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セクハラ被害は誰に相談すればよいのか

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職場でセクハラの被害に遭った場合にはどのような対応をすればいいのでしょうか。誰に相談すべきなのかも分からない方も多いと思います。

今回は、そのような会社内でのセクハラ問題について法的に解説していきます。

セクハラの定義について

そもそも、セクハラとはどのような行為をさすのでしょうか。まずは定義から説明していきます。

セクハラの定義

「セクハラ」とは、セクシャルハラスメントの略で、「性的な言動によって、個人または職場全体に不利益・不快感を与えること」です。「性的嫌がらせ」などと翻訳されたりしますが、法的にはどのように画される概念なのでしょうか。
セクハラの概念とは?

「男女雇用機会均等法」では、職場における「性的な言動に起因する問題」に関する雇用管理上の措置について規定されています。雇用の分野における男女の均等な機会や待遇の確保を図ることを目的に制定されてる法律です。

対価型セクシャルハラスメント

男女雇用機会均等法において「性的言動に起因する問題」は2つのパターンに分類されています。まず1つ目として規定されているのは、対価型セクシャルハラスメントといわれている類型です。
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  1. 対価型セクシャルハラスメントとは、「職場において労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否したことで解雇、降格、減給などの不利益をうけること」をいいます。

具体的に、対価型セクハラとされるものは、出張中の車内で、上司が部下の身体に触ったが抵抗されたため、その部下に不利な配置転換をしたというようなケースが挙げられます。

また、会社内で、上司が日頃から社員の性的な話題を公然と発言していたが、抗議されたため、その社員を解雇したようなケースも対価型セクハラにあたります。

環境型セクシャルハラスメント

次に2つ目に規定されているのは、環境型セクシャルハラスメントと呼ばれる類型です。
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  1. 環境型セクシャルハラスメントとは、「職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、職場の環境が不快なものとなったため、労働者が就業する上で見過ごすことができない程度の支障が生じること」をいいます。

具体的に環境型セクハラとされるものは、勤務先の廊下やエレベーター内などで、上司が部下の身体にたびたび触るため、部下が苦痛に感じて、就業意欲が低下しているようなケースが挙げられます。

また、同僚が社内や取引先などに対して「あの人には愛人がいる」といった性的な内容の噂を流したため、仕事に集中出来なくなったいうような場合も環境型セクハラにあたります。

男女雇用機会均等法は、対価型セクハラと環境型セクハラをあわせて職場におけるセクシャルハラスメントとして規定しています。

職場におけるセクハラ対策

次に会社におけるセクハラ問題についてはどのように規律されているのでしょうか。使用者に求められる義務等について説明していきます。

職場におけるセクハラ

職場のセクハラは「職場」において行われる「労働者」の意に反する性的な言動をいいます。「職場」とは、事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所であれば、労働者が通常就業している場所以外であっても「職場」にあたります
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例えば、取引先事務所や顧客の自宅、出張先、打合せのための飲食店、移動で使用する車内なども「職場」といえます。「労働者」とは、使用者が雇用するすべての労働者が含まれます。正規労働者のみならずパートや契約社員などの非正規労働者も含まれます。

使用者の雇用管理上の措置

法律には、職場のセクハラを防止するために「当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない」と規定されています。(男女雇用機会均等法第11条1項)
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事業主が必要な措置義務に違反した場合には厚生労働大臣から報告を求められ、指導・勧告を受けるおそれもあります。(同法第29条1項)

具体的に事業主が行うべきセクハラ防止措置義務については大きく4種類が規定されています。

  1. ① 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発
    使用者はセクハラの内容やセクハラがあってはならな旨の方針を明確化しなければなりません。そして行為者に対する対処方法・対処内容について文書で規定し管理・監督者を含む全労働者に周知・啓発をしなければなりません。

  2. ② 苦情・相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
    使用者は相談窓口をあらかじめ設定し、窓口担当者が内容や状況に応じて適切に対応できるようにしなければなりません。

  3. ③ 職場におけるセクハラにかかる事後の迅速かつ適切な対応
    使用者は事実関係を迅速・正確に確認して、行為者・被害者に対する適正な措置を行わなければなりません。さらに再発防止に向けた措置も講じなければなりません。

  4. ④ ①~③までの措置と併せて講ずべき措置
    当事者のプライバシーを保護し、相談したことや調査に協力したことを理由に不利益な取り扱いをしない旨を定めて全労働者に周知・啓発しなけれなりません。

使用者にはセクハラ対策として上記のような義務が課せられています。

セクハラ被害に遭った場合

セクハラ被害に遭った場合には会社が設置している相談窓口等に相談しましょう。また、都道府県労働局には雇用環境・均等部が設置されていますので、会社の措置が不十分な場合にはこちらも利用できます。

それでは、職場でセクハラ被害に遭った場合には加害者や会社に対してどのような請求ができるのでしょうか。裁判例を紹介します。

会社である同僚が女性従業員の異性関係が派手である等の噂を会社の内外に流布しました。会社も事実関係を十分に確認することなくこの女性従業員に対し同僚と話し合いで解決できなければ退職してもらうと告げ、女性が退職してしまった事案です。
(福岡地裁平成4年4月16日(労判607号6頁・判時1426号49頁))

セクハラの加害者には不法行為が成立

裁判所は以下のように判断し、加害者の同僚に対して不法行為に基づく損害賠償責任を認めました。
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  • 加害者の行為は、労働者の個人的な性生活や性向を窺わせる事項についての発言である。
  • 加害者の発言は結果、労働者が職場に居づらくさせる状況を作り出しその状況を意図又は予見していた場合には、労働者の人格を損なって感情を害し、「働きやすい職場環境のなかで働く利益を害するもの」である。
  • したがって、不法行為責任を負う。

労働者には、「働きやすい職場環境のなかで働く利益」が法的に保障されており、これが害された場合には損害賠償を請求することができます。

使用者にも損害賠償請求ができる

次に会社に対しても、以下のように判断して不法行為に基づく損害賠償責任を認めています。
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  1. 使用者は、被用者との関係において社会通念上伴う義務として、被用者が労務に服する過程で「生命及び健康を害しないよう職場環境等について配慮すべき注意義務」を負う。
  2. さらに、労務遂行に関連して被用者の人格的尊厳を侵しその労務提供に重大な支障を来す事由が発生することを防ぎ又は適切に対処して「職場が被用者にとって働きやすい環境を保つように配慮する注意義務」がある。
  3. 被用者を選任監督する立場にある者が上記注意義務を怠った場合には、被用者に不法行為が成立し、使用者も民法715条による不法行為責任を負うことがある。

民法715条は、被用者が事業の執行について第三者に損害を加えた場合に、使用者にも賠償責任を認めた使用者責任の規定です。本件では使用者にこの不法行為責任が認定されています。

また、他の裁判例では、不法行為ではなく「労働契約上の付随義務」として使用者には「労務の提供に関して良好な職場環境の維持確保に配慮すべき義務」への違反として損害賠償請求を認めた事例もあります。

セクハラ被害に遭った場合には改善を求める以外に加害者や会社に対して損害賠償請求ができますので、まずは弁護士に相談するべきでしょう。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。