不当解雇・退職勧奨の
お悩みお聞かせください
※伺った事情をもとに、ショートメールメッセージ(SMS)か電話にて専門員が返答いたします
※ユニオンとしてご対応が難しいものでも、適切な相談先をお伝えしますので、まずはご連絡ください
「給与日に、給与が振り込まれていなかった…」
「先月あれだけ残業したのに、全額支払われてない?」
当たり前のように受け取っている給与ですが、どの労働者に対しても、給与未払い問題が生じる可能性はゼロではありません。
例えば景気後退や経済不振は、どの立場の人間にも少なからず影響を及ぼします。しかし、そういった背景があるからといって、給与を支払ってもらえなかった労働者は、誰に相談することもできず、涙をのむしかないのでしょうか。
ただでさえ立場が弱い労働者にとっては、給与未払いはあまりにも酷です。この記事では、給与未払いとなった労働者に対し、給与未払いについてすぐにやるべきことや、相談先を紹介します。
目次
給与未払いが発生すると、労働者としては生活に影響が出てしまいます。
給与未払いの時期が長くなるにつれ、より生活は厳しくなってしまううえ、給与等の請求権には消滅時効が存在するので(法改正による経過措置として当分の間3年)、解決に向けて早急に動き出すことが重要です。しかるべき場所(行政機関等)を訪問し、相談することも重要ですが、まずは労働者自身でやるべきことについて確認してみましょう。
労働者がまず行わなければならないのは、いくら支払われていないのか、会社が支払うべきものであるのか、給与未払いの内容を確認することです。そして、確認と同時に、未払いの給与が、「本来会社が支払わなければならないものである」ことが第三者にもわかるようにしておくことがポイントです。
確認方法は?
支払われなかった額が残業代の一部だったような場合、単なるミスの可能性もあり、会社に確認したらすぐに払ってくれたというケースもあります。
給与未払いの内容は、以下のような書類から確認しましょう。
こういった書類は給与未払いに対する「証拠」にもなるため、集められた証拠は保管しておきましょう。
解決に向け、労働者自身でできることは、会社に対して給与未払いに関する請求・相談をすることです。前述した給与未払いに対する証拠を示し、支払ってほしいという請求とともに、いつ支払ってもらえるか等、相談してみましょう。
利点は?
しかし、給与未払いは会社側の重大な義務違反であり、明らかな違法行為(罰則規定もあります)であるため、単なるミスのような場合でない限り、実際に給与が支払われなかったという時点で、個人の相談レベルで解決に至ることは非常に難しいでしょう。
しかしながら、後述する公的な相談窓口を頼った場合でも、「給与未払いについて、会社に相談や請求はしたか」という部分を確認されることがあるので、先にやっておくことをお勧めします。
また、労働者に給与の支払いがされなかったということは、会社全体として経営状態が厳しくなっているケースが多くあります。このように会社の経営状態が悪い場合、自分だけでなく、ほかの従業員も給与未払いの状態であることが多いので、労働組合を結成して、団体交渉することが有効です。
その他、ユニオンなどの個人加盟の労働組合に加入し、交渉することも効果的でしょう。
給与未払い額を確認して、会社にも請求・相談したけど解決しなかった…そんな労働者を守るため、給与未払いについて相談できる先があります。給与未払いになった場合、どういった先に相談するべきか、みていきましょう。
給与未払いは労働基準法24条違反のため、労働基準監督署に相談・申告することで解決につなげることができます。注意点は、単なる相談だけで終わってしまう場合、労働者の「どうしたら良いでしょうか」という声に応えるだけになるため、労働基準監督署として解決に向けて動くことにはなりません。
詳細はこちら
労働基準監督署に動いてもらい、具体的な解決をはかりたいのであれば、給与未払いという労働基準法違反であることを「申告」しましょう。
申告は、労基法違反申告書を労働基準監督署に提出して行います。この申告を行うと、労働基準監督署は、違反に対して是正勧告・救済調停・和解・あっせんといった具体的な措置を講じます。
なお、悪質な労基法違反を繰り返しており、是正勧告等にも応じない会社に対しては、「告訴状」を労働基準監察官に提出して処罰を求めることも可能です。
自治体の労働相談センターにも、給与未払いに対する相談が可能です。労働相談センターでは、給与未払いについての相談を受けてもらえるほか、都道府県労働局長による助言・指導や、紛争調整委員会によるあっせんについての案内まで対応してもらえます。
詳細はこちら
労働基準監督署のような権限はありませんが、都道府県(労政主管事務所、労働委員会)や、法テラス(日本司法支援センター)、労使団体といった他の機関と連携していることで、解決策が多岐にわたります。
会社が給与を任意に未払いにしている場合、大きく分けて以下の2ケースに分けられます。
詳細はこちら
① 会社に支払い原資が不足しているケース
② 会社が「法律上支払い義務はない」と主張しているケース
①会社に支払い原資が不足している場合、差押等の手続きによって未払い給与(労働債権)を確保する方法がありますし、②会社が「法律上支払い義務はない」と主張している場合、労働審判や訴訟等で争うことになります。
給与未払いに関する「相談」をしたい場合、専門家として弁護士、司法書士、社会保険労務士が相談先として挙げられますが、確実に「解決」したいのであれば、①・②どのケースでも取り扱うことができる、業務範囲に制限のない弁護士に相談しましょう。
給与未払いは法律違反であり、労働者にとっては日々の生活に直結する重大なトラブルです。
この記事では、給与未払いにあった時、労働者が自分自身でできることと、相談先を紹介しましたが、とにかく「解決に向けて動く」という点が重要です。
各相談先では、日々多くの労働者から相談を受けており、様々な解決策を提案してもらえるので、自分の力だけではどうにもならないと思った時は、泣き寝入りせず、すぐに相談してみましょう。
みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。