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会社がハローワークへ提出する離職票を発行しない?理由と対策

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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労働者は会社を退職した後、重要な書類である離職票を受け取ります。この離職票は失業給付の受給資格がある退職者が手続きを行う時に必要です。しかし、会社を退職してから自宅に離職票が届かない場合があります。

もし、自らがこのような状況に直面した時にはどうすれば良いのでしょうか。
この記事では、離職票を発行しない・されない理由と対策について解説していきます。

ハローワークに提出する離職票を発行しない理由

離職票は会社から必要書類を受け取ったハローワークが交付します。そして、交付された離職票をハローワークが会社に送ります。

労働者は会社を退職する時に離職票の発行を希望すると自宅に送ってもらえます。この離職票は失業給付の受給の手続きをする際に、ハローワークで必要になります。

しかし、退職後に会社から離職票が送られてこない場合があります。会社は労働者から離職票の発行を希望された場合は、法律上拒むことができないのですが、なぜ離職票が送られてこない事態が起こるのでしょうか。

離職票の発行手順

離職票の発行の流れは、以下のようになっています。

  1. 最初に労働者が会社に離職票の発行を依頼。
  2. 会社は「雇用保険被保険者離職証明書」を作成して必要事項を記入。
  3. 労働者は会社側が記載した内容を確認して、必要事項を記入・捺印。
  4. 労働者は会社に書類を返して、会社側が「雇用保険被保険者離職証明書、雇用保険被保険者資格喪失届」の重要な書類をハローワークに提出。
  5. 会社から重要な書類を受け取ったハローワークは手続きを進めて、「離職票1、離職票2」を交付。
  6. 「離職票1、離職票2」はハローワークから会社に送付。
  7. 会社はハローワークから送られてきた離職票を退職者に送付。

労働者が離職票を受け取ることができるのは、2週間ほどかかります。

会社の手続きの不備

労働者が会社に離職票の発行を頼んだとしても、会社側が提出した書類に不備があると、修正手続きのため、受け取る日が遅くなります。

また会社側の手続きの不備としては、担当者が「手続きを忘れている」・「外部の委託している業者とのやり取りに問題がある」などがあり得るでしょう。

会社は労働者が退職した場合、退職日の翌日から10日以内にハローワークへ「雇用保険被保険者資格喪失届」と「離職証明書」を提出しなければいけません。これは「雇用保険法第7条」・「雇用保険法施行規則第7条第1項」の法律で決まっています。

一般的に支障なく手続きが進められた場合は、2週間ぐらいで離職票がお住いの住所に届きます。このことから退職者が退職日から2週間経っても離職票が届かない場合は、会社の担当者に連絡して詳細を確認してみましょう。

ハローワークの手続きの遅れ

会社が問題なく手続きを進めている場合、ハローワークの手続きが遅れていることも考えられます。

ハローワークは3月と9月が繁忙期になっており、この時期に他の手続きが重なってしまうと遅れてしまう可能性があるでしょう。もし、ハローワークが繁忙期でない場合は手続きが極端に遅くなることはありません。

現在の手続きの状況が気になる方は、会社の管轄のハローワークに連絡して確認してみましょう。また、自宅が管轄のハローワークから近い場合は、直接足を運んでも良いでしょう。

会社の故意

会社からの嫌がらせで故意に離職票の発行を行ってもらえないことがあります。これは会社を円満退職できなかった場合などにありえることです。

そのため、退職後に自宅へ離職票が届かず、ハローワークで失業給付の受給の手続きが進まない可能性があります。やはり、失業給付の受給する手続きを円滑に進めるためには離職票が必要です。

もし、心配な方は会社と管轄のハローワークに電話で確認しましょう。
会社が対応をしてくれない場合は、ハローワークに相談すると良いでしょう。

ハローワークに提出する離職票に関係する法律

労働者は会社に離職票の発行を頼むことができます。しかし、会社によっては離職票の発行を行わない場合もあるのです。会社は労働者が離職票の発行を拒むことはできません。ここでは離職票の発行を拒んだ場合に、どのような法律が該当するのか見ていきましょう。

離職票を発行しない場合の法律

労働者が離職票の発行を頼んだ場合、会社は拒めません。会社が労働者に対して離職票を発行しないことは、法律違反になります。これは「雇用保険法第76条第3項」・「労働基準法第22条」に定められた、会社の義務です。

雇用保険法第76条第3項は「離職者から必要書類の請求があった時、事業主・労働保険事務組合は、その請求に係る証明書を交付しなければならない。」となっています。

また、労働基準法第22条は「労働者が退職の場合に使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由について証明書を請求した場合、交付しなければならない。」と定めています。

ちなみに労働者の権利として、「雇用保険法施行規則第16条」・「雇用保険法第76条3項」・「労働基準法第22条」が該当します。

雇用保険法施行規則第16条は「雇用していた被保険者が離職したことにより被保険者でなくなった場合、離職票の交付を請求するため離職証明書の交付を求めたときは、交付しなければならない。」と、定めています。

さらに雇用保険法第76条3項は「離職した者は事業主や労働保険事務組合に対して、必要な証明書の交付を請求することができる。」と定めています。労働者は、離職票を受け取れる権利があるのです。

離職票を発行しない場合の罰則

もし、会社が離職票の発行を正当な理由がなく拒んだ場合は、法律に違反します。

これは「雇用保険法第83条」に該当して、「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」の罰則になるのです。そのため、労働者が会社に離職票の発行を頼んだ場合、正当な理由がなければ法律違反になります。

会社が離職票を発行しない時の対策

労働者がハローワークに提出する離職票の発行を会社に頼んでも、拒まれてしまう場合もあり得ます。この場合、労働者はどのような行動を取れば良いのか迷いますね。自分や周りの人が困った時に焦らずに適切な対策が取れるように見ていきましょう。

ハローワークに相談する

会社が離職票の発行を拒んだ場合は、ハローワークに相談する方法があります。ハローワークの担当者が事実確認などを会社に行ってくれます。

また、会社に対して「離職証明書」を提出するように伝えてくれます。このことで、会社が離職票を発行するための手続きを進める可能性があるでしょう。

離職票を発行してくれないと悩んでいる方は、1人で抱え込まず、労働者の相談を受けてくれるハローワークに一度相談してみましょう。

専門機関や専門家に相談する

ハローワークに相談する以外には、「労働基準監督署の専門機関」・「弁護士などの専門家」に頼む方法があるでしょう。労働基準監督署は会社が労働基準関係法令に違反していないか監督する立場のため、相談に適しています。

また、弁護士などの専門家は交渉や裁判などの経験が豊富なので、適切な対応や助言が期待できます。また、弁護士などの専門家に依頼することで、自ら交渉を行う必要が無くなり、話し合いが進みやすくなる可能性もあります。

失業給付の仮手続きを行う

労働者が会社を退職後、ハローワークで失業給付を受給するためには離職票が必要です。しかし、離職票が本人の手元にない場合もあるでしょう。

初回は失業給付を受給する手続きに関して、離職票がなくても可能になっています。このことを「仮手続き」と言い、離職票を待たずに手続きができるのです。

ただ、注意点としては「仮手続き」ができる日は、退職日の翌日から12日以降となっています。また、「仮手続き」を行ったとしても離職票が必要です。あくまでも離職票が届くまでの「仮手続き」となりますので、注意してください。

まとめ

この記事では、ハローワークへ提出する離職票が発行されない場合について解説してきました。法律によって、会社は労働者に離職票の発行を拒むことができません。会社が離職票を発行してくれない場合は、是非この記事を参考にしてみてください。

監修者


みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。