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突然解雇を言い渡されたらどうする?解雇の有効性について解説します

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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コロナ禍による業績の悪化に伴い、自分が解雇をされるのではないか。そういった不安を抱えておられる方もいらっしゃると思います。

本記事では、解雇をすることができる要件について説明をし、その具体例、万が一不当解雇をされた場合にやるべき事について説明をします。

解雇の要件について

解雇というと、ある日突然、会社の社長から呼び出されて、「明日から会社に来なくて良い」と言われ、路頭に迷う…というイメージがあるかもしれません。

しかし、労働法上、使用者が労働者を自由に解雇することは出来ません。

以下、解雇の要件等について説明します。

解雇の要件とは?

解雇とは、使用者による一方的な労働契約の解約のことをいいます

民法では、期間の定めがない労働契約はいつでも解約できると規定されています(民法627条)。

しかし、労働者と使用者は、対等な契約当事者では無く、使用者の方が強い立場にあるため、労働者保護の観点から、この民法のルールを修正しております。
労働契約法上の要件は?

労働契約法16条では、解雇をするためには、①客観的に合理的な理由と②社会通念上の相当性が必要であると規定されています。

そのため、まずは、①合理的な理由が必要となりますが、合理的な理由とは、

  • 労働者の労働能力や適格性の低下・喪失
  • 労働者の義務違反や規律違反行為
  • 経営上の必要性

などのことをいうと考えられています。

このような合理的な理由があることに加えて、解雇をすることが②社会通念上相当なものかという判断がされます。

この社会通念上相当かどうかについても、実務的には、労働者に有利に解釈をされております。

整理解雇の法理について

整理解雇とは、使用者が経営不振などの経営上の理由により人員削減の手段として行う解雇をいいます。

コロナでの業績悪化を理由として解雇する場合もこれに含まれます。

整理解雇においては、一般の解雇よりも厳しい制約が課されていますので、労働者に有利に判断をされます。

整理解雇の場合は、

  1. 人員削減の必要性
  2. 解雇回避努力を行ったか
  3. 人選の合理性
  4. 手続きの妥当性

の4要件を満たすが必要と考えられております。

不当解雇に該当する例

前述した要件により、どのような場合に不当解雇に該当するのか検討をしていきます。

次に挙げられる例題が不当解雇に当たりうるのか、その判断の際のポイントを解説します。

製品の需要減少により、経営状況が悪化したことを理由とする解雇

まず、①客観的に合理的な理由についてですが、経営上の必要性が挙げられていますので満たされるとも思えます。

しかし、経営不振を理由とするものでありますから、前述した整理解雇の法理が該当します。

そのため、整理解雇の法理の4要件から判断をすることになります。
整理解雇の4要件を当てはめると?

1 人員削減の必要性について

上記例によると、製品の需要減少により経営状況が悪化していることから、企業の財政状況から判断すると認められる可能性は十分にあるといえます。

労働者としては、使用者から経営状況が厳しいという言葉を真に受けるのではなく、客観的な資料の提示を求めていくべきです。

2 解雇回避努力を行ったか

人員削減の必要性があった場合でも、余剰人員の配転や出向などの解雇以外の人員削減手段を用いて解雇を回避できたのかどうかが必要となります。

また、ボーナスの削減や役員報酬の減額などの解雇を回避するためのコストカットを行ったかも重要な判断要素です。

上記例においても、単に人員削減の必要性だけでは理由になりません。

労働者としては、会社が解雇をする他に何らかの手段をしていたのか聞き取りを行うべきです。

3 人選の必要性

解雇をする人選についても制限があります。

使用者は、合理的な人選基準を定め、その基準を公正に適用して解雇者を選定する必要があります。

合理的な基準とは、基本的には、勤務成績や勤務年数等を考慮した基準が求められます。

労働者としては、上記例においても解雇の際に合理的な人選基準があるのかを確認し、その基準が公正に適用されたのかを判断する必要があります。

4 手続きの妥当性

使用者は、人員整理の必要性、解雇回避の方法等について事前に説明を行わなければならないと考えられております。

労働者としては、このような説明を受けずに解雇を言い渡された場合は、説明を求めることができます。

以上より、4要件を満たすか判断をし、使用者がこれに反するような解雇をした場合は、不当解雇といえます。

労働者の能力に問題があることを理由とする解雇について

労働能力の労働能力に問題があるとして解雇を言い渡された場合、①解雇の合理的理由については、一応認められるといえます。

では②社会的相当性は認められるのか以下検討をします。

まず、労働能力の程度については、判例上、単に能力・能率が低いだけではなく、労働契約の継続を困難とするほどの重大な能力低下がなければならないと考えられています。

判例では、人事考課の結果が下位10%未満の者になされた解雇について無効とされた例があります。

このように労働能力に問題があることを理由とする解雇は、厳しく考えられていますので、相対的に仕事が出来ないというだけで解雇を言い渡した場合、その解雇は不当解雇であるといえます。

不当解雇の争い方について

では、不当解雇をされた場合、どうしたら良いでしょうか。

ここでは、弁護士などに相談する前に用意すべきものや不当解雇の争い方について説明をします。

自分で用意するもの

不当解雇を争う前には、解雇理由証明書の発行を求めると良いと思います。

解雇理由証明書には文字通り解雇に至った理由の記載があるため、前述した解雇の要件該当性の判断に役立ちます。

次に就業規則にも解雇事由等の記載が考えられますので、そのコピーをとり、該当部部分を確認しましょう。

なお、使用者から解雇を言い渡されたとしても書面にサインをするなどその場で受け入れることはしてはなりません

今後の解雇無効を主張しにくくなります。

解雇の争い方

解雇の争い方として考えられるのは、訴外での交渉労働審判訴訟になります。

訴外での交渉をする場合

訴外での交渉とは、訴訟などの法的な手続きを使わずに、会社との間で話し合いを行うことをいいます。

具体的には、会社の社長などとの話し合いの機会を設け、その中で解雇の不当性について主張をしていくことになります。

内容証明郵便にて、自分の主張を予め会社に送付しておくことも有効かと思います。

個人で交渉する以外にも、弁護士や労働組合に依頼をし代理交渉をしてもらうことも可能です。

労働審判をする場合

労働審判とは、簡単に言ってしまえば裁判所での話し合いのことをいいます。

しかし、原則として3回以内での審理とされており、比較的スピーディーに解決までできます。

また、裁判官の他に2人の労働審判員がおり、丁寧に話を聞いてくれますので、解決に向けた意味ある話し合いができます。

他方で、原則として3回しか審理が開かれないことから、事前の準備が大切であるともいえます。

そのため、事前にしっかりと証拠を集め、どの点で不当解雇にあたると考えているのかをしっかりと書くようにしなければなりません。

その点で、労働者ご本人だけでの申立は難しいかもしれません。

訴訟を行う場合

労働審判でも結論が出ない場合は、訴訟をすることになります。

訴訟では、じっくりとした主張をすることが出来、終局的な解決に繋がります。

しかし、その分時間はかかることが多く、1年以上かかることも多々あります

手続選択等は、法的な判断も必要となるところですので、一度弁護士等の専門家に相談をすることをおすすめします。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。