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自主退職の退職金は少ない?自主退職と会社都合の平均退職金額

更新日:

監修者:みんなのユニオン 執行委員
岡野武志

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転職をする際、当面の生活費などにあてるため退職金がいくらもらえるかは気になるところです。

今回の記事では、自主退職の場合の平均退職金額と退職金の計算方法、退職金にかかる税金などについて解説します。

自主退職とは|離職理由の整理

一般的に自主退職は、自己都合退職ともいいます。ただし、「会社の経営が厳しいので自主的に辞めてくれないか」などの働きかけがあって、自分で判断して(自主的に)辞めた場合は、厳密には会社都合退職に該当します。

少しわかりにくい説明になりましたが、まずは離職理由と退職の種類について整理しましょう。

会社を辞めるのは退職か解雇

従業員が会社を辞めるときは、一般的に退職か解雇によって労働契約が打ち切られます。退職と解雇の違いは下記のとおりです。

  • 退職:従業員の申し出によって労働契約が終了
  • 解雇:会社からの通知によって労働契約が終了

退職は下記に分類されます。

  • 自己都合退職:従業員の都合で会社を退職すること
  • 会社都合退職:会社側の理由でやむなく退職すること

経営不振の会社からの退職勧奨されて、仕方なく退職届を提出した場合などが会社都合退職にあたります。

また、解雇については下記に分類されます。

  • 普通解雇:従業員の能力不足や傷病による長期欠勤などを理由とする解雇
  • 懲戒解雇:会社の秩序や規律に著しく反した従業員に対して行われる解雇
  • 整理解雇:会社が経営不振で人員を削減して会社の建て直しを図るために行う解雇

会社の経営不振により労働契約が終了になるケースには、希望退職の募集や退職勧奨に応じることによる「会社都合退職」と、会社からの一方的な通知による「整理解雇」(いわゆるリストラ)があるので違いを理解しておきましょう。

失業保険の離職理由

離職理由によっては失業保険に給付制限が付く場合があります。
※給付制限とは、失業保険申請後7日経過した後、さらに2か月(場合によっては3ヶ月)失業保険を受けられない場合のことです。

前章で区分した退職や解雇についても、下記のように「給付制限ある退職」と「給付制限のない退職」に分けられます。

  • 給付制限のない退職:会社都合退職、普通解雇、整理解雇
  • 給付制限のある退職:正当な理由のない自己都合退職、懲戒解雇

正当な理由のない自己都合退職の場合は、失業保険申請後、少なくとも2ヶ月以上は給付を受けられません。
そのため、自己都合退職か、会社都合退職かでは、大きな差があるといえます。

ただし、自己都合退職のうち「心身の障害」「妊娠・出産・育児」などで離職した人などは「正当な理由のある自己都合離職者」として、失業保険の給付制限を受けません。これを特定理由離職者といいます。
参考:特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要(ハローワークインターネットサービス)

前章で説明した退職や解雇の区分と、失業保険の離職理由の区分とが混同されることがありますが、本記事では従業員が自分の都合で会社を退職することを「自主退職」として説明していきます。

自主退職の退職金額は会社都合より少ない

総務省統計局の平成30年就労条件総合調査によると、自主退職(自己都合退職)の退職金額は会社都合より少ないです。

  • 自己都合退職:1,519万円
  • 会社都合退職:2,156万円
  • 希望退職  :2,326万円

※金額は一時金と年金の合計。対象は平成29年度の勤続20年以上かつ年齢45歳以上、大学卒の退職者。
参考:総務省統計局|平成30年就労条件総合調査)

退職金規定は企業によってさまざま

退職金規定をどう定めるかは法律上の制約はなく、企業によってさまざまです。

  • 退職金がない
  • 自主退職の退職金額と会社都合は同額(勤続年数や評価などで決まる)
  • 自主退職の退職金額は会社都合より少ない

年功序列の終身雇用制度が崩れ、転職が当たり前になったことに伴い、退職金をなくす代わりにその分を給与に上乗せする会社も増えてきています。

勤続年数別の平均退職金額

自主退職の平均退職金額と会社都合退職の比較を、企業規模別・勤続年数別にみていきます。
平均退職金額は?

大企業は令和元年度の「賃金事情等総合調査」より事務・技術職の総合職を対象に、中小企業は令和2年度の東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情」より全職種を対象にしているため前提条件が異なります。

・大企業(従業員1,000名以上・大学卒)

勤続年数年齢自己都合会社都合
3年25歳32.8万円68.7万円
5年27歳63.4万円123.8万円
10年32歳186.1万円312.8万円
15年37歳407.6万円588.4万円
20年42歳801.8万円965.9万円
25年47歳1,287.0万円1,426.9万円
30年52歳1,898.3万円2,012.9万円
35年57歳2,368.3万円2,455.2万円
38年60歳2,659.7万円2,686.4万円

参考:政府統計の総合窓口「賃金事情等総合調査」13-1,13-2

勤続年数別に比較すると、勤続年数3年と5年では自己都合の場合の退職金額は会社都合の半分程度、10年と15年では2/3程度と大きな開きがあります。しかし、勤続年数30年と35年では金額の格差は縮小しています。

入社早々に会社を辞められると会社は育成に要した費用が十分に回収できないため退職金は大きく減額されますが、一定年数、会社に貢献して定年が近づくと減額幅は小さくなるといえます。

・中小企業(従業員300名未満・大学卒)

勤続年数年齢自己都合会社都合
3年25歳23.1万円34.6万円
5年27歳42.3万円60.3万円
10年32歳113.5万円148.3万円
15年37歳214.9万円266.0万円
20年42歳353.4万円425.0万円
25年47歳524.3万円598.0万円
30年52歳705.9万円785.6万円
35年57歳835.9万円915.3万円
38年60歳1,118.9万円

参考:東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情 令和2年版(第8表-①モデル退職金・調査産業計)」

自主退職の退職金額が会社都合より少ない理由

退職金規定は企業によってさまざまですが、自主退職の方が退職金が少ない理由は、ベースとなる退職金額に退職理由によって所定の掛け率(会社都合は1.0、自己都合は0.8など)を乗じて計算する会社が多いからです。

ベースとなる退職金額の計算方法は、勤続年数や基本給、会社への貢献度など会社ごとに大きく異なりますが、自主退職の場合に減額される点は比較的、どこの会社も共通しています。

会社側は「従業員に長く働いてもらいたい」「初期投資してすぐ辞められると困る」と考える傾向にあるため、自主退職に対する減額規定が設けられているのです。

退職金にも税金がかかる

退職金にも税金がかかるため、転職活動中の生活費や開業資金などに退職金を当てにしていると計算が狂うこともあるので要注意です。

退職金にかかる税金は源泉徴収される

退職金にかかる税金は会社で源泉徴収されるので、個人で確定申告の必要はありません。退職金の支給時期は会社によって異なりますが、支給日が近づくと会社で税金がいくらになるか教えてもらえるかもしれません。

退職金にかかる税金の計算方法

退職金にかかる税金は所得税です。給与に対する所得税と異なるのは退職所得控除などによって課税対象額が大幅に減額されることです。退職所得控除額は勤続年数によって下記のとおりです。

  • 勤続20年以下:40万円×勤続年数
  • 勤続20年超 :800万円+70万円×(勤続年数ー20年)

課税所得の計算は下記のとおりです。

(課税所得)=(退職金額-退職所得金額)×1/2

計算方法の詳細は下記リンクを参照ください。
参考:国税庁「退職金と税」

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みんなのユニオン

執行委員岡野武志

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みんなのユニオンの執行委員を務める岡野武志です。当ユニオンのミッションは、法令遵守の観点から、①労働者の権利の擁護、②企業の社会的責任の履行、③日本経済の生産性の向上の三方良しを実現することです。国内企業の職場環境を良くして、日本経済に元気を吹き込むために、執行部一丸となって日々業務に取り組んでいます。