不当解雇・退職勧奨
お悩みお聞かせください

無料相談窓口(24時間全国対応)

※伺った事情をもとに、ショートメールメッセージ(SMS)か電話にて専門員が返答いたします

※ユニオンとしてご対応が難しいものでも、適切な相談先をお伝えしますので、まずはご連絡ください

固定残業代は最低賃金の計算に含まれる?残業代と最低賃金の関係とは

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

<20 eyecatch>1 1

固定残業代が含まれた契約で働いていると、ご自身が最低賃金以上で働けているのかどうかを計算する際に疑問に思われる方は多いものです。

最低賃金の計算方法は厚労省のホームページなどでも公開されていますが、説明が難しく固定残業代を含んで計算されるかどうかはいまいちわからない人も多いでしょう。

今回の記事では固定残業代と最低賃金の関係を詳しく解説し、最低賃金の計算にまつわる疑問を解決いたします。

固定残業代と最低賃金の関係

給料は固定残業代のほかにも職務手当や通勤手当、そこから控除される保険料など、複数の要素で構成されています。

よって、給料から最低賃金を計算する際の計算も複雑になりがちです。

ここでは固定残業代と最低賃金に、どのような関係があるかをご紹介いたします。

固定残業代とは

前提として固定残業代のことを理解しておく必要があります。

固定残業代とは、一般的な残業代とは異なり、あらかじめ給料の中に残業代を組み込んで支払う制度のことで、いわゆるみなし残業のことです。

通常の残業代は残業した時間に応じて給料がもらえるのですが、固定残業代はあらかじめ残業するものとみなして(想定して)給料に残業代を乗せて支払います。

制度としてはよくあるものですが、固定残業代は事前に給料に組み込まれている一方で会社側がその金額を決めており、固定残業代だけで時給を計算したときに最低賃金を下回っている場合があり問題になりやすいのです。

固定残業代は最低賃金に含まれる?

固定残業代は最低賃金に含まれる?

今回のテーマである固定残業代は最低賃金に含まれるかどうかですが、結論として固定残業代は最低賃金の計算には含まれません
しかし、固定残業代が最低賃金を下回っていれば違法になり得ます。
最低賃金の算出基盤は?

基本的には、最低賃金は①基本給 と②諸手当(通勤手当・皆勤手当・家族手当を除く)のみで計算します。

賞与や時間外手当などは含まないことに注意が必要です。

したがって額面20万円で、そのうち3万円は固定残業代である場合、最低賃金の計算にあたっては固定残業代を引いた17万円で計算します。

固定残業代が最低賃金の計算に含まないとしても、固定残業代そのものはもともと基礎賃金から算出されています。

固定残業代の算出基盤となった基礎賃金が最低賃金を下回っていれば違法になりますので、固定残業代の低さは別途問題になりうるのです。

最低賃金額以上をもらっているか確認するには

固定残業代は最低賃金に含まれるかどうかも問題になりやすいですが、そもそも最低賃金額以上をもらっているのか確認するための計算方法がわからないという方も多いでしょう。

最低賃金額以上の給料をもらっているかを計算するには、以下のようにお勤め先で定められている最低賃金額と、ご自身の給料の時間額を割り出す必要があります。

お勤めしているエリアの最低賃金を確認

まずはじめにお勤めになられている会社のエリアで定められている最低賃金額を調べます。

最低賃金は全国一律で定められているようなイメージを持たれている場合がありますが、最低賃金は都道府県ごとで定められており、お勤めの事業所(会社)がどこにあるかで最低賃金は変わります。

たとえば東京都であれば2020年の段階では1,013円ですが、近県の茨城県だと851円、千葉県だと925円とばらつきがあるのです。

よく勘違いされやすいのは、ご自身が住んでいるエリアなのか、事業所の所在地なのか、それとも本社の所在地で最低賃金を適用するのかというものがありますが、お勤めの事業所の所在地の最低賃金が適用されます。

したがって、埼玉県に住んでいて東京都の事業所に働きに出ている場合は東京都の最低賃金が適用されるということになるのです。

参考:地域別最低賃金の全国一覧(厚生労働省)

給与体系ごとの計算式で時間額を算出

お勤めのエリアが定める最低賃金が判明しましたら、今度はご自身の給料から時間額を算出します。

最低賃金はいずれも時間額で定められているので、ご自身の給料を時間額に換算しなければなりません。

たとえば時給で働いている人であれば時給そのものの金額で最低賃金額かどうかはすぐにわかりますが、月給制や日給制の場合は以下のように計算が必要です。

  • 月給制の時間額計算方法
    月給÷1ヶ月平均所定労働時間
  • 日給制の時間額計算方法
    日給÷1日の所定労働時間

上記の計算式で割り出した数字が、定められた最低賃金を上回っていれば合法、下回っていれば違法になります。

最低賃金額を下回って働いていたら

最低賃金かどうかを計算された人の中には、最低賃金を上回って安心した人もいれば下回って衝撃を受けた方もいらっしゃるでしょう。

もしご自身が最低賃金額を下回って働いていた場合はどうすればいいのでしょうか?

ここでは最低賃金を下回っていた場合の対処法をいくつかご紹介いたします。

会社に給料の改定を伝える

ご自身の給料が最低賃金を下回っていた場合は、まず会社に給料が最低賃金を下回っていることを伝えて改定してもらうように知らせましょう。

最低賃金を下回っていても会社側が気づいていない場合もありますし、行政が独自に気づいて指導してくれるわけではないので、ご自身で行動しなければいけません。

たとえば採用当時の最低賃金は850円で時給900円で働きはじめても、最低賃金が1,000円以上に改定された場合は、最低賃金を下回って働いていることになるので、会社に伝えて対応してもらわなければならないのです。

改定されなければ労働基準監督署へ

企業によっては最低賃金を下回っているのに最低賃金にあわせない違法行為をするものもいますが、このような場合は労働基準監督署へ相談してください。

労働基準監督署は労働基準法関連でしか対応してくれないイメージがありますが、最低賃金は最低賃金法という法律に定められており、同法で労働基準監督官が最低賃金法に関する事務(対応)をするよう定められているのです。

たとえば今回のように最低賃金を下回っているのであれば指導や調査をおこない、もし悪質であれば最低賃金法の違反によって刑事訴訟法が定める司法警察員(検察官のイメージ)の職務をおこない検察官の指揮のもと、差押状や捜索状を執行します。

「労働基準監督署に相談されたらクビにされそう」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし労働者が労働基準監督署へ相談することは権利として保障されており、仮に相談したことを理由に解雇された場合は不当解雇として解雇を撤回させられる可能性がありますので、気がかりなことがあれば労働基準監督署へしっかりご相談されるとよいでしょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

詳しくはこちら

みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。