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知らないともったいない!年次有給休暇の有効期限(消滅時効)について解説

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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労働者が、給与を会社からもらいながら休むことができる「有給(年次有給休暇)」の存在は、社会人であれば誰もが知っていることです。

しかし、有給にも有効期限(消滅時効)が存在することを知らない方は、意外と多いのではないでしょうか?

「有給を数年分貯めてから、一気に消化して長期休暇を申請しよう!」
「そう言えば有給が残ってたっけ…まぁそのうちまとめて消化すればいいか…」

このようにお考えの方は要注意です。「せっかく取得した有給が気づいたら消滅していた!」なんてことになれば、非常にもったいないことです。

そのような事態を避けるためにも、働く側が有給に関する正しい知識を身につけることは肝心です。

この記事では有給の有効期限(消滅時効)について、働く側の視点から解説していきます。

そのため、有給を付与されてから2年間権利を行使しないと、時効によって有給は消滅してしまいます。

会社から付与された有給は翌年に繰り越すことが可能ですが、それも2年分が限界です。したがって、数年分貯めておいて一気に有給を消化しようとお考えの方は要注意です。

なお、有給の有効期限(消滅時効)に関しては、労働基準法第115条によって規定されています。

労働基準法 第115条 時効

この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。

有給が有効期限切れで消滅する仕組みを具体例で説明

「有給は付与されてから2年間で消滅する」と法律を根拠に伝えられても、いまいちピンとこないものです。

有給が有効期限切れで消滅する仕組みを、具体例と共に確認しましょう。

【有給が有効期限切れで消滅する仕組み】

新卒のAさんは、2020年4月1日に念願の甲社に晴れて入社しました。

Aさんは正社員であるため、6ヶ月間の出勤率が8割以上という要件を満たせば、入社から6ヶ月が経過した2020年10月1日に「10日間」の有給を会社から付与されます。

順調に社会人生活をスタートさせたAさんは2020年10月1日に、人生で初めて有給を付与されました。

その後、Aさんは仕事が忙しく有給を消化せず、また、会社側から有給の消化に関して特になにも伝えられなかったことから、有給をそのまま放置していました。

Aさんは仕事にも慣れ、2021年4月1日に甲社で2年目のキャリアをスタートさせました。そして2021年10月1日に「11日」の有給が付与されました。

前年の発生分と合わせて、21日ぶんの有給が貯まっています。ここでAさんは、あることを思いつきました。

このまま有給を消化せずに貯めていくと、2022年10月1日に付与される3年目の有給「12日」と貯まっている有給を合わせ、合計で「33日」になります。

有給の有効期限を知らないAさんは、「一気に有給を消化すれば、ほぼ1ヶ月休める!」と思い込んでしまいました。

Aさんは来たるバケーションに向けて3年目も忙しく働き、2022年10月1日を迎えました。入社3年目のAさんには「13日」の有給が付与されました。

しかし、残念ながらこの瞬間、入社1年目(2020年)に付与された「未消化の有給10日」ぶんは、2年の消滅時効にかかり消滅してしまいました。

Aさんのもとには、2年目の11日+3年目の12日=23日の有給しか残っていません。Aさんは予約していたホテルをキャンセルしました。

以上が有給の有効期限(消滅時効)に関する大まかな説明になります。

会社がAさんに対して、有給の消化をなにも伝えないことにも問題がありますが、有給の期限について、ある程度ご理解いただけたかと思います。

このような事態に陥らないためにも、自分の有給日数と消滅時効を確認しておくことが重要です。

有給の有効期限に関するよくある疑問

有給の有効期限(消滅時効)は、会社側も働く側も意外と勘違いをしていることが多いものです。

ここでは、有給の有効期限に関するよくある疑問についてご回答します。

期限切れ間近の有給を会社に買い取ってもらえませんか?

「期限切れ間近の有給を会社に買い取ってもらえるか」という疑問をよく聞かれます。

結論から申し上げると、有給の買取は原則として違反とされています。

この理由は単純で、有給の買取を積極的に認めてしまうと、「お金を払えば社員を休ませなくて良い」と企業が判断してしまいます。

その結果、有給の本来の趣旨である、「一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障する」という考えから逸脱する恐れがあるためです。

ただし例外として、時効が到来した有給、退職時に残ってしまった有給については、
労働者側から買い取ってもらいたい意図を伝え、会社がそれに合意した場合には買い取ってもらえる場合があります。

無論、企業が社員に対して強制的に有給を買い上げるような行為は認められていません。

有効期限切れの有給はどうにもできませんか?

「有効期限が切れてしまい消滅してしまった有給はどうにもできませんか?」という疑問も、働く側からすると気になるポイントです。

このような場合、企業と働く側の合意があれば、有効期限が切れた有給を買い取ってもらうことが例外的に可能です。

消滅時効にかかった有給を会社が買い上げることは、労働者の権利を損ねるものではなく、むしろ社員の福祉向上につながるためです。

ただし、法律によって強制されるものではなく、あくまで双方の合意によるものですから注意してください。

バイトは有給の繰り越しができないと言われましたが本当ですか?

「君はアルバイトだから有給は繰り越せないよ」「契約更新したから有給はリセットしたよ」

このようなことを、就業先で伝えられた経験をお持ちの方も多いと聞きます。

結論から申し上げると、企業側のこの主張は誤りです。企業側が有給に関して誤った認識を持っている可能性があります。

有給休暇の繰り越しは、正社員やアルバイトといった雇用形態によって左右されるものではありません。アルバイトやパートタイマーでも、継続して働いていれば問題なく2年目に繰り越すことが可能です。

また、アルバイトやパートの場合、6ヶ月や12ヶ単位で契約更新が発生する場合が多いでしょう。

このように契約更新がなされた場合においても、実質的には労働関係は継続しているとみなされるため、継続勤務に該当します。

したがって有給は繰り越せますし、消滅することもありません。

まとめ

有給の有効期限(消滅時効)について解説してきました。

有給の行使は、働く側に認められた当然の権利です。ただし、企業からすると、社員に対してお金を払いながら会社を休ませることになるため、有給の行使に消極的なブラック企業が存在するのも事実です。

もし会社との間で有給に関してトラブルが発生した場合、まずは社内の担当者に相談しましょう。

それでも改善が見込めない場合には、労基署等の専門機関や、労働問題に詳しい弁護士に相談することで、解決が望める場合があります

有給を認めないブラック企業に対しては、毅然とした対応で権利を取り戻しましょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。