「特定理由離職者」に該当する労働者であれば被保険者である期間が6か月以上(離職以前1年間)であれば失業保険などの受給資格を得ることができます。

違法な雇い止めに対して無効主張・損害賠償請求

法律に違反した「雇い止め」は違法・無効です。雇い止めが無効であるということは会社と雇用契約が継続していることになりますので,使用者側に雇い止めの無効を主張して継続勤務を求めていくことができます。

具体的には,労働契約法第18条違反を主張して無期労働契約への転換を前提として復職を求めたり,労働契約法第19条違反を主張して有期雇用契約が更新されたことを前提に復職を求めていったりすることになります。

いずれも労働者から使用者への「申込み」が必要になりますので,そのような「申込み」を適切に書面で通知していく必要があります。

「雇い止め」に納得はいかないけれどもそのような職場への復職は気が進まないというケースもあるでしょう。雇い止めの程度が明らかに法令に違反しているような悪質な場合には慰謝料を含めた未払賃金の支払など金銭的に解決できる場合もあります。

会社に内容証明郵便を送付したり,ご自身が雇い止めで損害賠償請求できる事案か否かの判断したりすることは難しいと思います。「雇い止め」で悩まれている方は是非法律の専門家である弁護士に相談してみましょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。